第一章【伝説のパーティー再集結】

第13話「最恐の四天王、揃う。」

最果ての地――――ゴルデアン。


多くの判定不可能な魔物が多く住み着いている土地の一角。

そして常に魔物の間で弱肉強食の争いが起こり続けている。


「錬金と大剣の使い手、リゾット・グヴェムく~ん」

「おっしゃァッ!」

「盗賊と長短魔法の使い手、ミュナスさん」

「はいっ!」

「治癒と魔法の使い手、レリック・ガンマ嬢」

「平民の身ですが・・・ここに居ます」

「最後に・・・」


それぞれの四天王達の代表が揃う。

因みに僕以外は三人ともそれぞれ適した人材で確保された弟子である。

僕の場合は・・・亡くなっているゼクターの弟子で不在である一人の女が居た。


ただ、ソイツは色々とやらかして除名されたのでこの場には居ない。

代わりに弟子の居ない僕やゼクター自身、二代に渡って育てて来たのは間違いない。


「珍しいね。天帝と剣聖の使い手、ライン・ハイマン」

「オッス!」


ハイマン一族は元は不死身の血が流れている一族。

故にその血を狙われないように己の身を護る為の強さを得る為に毎日鍛錬をしているんだとか。


「君たちの実力・・・今回の難易度の高い依頼を受けて貰う」

「・・・無事に帰って来るまでが、だよな?クランリーダー」


リゾットのその以外な返しに思わず微笑み


「無理しないで欲しいって言うのが本音でもあり建前になる」


僕は四人を見て頷き


「この依頼をスーミラに渡して依頼の中身となる素材、もしくは魔物の部位を渡せば合格。正式に幹部として向かい入れよう」

「「「「頑張ります!」」」」


四人はそう言って依頼を熟しに行った。


「さて、僕らはクランハウスで待つとしよう。スーミラ」

「大丈夫~♪私の魔力はまだまだ余裕にあるから♪」


彼らが優雅に茶会を嗜んでいる間――――


「え~っと、先ずはアレか!」

「高ァ!?」


彼らは特殊な素材を採りにパーティーを組んでいた。


「あの素材、結構ほど崖ギリギリに育ってますね」

建造ビルドでどうにか出来ない?」


リゾット・グェムは―――何度も頷き


「出来ん事は無いな。離れてろ」

「「「マジか」」」


リゾット・グェムは大剣のサイズより結構小さく、持ち手が握りやすいようなサイズのハンマーを持つ。


「【創造ビルド】ォ~ッ!」


彼一人でハンマーの一振りで次々と足場が形成される。


「頼む!」

「わかりました!」


レリック・ガンマが懐から瓶と蓋を取り出し、目的の植物を土ごと瓶の中に詰め込む。


「後は魔法で―――――」


そして枯れかけない様に水魔法で土を潤す。


「欠けた部分を再生しなくていいのか?」

「ですね、やっておきます」


そう言って欠けた部分を土魔法で戻した。


「そんじゃ~次、行こうぜ」

「後は・・・あの魔物の睾丸?」

「らしいな、俺とラインで集めるから待っててくれ」

「わかりました!」


ゴブリン軍団―――初心者向けで狩りのしやすい魔物として有名である。


「プギャァッ?!」

「で、こいつらの〇玉キ〇タマ集めてどうすんだ?」

「なんでも睾丸は滋養強壮のポーションの素材に適してるんだって」


要は徹夜覚悟で挑む人の為のポーション素材である。


「うわぁ~・・・アイツの師になったあの人の師匠ヤベェ人じゃん」

「人ってか魔族らしいけどね~」


因みに元貴族であるハイマン家の次男、ラインは兄弟共々親が人間と魔族である。


「父さんが亡くなる前、俺にも魔族の血があるのを知ったんだ。それに母さんは人間の姿を模した魔族ってのもまだ小さい時に聞いたんだ」

「マジかよ」


不老不死の一族とは言え、子に遺伝する事があり――――遺伝した後は不老不死の力が失うと言われている。


「不老不死は兄貴と俺が継いだんだ。でも、兄貴は不死の弱点を知ってんだ」

「不老不死でも弱点はあるのか」


そう、肉体の半分を失う事である。

それが不死の一族の唯一の弱点である。


「それもまさか、半分を戦いで失ってもう半分をクランリーダーに託すとは思わなかったよ」

「生きる為にはそうするしかないもんな」


二人が話に夢中になっている最中、ゴブリンは全滅していた。


「そうだ、討伐部位と依頼品とで分けようぜ」

「あっ、二重底の袋を用意してあるからそこに睾丸入れよっか」


待機していた二人も部位の取り出しに参加し、やっと終えた。


「土に埋めて火葬してほしいんだけど・・・出来る?」

「そうそう高度なやり方―――私以外には出来ませんよ、まったく」


レリック・ガンマはそう言って土にゴブリンの残った遺体を埋めて隙間から火魔法を使って火葬を始めた。


「そうだ、武器と防具は鉄液にするか」

「鉄液?」


鉄液――――溶解した鉄が液状になっている事から鍛冶の半数はそう呼んでいる。


「見た目はボロいゴブリンの装備品だが・・・鍛冶師はそんなもんお構い無しに鉄塊に戻す様に液体にするんだぜ」

「だったら集めるか」


倒したゴブリンの殆どは武具は鎧やヘルメットのみに皮装備な為、当然ながら燃やすに限られる。


「異空間開けれるか?」

「良いですよ~、どうぞ」


こうして着実に彼らは素材を集めきる。


暫くして、一方の彼らは――――


「・・・さて、そろそろだな」

「じゃ、準備しますかね~」


こうして新しいパーティーは帰還を果たした。

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