第2話 寧ろ感謝

勇者パーティを追放されて悔しくないかって?


『全然悔しくない』


大体、俺に『世界を救う』なんて似合わないし、そもそも出来ない。


良く『勇者パーティを追放された奴が頑張る物語』あるよな。


あれ…可笑しいから。


運で言うなら1等前後賞で5億円の宝くじに当選した様なものだよ。


この世界に殆ど居ない最強種をティムしたり、不思議な泉を見つけて鍛えたり、自分が勇者ですら太刀打ちできないスキルを持っていたり。不思議な力に目覚めたり…よく考えてくれ。


『そんな都合の良い話は無い』


これって天文学的な数字位の奇跡だから。


簡単に言うと『奇跡』が起きただけ。


居ないとは言わないけど、それが出来た人間1名につき恐らくは数百の犠牲が出て死んでいる筈だよ。


勇者だってそうだ。


魔王に勝ったメジャーな勇者に対し『物語』にもされないで死んで行った勇者が山程居るからな。


オーガと戦った時にもう解った。


俺が死ぬ程鍛えた剣技で辛うじて、いなしながら戦っているのに…カイトはこん棒を剣で余裕で受けていたからね…あれはもう超人だよ。


だから俺は考えたんだ『追放』って本当は救いなんじゃないか?


とね。



俺はそもそも勇者パーティに入る気は無かったんだ。


だけど、あいつ等、能力は高いけど私生活が壊滅的に駄目なんだよ。


それでジミナ村長に、世話してやって欲しいと頼まれた訳なんだ。


俺の親はもう亡くなっていて、その後は村の皆、特にジミナ村長に凄く世話になったんだ。


そんなジミナ村長から頼まれたから一緒に居てお世話してたんだよ。


簡単に言うと『お目付け兼お世話役』


サポーターに近いな。


当たり前じゃん!


四職(勇者 聖女 賢者 剣聖)舐めちゃ駄目。


超人対怪物の戦いに俺みたいな一般人が入っても意味が無いからね。


サポーター契約もサイン貰ったから無事終わり。


此処からは俺の本当の意味で自由の始まりなんだ。


ちなみに『ざまぁ』とかしないからね。


寧ろ俺は感謝しているから。


だって勇者パーティと一緒に戦っていたからレベルも結構上がったし『無料でレベリングして貰ったような物だよ』本当に感謝だよ。


随分サバサバしているって?


俺が転生者だからかもな。


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