レイナ洞窟編
第5話 転移先
「あぁ、俺が殺すまでに死らないでくれよ、クソ女神!」
とまあ、アリスとか他のクラスメイトたちが心配しないようにカッコを付けた訳だが。
「さて、どうしたものか」
いや、少なくとも最終目標は見えている。アリスとの再会と、女神への復讐だ。
そのためにはこの洞窟からの脱出と、女神討伐のための力を手に入れる必要がある。まずは状況の確認だ。
最初に俺は辺りを見回した。
「うぇ、まじかよ」
この部屋には一つしか出入り口はなく、湿気っているただの洞窟だ。床には人骨と人骨の物だったのであろう剣や鎧がある。
今まで、始末されてきた人達なのか?
ただ、こんな開始地点近くでこんなに人が死んでるんだったら、まずい。何か近くに強い魔物がいるってことだ。
「じゃぁ、死体漁りするか。えっと……とりあえず、ありがたく使わせていただきます」
遺体には敬意を払うが、遺品はただの物。遠慮はない。
「剣はさっきの騎士のやつがあるからいいとして、何かサバイバルアイテムが欲しい」
そうやって女神に対する復讐心をクツクツ煮詰めがら、死体漁りを探していると、突然頭に声が響いてきた。
「称号:
「称号には特殊効果があります。詳しくはステータス画面を見てください。また、称号は複数所持が可能です」
称号なんかもあるのか。しかし復讐者……俺にぴったりだな。
「ステータス」
榎本乃亜(種族:人間)
レベル:1
・能力値
筋力:153
俊敏:160
物理耐性:127
魔法耐性:125
魔力:520/520
知力:151
・スキルツリー
『狂人』:レベル1
レベル1:2倍返し
『完全再生』:レベル1
レベル1:低速再生
称号:
貴方は復讐を誓った。その復讐のためには手段を選ばない。
効果:貴方が定めた復讐対象に対するダメージ150%
復讐者、これは女神に使える効果だ。今は役目はないかもしれないが、最終目標の役には立つ。
でもまぁ、
「足りない、か」
基準としては全ステータス1500前後が将軍クラスで、過去最強だった異世界人はステータスが1万近く行ってたらしい。
そして、あの女神はそれ以上の力があるだろう。アイツ自身に力がなくとも、周りにはクラスメイトこと、勇者達がいる。
もっと力が必要だ。
「……ッ!」
ステータスの確認を終えて目の前の半透明の板を消すと、ゾワリと寒気がした。
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