第34話「キングオーガ戦①」
やっと得た休みの日に限って問題が既に起きていた。
「例の調査地に巨大な魔物?」
「あぁ、調査隊らによれば『巨大化した凶化状態のキングオーガ』だとよ」
調査隊が出発して数時間後にその報告が上がっていた。
「すべての国のギルドに協力依頼が出たみたいでな。俺らも参加するようにだとよ」
「成程、皆急いで行こうか」
ギルドへは受付嬢のみ残され、クランハウスでも受付担当含む数十名程の職員を残している。
「すべての国の騎士団も要請に応じてくれたそうだ!俺らも急いで例の現場に向かうぞ!!!」
「「「「「オォ~~~~ッ!!!」」」」」
件の子狐は暫くクランハウスとギルドで面倒を見て貰える事になった為、こうして心置きなく戦いに赴く事が出来た。
「リーダー!緊急連絡です!例の巨大な魔物が狐の魔物を食した事で凶化状態になったとの見方になるそうです!」
「やっぱりか・・・急ごう!皆!」
僕の掛け声で全員がその場から急ぎ足で向かっていった。
「ギルマス!調査隊はどうしますか?!」
「戦闘特化のヤツだけ現場に残って後は国に避難だ!万が一の為に国の指示を受けて国民の避難誘導の手伝いも行う様伝えておけ!」
ギルマスのギリアムさんの所にせっせと行く。
「ギリアムさん!魔物の事に関して報告聞いてます~?」
「大体はな!何かあったのか?」
僕は先程の報告の事を話した。
「おいおい、それ下手したら自我を失って地形変化する程の暴走を引き起こすぞ?!」
「急ぎましょう!どのみち倒す事に変わりないんで!!!」
急いでいる最中、前方の冒険者が叫んだ。
「奥から魔物がぶつかってくる!!!武器持って対応してくれ!!!」
「おいおい、マジかッ?!」
すると、奥から本当に魔物の大群が押し寄せて来た。
「グギャォアンッ?!」
「オラァッ!」
僕以外の後ろに居る冒険者達も直ぐに対応する。
「お前等!出来るだけ魔力は温存しとけ!例のデカブツ倒すのにも必要になる!!」
「「「「了解!!!」」」」
次々と魔物が途切れる事無く出て来た。
「くっそ多すぎるだろ?!」
「野郎!どんだけ暴れてんだ!」
魔物の様子を見るにキングオーガから逃げている様子とも捉える。
「お前等!出来るだけ国に討ち漏らしの魔物が行かない様に駆除するぞ!!!」
「まだまだァ!!!!」
ゼクターを見る。
ゼクターも僕を見て――――お互いに頷く。
「ギルマス、全員下がらせてくれ」
「・・・!」
ゼクターの言葉に何かを感じたギリアムさんは早速指示を飛ばす。
「お前等!中央から離れろ!!!二人の大技が来るぞ!!!」
「マジかッ?!」
ど真ん中に居た冒険者達は次々と左右に大きく開ける。
「さて、始めるぞ。相棒」
「あぁ、ひと暴れと行こうか!!!」
二人で武器を持って瞬時に動く。
「オラオラオラオラァ~~~ッ!」
「ハァ~~~~ッ!!!」
「ピギーッ?!」
僕とゼクターの攻撃により、周囲の魔物は巻き添えに次々と倒されていった。
「オラァッ!」
「ソラァッ!」
「ブルァーッ?!」
魔物の巻き添えに加えて周囲の木々も粉微塵になる。
「すっげ・・・」
「おっ、おい。少し急ぐぞ!」
呆気に取られていた周囲の冒険者達は正気を取り戻し、直ぐに現場へ駆け足で行く。
「これで大体か?」
「後は別方向へ逃げてったから問題無いな」
武器を仕舞い、直ぐに急いで行く。
「拓けてきた!」
「直ぐに戦闘態勢を――――」
目の前の光景は――――物凄かった。
「ルゥォォオオオオオオオァ~~~~ッ!!!」
「「いや、デカ過ぎだろ?!」」
2mをザラに超える巨体が目の前に居た。
「そっちにタゲ来てるぞ!避けろ!!!」
「了解!!!」
巨大なキングオーガは皮膚が分厚いせいで周囲の冒険者はチクチク攻撃しか出来ていなかった。
「キングオーガの棍棒攻撃が来るぞ!避けろ!!!」
「うぉぉぉおぁっ?!」
「危なっ?!」
無茶苦茶に暴れまわるキングオーガを相手に周囲は苦戦を強いられている。
「二人共!手伝え!」
「判った!!!」
僕やゼクターも戦闘に加わり、魔力を全力で解放した。
「行くよ!
「派手に行こうかッ!」
夜空が出現し、無数の星々が出現した。
「【
「お前等!序に攪乱作戦をキングオーガにやるぞ!!!」
他の国からの冒険者や騎士団もその場の状態を察知して直ぐに動き始めた。
「魔導師職は遠方から土属性魔法と無属性魔法の射撃で狙え!近接職はヤツが遠方に狙いを付けたタイミングで攻撃を行え!」
「「「「「了解!」」」」」
「「「「「了解!」」」」」
それぞれの代表者達の指示を受けた冒険者達はそれぞれの定位置に移動して作戦を実行した。
「そっちに行ったぞ!気を付けろ!!!」
「ポーションでの魔力回復忘れんなよ!!!」
国の騎士団と魔導師団も各国同士それぞれが連携や協力を発揮して冒険者達みたく行動を起こしていた。
「ヤツの魔法には気を付けろ!一撃でやられるぞ!!!」
「ルゥォォオオオオオオオァッ!」
「オイオイオイ!言ってる傍から!!!」
やっと僕もメンバーも追い付いた。
「押されてんな~、この状況は」
「俺は先に行って攻撃を弱めてくる」
僕はそう言って急いで大衆の下へ走って行く。
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