第6話 なんだろ……すごく……気持ちいい……

毎日、では無かったが、それからもセラは何度も街へ出た。


そしてお遣いと共にいたずらを繰り返した。


いたずらをする度に、指輪から何か熱いものが体の芯に流れ込んで来る感覚を覚え、それが頭の奥にまでじんっと染み響き、


「なんだろ……すごく……気持ちいい……」


そのうずきが、さらにいたずらを助長した。


「でも、ヴィミルは本当に大丈夫なのかな」


いつも、塔へと戻るとヴィミルは必ずどこか怪我をしていた。


腕や足には血のにじんだ包帯を巻き、先日は眼帯までも右目をおおって。


だが怪我とは裏腹にヴィミルは活き活きとしており、


「セラは本当に素晴らしい妹ね。

何があっても必ず私が守るわ」


と、不安げなセラを固く抱き締めたその身長も、なんだか急に伸びている気がした。



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