WORLD WALKER

八竜坂 合戦

二柱の会話

神界にある真っ白な神殿の一室で鎧を着た神が

「アイツに会ってどうだった?」

その問いかけに比較的ラフな格好の神が不機嫌そうに

「ニヤニヤしながら聞くな・・・アイツ人間だよな?なんであんな能力まみれになってるんだ?」

それを聞いた鎧の神は一層笑顔になって言った

「アイツは紛うことなき純度100%人間だ。ちなみに行っておくと化身でも神の因子が在るわけでもない。最高だろ?」

ラフな神は腹を抑えていった

「アイツを恨んでる神や悪魔は多いそんなのが生きてられるのはお前を筆頭に味方に着いてる修羅神仏も多いのも一員では在るが」

鎧の神は照れるがそれを無視して話を続ける

「何より能力面だ。不老不死これだけでもただの人間から程遠いというのに対象を消す・再召喚し射出する、仲間の召喚そこからの派生で合成とエンチェント、別・異世界間移動他、挙げたらキリがない。何故ただの人間が

「それは我々のせいだ」

さっきまで締まりのないニヤニヤしていた顔をした鎧の神が険しく暗くなって言った

「どうやら神々の戦争に三度巻き込まれたらしい不死性は一度目に他の能力は二度目三度目それぞれで手に入れたみたいだ。ただ本当の意味で巻き込まれたのは最初だっけだな」

「どういうことだ?」

「二度目三度目は仲間を率いて第三勢力として参戦してきたんだ。俺は二度目の戦争中にアイツの味方になった、軽率だとは思ったがな」

ラフな神は当たり前だと呆れた様子で言う

「ただでさえ色んな神軍に籍を置いてるんだ参戦してないオレでも焦ったぞ?殆どの宗教・神話は影響少なかったとはいえ唯一被害が出た仏門は散々な目にあっていたぞ」

「あぁ、信長の件だろ。あれは最終的に直々に俺が出張ったんだからいいじゃねぇかそもそも日本で俺を信仰してる宗派少ないし関係あったかは疑問だなぁ」

そういうことじゃないだろと怒り出すラフな神

「影響は少ないと言ったがお前が発端でアイツの味方をするのが多く出たのは事実だろヒンズー、キリスト、イスラムはその件で各自本格調査に乗り出し神々の戦争に一部例外を除いて参加しなくなったこれは大きな痛手だぞ」

「まぁ、ヒンズーは俺の古巣の一つだし別としてキリストとイスラムの神がこの件に本気で怒ったからな鎮めるに苦労した」

神々の戦争にて現地の人間が巻き込まれるのは決して珍しいことではない何なら人間が兵として戦うことが多い、では何故大いなる神二柱が激怒したのか

「我々の戦争で人を投入する場合の掟として憎しみの力で戦わせてはいけないというものが在るあくまでも信仰心の基戦ってもらうのが神側、悪魔・悪神側の総意。だが、事もあろうに神側がそれに反する出来事を作ってしまった・・・そうなんだろ?だからこそお前はいち早く味方に」

その問いに鎧の神は声を震わせて言った

「アイツには彼女がいた幼馴染みらしい互いに15になる年に巻き込まれ亡くなり今ではタキシムに成った。何を憎んで成ったと思う?俺ら神々さ」

タキシム・・・それは復讐心で蘇り果たすまで彷徨い続ける生きる屍仮に果たせなくても神の名において復讐を代行すると約束すると解放されるが

「!?ではもう・・・」

「そうだ、彼女は永遠に彷徨うことになる神相手に復讐するなんて神であっても難しい今はアイツが拾ってきた孤児達と母として一緒に暮らしてる神を恨みながら」

「お前が責任を感じる必要はないだろう。軍神のくせに本当に優しいやつだよ」

慰めるように言った彼女は帰るといい出ていこうとノブに手をかける

「何度も来れる立場ではないが今度飲みに行こうお前のカミさんにも会いたいしな力になれるかわからないが困ったら私も相談にのるぞ・・・帝釈天」

「そっちで呼ぶのかよなんだかむず痒いな。アジによろしく言っといてくれアンラ」

「嫌だよハークのやつお前の話題出すと未だに情緒おかしいんだから」

そう言って出ていくアンラ神

「え、アジのやつまだ怒ってんの・・・・」

背筋が寒くなる感覚に襲われる帝釈天であった

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