拝啓、メガネ失くしました

一年中数の子食べたい

プロローグ

 闇に覆われた世界の中で、時の音頭とともに少年は蠢き出す。


 少し暗闇になれた目を細め、何かを探していた彼は、ふと、もう既に自分が長年連れ添った相棒を失っていたことを思い出す。


 襲いくるのは、失ったものに対する後悔か、失ったことに対する恐怖か。


 しかし立ち止まっている余裕はない。彼はこの惨状を『奴』に知られる前に、一刻も早くあいつに伝えなければならないのだ。


 心を決めた彼は、相棒を亡くし未だボヤける眼のまま、机へと向き直る。


 そして、この物語の始まりへと繋がる文を書き始めるのであった。






『拝啓、眼鏡失くしました。』

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