隣の席の杏野《あんの》さんは、僕のことを魔法使いにさせたがってる⁉︎

さこゼロ

第1話 「魔法ってあると思う?」①

 狂乱の魔女アンヌマリー、

 千人の子どもを虐殺した罪により、断罪する。


「何故⁉︎ 私はただ、弟子を探していただけよ!」


 ならば何故、殺した!


「勿論、手加減はしたわ。魔力のきらめきは生命の危機に輝くもの。私の弟子たる資格があれば、あの程度、防げたはずよ!」


 最早、話にならぬ!

 狂乱の魔女アンヌマリーを、極刑に処す!


 〜〜〜


 ここは何処どこ


 何も、何も判らない。


 暗くて寒い暗闇の世界。


 そのとき遠くに現れた、白くてまぶしい一粒の光。


(ああ、そこにいたのね。何処を探しても見つからない筈だわ。今度は絶対に間違えたりしない。最大限の情愛を、貴方に捧げるわ)


 その光の粒を、アンヌマリーは両手を伸ばして、精一杯に追い求めた。


 〜〜〜


「ねえ、真島くん。毎日スマホで何してるの? ゲーム?」


 今日、この日、


 高校生になっても、母親以外の異性とはほとんど会話もした事のない、僕こと真島白雨まじましろうは、


 隣の席の杏野あんのさんに、初めて声を掛けられた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る