第2話 『恋と、錯覚してしまいそう』
俗に言う「一目惚れ」
なんかしない。
...なのに、人をよく好きになる。
浮気がしたい訳じゃないし、好きな人は好きってだけ。
その人をよく知らないのに「好き」って、一目見ただけで思える強さは凄いと思う。
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いつからなのか分からない。
けど、私は「好き」の違いに気付く。
気付いた頃からかも知れない。
...そうじゃないかも知れない。
私は人への関心興味はあるけど恋愛的な「好き」は疎いのだ。
小学校時代、同級生にカップルが出来た。
「好き」合っているというのは...どんな気持ちなんだろう。
その当時は、そう思ってた。
ちゃんと「好き」と自覚した小学校時代の相手は2つ上の先輩だった。
出会いは...私の中では「最悪」な人。
ウサギ小屋を見ていたら、隣で大きめな声で歌ってた。その人だ。
『うるさい奴』と感じて、突っかかったのは私。
幼かったとはいえ...なんて反抗的(笑)
話せば『面白い奴』って気持ちに変わっていった。
「認識して欲しい」と感じてなのか、無意識に大きめな声を出したり、体当たり...みたいな事を見つける度に私の方がしたり。
今にして思えば、私の方がうっと惜しいのでは?(笑)
声をかけたり、声をかけられる様に関係になった。
卒業間近に、その人へ出せないラブレターを書いた。
『渡したら迷惑だろう。怖い。』
自分のロッカー奥底にしまい込んだのだ。
その後の淡く痛い手紙の行方は...秘密である。
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その他にも「好き」な人は出来たし、付き合いもした。
でも、そのいくつかは「好き」の違いに気付き、相手には悪いと思いながら「さよなら」を選択。
友達に戻った人もいれば、連絡を取らなくなった人もいる。
付き合っていると、ふいに「好き」なのは何故かと考えてしまう。
一途に好きなのに、でもどこか違うと感じる。
そう「こういう事」を感じる度に、相手に罪悪感と申し訳なさを思うから、疲れてしまう。
簡単に付き合えてしまうのに、別れが苦しい人になってしまった。
何回かそういう恋愛を繰り返し、『人からの好意』は...
『自分の好意』は...
本当に同じ意味で好きなのかと疑うようになった。
友愛、恋愛...どちらも親愛なのだ。
相手からの好意が『人として』ならば、それは友愛だろうから『恋愛として』好かれていると勘違いはしたくない。
友人には救われてきた。
そういう勘違いをして、壊したくない。
だから、自分への好意は全部『友愛』と思ってきた。
おかげで「にぶちん」である。
なので、ハッキリ好きと言ってもらえた時に自覚し、嬉しさと同時に困惑を覚える。
この人は『本当に好き』なのか『錯覚をしてる』のではないか...と。
自分に1ミリも自信なんてものがないからかも知れない。
人から『好かれている事』へ浮き足立つ。
そこを制して「ありがとう。嬉しい。」と事実だけを伝える。
浮かれて答えを出してはいけない。
同じ『好き』を返せない可能性があるからだ。
だからこそ、その人を知りたいと思う。
自分の中の相手のページを増やす様なイメージといえば分かりやすいだろうか。
増えていって『恋心』ではなく『憧れ』であると気付くかもしれない。
そもそも、『憧れて、尊敬して』からが『恋心』に繋がるとは思うのだが...。
私にとっては、どの愛情も同じで、違うのだ。
その人を、あの人を、この人を知る度に渡す情が違う。
私の愛情は分かりにくいだろう。
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