第43話「魔物の新実態による変化の原因②」
お菓子を食べて満足したのか、王宮付きメイド達に面倒を見て貰っている。
「―――成程、やはり一連のはウチで保護してる彼女ではなくあの子だったか」
「うむ、ウチの代表を呼びましょう」
魔導師団の代表が来て早速会話に加わって貰った。
「―――で、解析結果なんですが・・・滅んだとされる旧ルベルスト聖国の研究員でした」
「ルベルスト・・・確か僕と相方が殴り込みに行ったあの国と繋がりがあったって一時期噂になってた?」
ルベルスト聖国――――。
聖魔法に関して特に厳しく監視するような国である。
「えぇ、その噂も事実ではないかとの見解も」
「そうなんだ」
そして、僕が引き取ったあの子供に関しても聞いてみた。
「私は当初、その研究員の子供かと思ったんですが・・・」
「どうやら、違うらしい結論になった」
魔導師団の団員曰く――――――――、
ルベルスト聖国には当時の政権に関して反対意見のあった王族も少なからずいたそうだ。
あの子はその王族の誰かの娘ではないかと言う結論になったそうだ。
「それと一つ・・・」
「ん?」
通信用の魔道具を取り出した彼は何処かへつなげた。
『ん?あっ、誰か通信掛けて来たか』
「兄さん??????」
アレ以来だが・・・兄さんの声が聞こえた。
『おっ、暫く振りだな!』
「そっちこそ。・・・それで、僕の母国に何か関係があるのかい?」
「えぇ、そちらに」
どうやら・・・あの人に関わった人物が居るらしい。
『先程、そこの若造から聞いた後でな。こっちも部下達と一緒に早速調べる事にしたんだ』
「成程、判った。何かあったら僕の所に連絡お願い」
通信を終え、国王らとの対談を続ける事にした。
「もしかして・・・生き残りが居たりとかは?」
「ワシの代でそう言うのは見かけませんな。記録はあったか?」
「いえ、しっかりと記録していますが・・・抜けている所は一つも」
つまり、監視を括り抜けてひっそりと暮らしている連中が居るって事か
「まぁ何れにせよ、この国に敵対行為をする連中が居ない事を願いましょう」
「ですな」
その後も話し合った結果――――。
「で、ウチで預かりって事になった訳なんだ」
「なら育てましょうそうしましょう。クランハウスメンバー皆で育てましょう」
急にナルが母性を開花した。
「おう、そうだな」
「ここぞとばかりに主婦の方々の力も借りましょう」
凄い勢いで進んで行く。
「取り敢えず知らん人が居ない様に町中に挨拶に回るか」
「ですね」
因みに子供ではあるものの知識は高そうだがまだ赤子並みの喋り方なので先にゼクターは書物を、スーミラには魔法の教師役と栄養管理をして貰う事にした。
「私は何をすれば?」
「あ~、そうだ。母親役頼める?」
その瞬間、その場の全員は止まった。
「ん?みんなしてどうしたの?」
「エッ、アッ・・・いや。行ってくるわ」
「アー、ウン私も行ってくる」
二人が動くと同時にその場の全員もあれよあれよと四方八方に散った
「私で宜しいのですか?」
「ん?あぁ~、この子に『パパ』って呼ばれちゃってるから母親をやれる人も必要かって思ってね」
僕がそう言うと、ナルは少し冷静になり
「そうですね、頑張らせて頂きます」
「頼りにしてるよ」
数時間後・・・・
「で、我々は我々で栄養のあるものを買い出しや採取や狩りをすればいいんですね?」
「うん、頼めれる?ナヴァ、セス」
二人は「勿論」と言い
「栄養管理のサポートは私とエリに任せて下さい」
「判った。二人にはスーミラと話をしておいてくれ。それと・・・セス」
余った木材も時折貰ったりする。そう言った物は――――
「この子の為になるべく怪我の無い遊べれるモノを作れるか?」
「まっかせて!角削りや形を整えたりとかも併せて時間掛かるけど」
後は・・・
「ラゲリル、運動も含めてこの子の健康管理をミントとやってくれるかい?」
「お任せを。ミントさんとやらせて頂きます」
「頑張りますね」
他の残りのメンバーには念入りの為に物の管理や危険な物の排除を頼む事にした
「その指揮はリゾット君に一任するよ」
「判りました!!!」
厳戒態勢の中――――
「うー?」
「ん?あちらが気になるんですか?」
先ずは外での人との接触である。
「お?見かけない顔だな」
「おっす!おっちゃん!」
屋台の店主に冒険者の一人が話し始めた。
「――――って事で所属先のクランリーダーにお出かけを任されたんだ」
「ほ~、微笑ましいな~」
この後も小さい合成獣の子の初めての王都冒険は続く。
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