12.隊長会
隊長会とは、討鬼隊隊長25名と総隊長による、現状報告と意見をすり合わせる会議。討鬼士の配属なども話し合う。
「《開放》できる子いたので11番隊に入れましたって事後報告だけじゃ他の隊に悪いからね。一声かけておかないと」
そんな軽い感じで人事を行うことが出来るのだろうか。佐野隊長は常に笑顔だからどこで冗談を言っているか分からないんだよな。よろしくお願いしますと相槌を打っておく。
「ヒカリ君も出席してもらうからね」
「え、大丈夫なんですか」
《開放》は今出来たばかり。会議は明日だ。これから連絡を入れたとしても前日では突発すぎると思う。予定が狂ったりしないのだろうか。それに偉い人達に会いたくない。怖い。
「大丈夫だよ。普段は担当地区の話を軽くするだけだから。たまには盛り上げないと」
隊長会ってそういうものなんですかと大槻さんに聞いたらフルフルと首を振る。でも隊長を止める気はないみたいだ。さすが佐野隊長信頼されているなぁ。
「じゃあ、今日はヒカリ君の入隊前祝いだ。美味しいものを食べて明日に備えよう。ヤエ君、大丈夫だよね」
「もちろんです!」
夕食はご馳走がたくさん並んでいたが明日のことを考えると食が進まなかった。でも疲れていたせいか横になったらすぐに眠りに落ちる。
とても嫌だが時間の流れは止められない。会議室にそろそろ行こうかと隊長に言われたので身だしなみを整えていたら、扉が大きな音を立てて開いた。
「おい!ヒカリィ。《開放》できたんだってなァ。よくやった!」
ジュウロウさんがズカズカと部屋に入ってきて背中を叩く。痛い。
「相変わらず耳が早いですね。サプライズしようかとまだ誰にも言っていないのに。カゲさんからですか」
「おいおい、ミコトォ!俺とお前の仲とはいえ、情報源をホイホイ言うような仁義の欠ける真似、できねエな!」
はいはいと佐野隊長は肩を竦める。
「隊長会に行くんだろォ。一緒に行こうぜェ!」
その言葉を聞きジュウロウさんの腰元を見ると刀が2本。この前の訓練場でもあった気がしたが色々あって聞くのを忘れていた。この人討鬼隊の隊長なんだ!
「ああン?そうか、言ってなかったか。俺は10番隊隊長だァ。それじゃ、行くか!」
ジュウロウさんが隊長なのは驚いたが知り合いが一緒なのは心強い。足取りが軽くなる。
いざ隊長会へ!
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