第25話 拉致・監禁・逃亡、そして……

 ……ココどこだろう?


 目を覚ましたまどかは、最初にそう思った。


 見知らぬ天井に見知らぬ場所。


 それに何より、身体が動かない。


 動かそうとするのだけど、自分の身体がないみたいに感覚がない。


少しだけ動く首を動かして周りを見てみる。


 少し離れたところに、女の子が転がっているのが見える。


「ミドリ?……ミドリっ!」


 呼びかけてみるが返事がない。


 まどかはミドリの近くへ行こうと身体を必死に動かそうとする。 


 ズルっ、ズルっと少しづつ這いながら、ミドリとの距離を詰めていく。


「ミドリっ、大丈夫?ミドリっ!……。」


 まどかは呼びかけながら、ミドリの傍まで這いずっていく。


 ミドリのすぐ傍までくると、ミドリの成長途中のささやかな胸元が、軽く上下しているのが見て取れる。


 息はしてるみたい……。


 まどかはホッと一息つくと、念の為に、と頭をミドリの胸の上に乗せる。


 トクン……トクン……。


 ミドリの心臓の音が聞こえる。


 胸に耳をあてていると、どこか懐かしく安らぐような感覚に、まどかの意識が遠くなりかける。


「ダメっ、ここで寝ちゃったら……。」


 まどかは痛む頭を大きく振り、意識をハッキリさせる。


 擦りむいた手足の鈍い痛みが走る……と同時に、少しづつではあるが動かせるようになってきている。


 痛みが感覚を急速に戻してくれているのだと思う。


 ミドリのもとへ移動するため、無理したのが良かったのか悪かったのか……急に感じるようになった痛みを誤魔化すように、まどかはそんな事を考えていた。


 それからどれくらいたったのだろうか?


 何時間も経った気もするし、ほんの10分程度なのかもしれない。


 痛みに体が慣れる頃には意識もはっきりしてくる。


 時々ミドリに呼び掛けるが、目を覚ます気配はないので、ミドリが目覚めるまではここから動けないなぁと思いつつ、一体自分たちに何が起きているのかを考える事にした。


「えっと、こういう時は物事を順序だてて整理していく……だったよね?」


 まどかは口に出してそう言う。


 物心ついてからも、一人でいる事が多かった彼女は、独り言をいう癖がついていた。


 だけど、口にすることで、勇気が湧いてきたり、やる気が出てきたりするので、悪い事じゃないと、まどかは思っている。


 自分の考えも、口に出すことではっきりするので、考え事をするときは独り言が多くなる。


 特にテスト勉強の時などは、真理が、何事か?と様子を見に来るぐらい喋っていたりする。


「確か、ミドリと学校帰りに……。」



「うーん、なんや、ここ来るんも久し振りやなぁ。」


 ミドリが大きく伸びをしながらそんな事を言う。


「久し振りって、前に来た時から2週間も経ってないよ?」


「そやったか?」


「そうだよぉ。ライトさんと色々あったじゃない。」


「そう言われたら、そやったなぁ。」


 まどかの言葉に、ミドリは大きく頷く。


「あ、でも……。」


「なんや?」


 何か考えだすまどかにミドリが声をかける。


「あ、ううん、大した事じゃないの。ただ、ライトさんと出会って、まだ2週間しかたってないんだなぁって思ったら、何か不思議で。」


「せやなぁ。いつの間にか、当たり前のようにおるで、ずっと昔から知っとるようやわ。」


「ウン、不思議だね。きっと、ライトさんの持つ空気がお姉ちゃん達と似てるからかもね。」


 まどかの言葉にミドリも頷く。


「でも、あれやな。確かにココやと話がおかしいわな。」


「そうだね。」


 ミドリの言葉にまどかも頷く。


 この場所は堤防を下った処に位置するから、少なくとも堤防にあがらないと見渡すことは出来ない。


 また松林などが点在するので、離れた処からだと死角が多数存在して、誰がいるかとか何をしているのかというのは分からないだろう。


 逆に、下に降りてしまえば、そこそこ拓けているので、ココからなら周りがよく見える。


 つまり、この場にいれば、近くに誰かがいればすぐに分かるし、分からないぐらい離れていれば、ココで起きていることは分からない、と言うことだ。


 丁度、向こうから男の人が歩いて来るのが見える。


 かなり近づいたところで、まどか達がいる事に気付く。


 向こうからは見えなかったのだろう、まどか達がいるのを見て少し驚いたみたいだった。


 つまりはそう言うことで、8年前の事件の時の「助けに入って溺れた男性」と言うのは何処にいたのかと言う疑問が残る。


 向こうから来る男性とは、まだ距離があるので、まどか達が何を喋っていたかは分からないだろうけど、あんまり聞かれたいことではないので、まどかとミドリは川に浮いている鳥をみたり、足下の石を拾ったりしながら、さり気なく場所を移動する。


 そんな事をしている間に、男は近付いてきて………そしてすれ違い、去っていく……。


 まどかは男とすれ違った瞬間、ビクッと身体が強ばるのを感じた。


「まどか、どないしたん?」


 まどかの様子がおかしいのを見て、ミドリが声をかけてくる。


「あ、ううん、何でもないの。ただ……凄く嫌な感じがしただけ。」


「……気分悪そうやなぁ、今日は帰ろうか?」


「あ、うーん、でもせっかく来たんだし夕焼け見て帰ろ?」


 茜色に染まりだした空を見上げながら、まどかはそう言う。


「せやな、だったら、もっとよく見えるトコいこか。」


 ミドリがそう言ったとき、上から何かが被さってきて動けなくなる。


「な、何やのんコレっ!」


「黙れっ!お前ら何を嗅ぎ回ってる?」


 さっきすれ違った男だった。


 咄嗟に逃げ出そうとしたが、ミドリとまどかには網がかけられていて、うまく動けない。


「イ、イヤッ……誰かっ!ムグッ……。」


「黙れよっ!」


 助けを求めて叫ぼうとしたまどかの口と鼻が、何か布のようなもので覆われる。


 次第に意識が遠くなっていく……。


「何するんやっ!離さんかいっ!」


 ミドリの叫び声が遠くに聞こえる………。


 まどかが覚えているのはそこまでだった……。


 ◇


「そっか、捕まっちゃったんだ。」


 あの時何か薬をかがされたのだ、身体に力が入らないのもその影響だと、まどかは思う。


 と言っても、まどかもドラマとかで得た知識ぐらいしかないので、そう言うモノだと言うぐらいしか分からないが。


 まどかは、そこであることに思い当たり、ハッとする。


 あわてて自分の身体やミドリの身体を見る。


 着衣に乱れはなく、何かされたという感じもなくて、最悪のことにはなってないようだとホッと一息つく。


「う、うぅーん……。」


 すぐ横で声がした。


 どうやら、ミドリも意識が戻るようだった。


「ミドリ?大丈夫、ミドリっ!」


「うーん、後5年、寝かせてぇや……。」


 まどかの呼び掛けに、そう返すミドリ。


 相変わらずの呑気さに、クスリと笑いが洩れる。


「寝かせておいて上げたいんだけどね、今そう言う状況じゃ無いみたいよ。」


「何やてっ!」


 まどかの言葉に、ミドリは跳ね起きる……本人の主観では。


「何やねん、コレ……。身体動かへん。」


 跳ね起きたつもりだったのに、自らの意志に反して動かない身体に、ミドリは動揺する。


「ミドリ、大丈夫?頭痛くない?」


「身体動かへん以外はだいじょうぶやけど……。ハッ、まさか、まどか、アンタウチを手込めにしようと……。」


 まどかの存在を認めて少し安心したのか、もしくは不安を紛らわせようとしているのか、そんなボケをするミドリ。


「ウチ、まどか相手だったら………ええよ?」


「ミドリちゃん、いつものボケだよね?」


 顔を真っ赤にしながら言うミドリが、本気っぽく見えたので、まどかは釘を刺す。


「せやで……どうなっとん?」


 本当は少し本気だったことを隠しながら、今の状況をまどかに訊ねるミドリ。


「うん、私もよく分かってないけど、捕まったみたい。……ミドリちゃん、どこまで覚えてる?」


 まだ顔が赤いままだと言うことには、気づかない振りをしてまどかは答える。


「どこまでって……急に何かが降ってきて、男がまどかの口に布を押し当てたら、まどかが急にグタッとなってもうて……。」


「私もそんな感じ。身体が動かないのはクスリのせいだと思うの。私もようやく歩けるぐらいには感覚戻ってきたから、ミドリもしばらくすれば動けると思うけど……。」


 だから安心して、とまどかが言うと、ミドリは「さよか」と返事をした後、何かを考え込むように黙り込む。


 まどかは最初は黙っていたものの、沈黙に耐えきれずミドリに話しかける。


「ねぇミドリちゃん、何考えてるの?」


「ん?立場が逆やったら、今頃身動きできへんまどかの胸を揉み放題やったのにって……あ、嘘や、止めてぇや。揉まんどいて……。」


 ボケるミドリに、まどかは無言で、ミドリのささやかな胸を揉むことで返す。


「それ、冗談になってないから。」


「せやな、悪かったで。」


 ミドリは自分で言っておきながら、今胸を揉んだのがまどかでなく、さっきの男だった可能性に思い当たり、ゾッとする。


「なぁ、まどかの身体の調子はどうや?走れそうか?」


「うん、だいぶ感覚戻ってきてるから、少しくらいなら……。」


「やったら、あの男が戻ってきて、そこのドアが開いたら逃げるんや。逃げて助けを呼ぶんや。」


「そんなっ!ミドリちゃん置いて逃げられないよっ!」


「いいから逃げるんやっ!それに、これはまどかの方が危険なんやで。」


 ミドリはまどかに、自分の考えを説明する。


 男が戻ってきた時に、逃げ出したまどかを見てどう行動するか?


 動けずに転がっているミドリを見たら、躊躇わずにまどかを追いかけるだろう。


 動かないミドリより、逃げ出したまどかを放置する方が危険だからだ。


「それに、男がまどかを追いかけてる間に、ウチもココを出て助けを呼びにいける。やから、まどかは囮や。まどかの方がよっぽど危険なんやで。」


 ミドリは、まどかが気にしないようにわざと悪ぶって言う。


「……うん、私が囮になってミドリちゃんを助けるよ。」


 まどかは、ぐっとこぶしを握り締める。


 その様子を見て、ミドリはそっと息を吐く。


 ミドリがまどかに言った事は半分以上は嘘だった。


 確かに、ミドリが言う通り、すぐまどかを追いかける可能性がない訳ではない。


 しかし普通であれば、残ったミドリを人質にして逃げる事を考えるだろう。


 もしかしたら、ミドリを動けないようにしてからまどかを追いかけるかもしれない。


 どちらにしてもミドリが無事でいられる可能性は低かった。


 でも、それでいいとミドリは思う。


 ミドリがここで相手を足止めする時間が長いほど、まどかが無事で逃げおおせる可能性が高くなるのだから。


 万が一、ミドリに何もせずにまどかを追いかけるようなことがあれば、その時はわざと大きな音を上げ、喚き散らしながら逃げて助けを呼ぼう。


 男が、まどかよりも先にこっちを黙らせないといけないと思う様に、とミドリは秘かに決心していた。


 ◇


「私が囮になるよ。」


 まどかはミドリにそう言うと、ミドリは安心した表情を見せてくれる。


 ミドリの言葉が方便であることはまどかにも分かっていた。


 だけど、それ以外に方法がない事も同時に分かっていた。


 だから、せめて、男がまどかを追う様に頑張ろうと思う。


 掴まりそうで捕まらない……そんな距離で逃げれば、ミドリが助けを呼びに行くだけの時間が稼げるはず。


 もし、男がまどかを追ってこなったら……。


 途中まで考えて、やめる。


 その時は全速で助けを求めに行った後、すぐに戻ってミドリを庇うだけ。


 ここがどこかは分からないけど、室内の様子からすると、今は閉鎖された、はずれにあるレンタルショップ小屋だと思う。


 だったら、裏の松林を抜けたところに公衆電話があるはず……距離にして100mぐらいだから、ミドリが普通に歩けるぐらいまで回復すれば3分もあれば辿り着いて助けを呼ぶ事が出来る筈。


 まどかはミドリにそう説明すると、ミドリの脚をマッサージし始める。


「何しとんねん?」


「マッサージだよ。刺激を与えれば、感覚が戻るのが早くなるかと思って。」


 ミドリの問いに、まどかは手を緩めずに答える。


「アホやなぁ。そんな事しとらんと、少しでも休んどき。まどかやって本調子やないんやろ?」


「大丈夫だよ。それに、ミドリには公衆電話まで走ってもらわないといけないしね。」


「そやけど……まどかがその公衆電話行った方がええんちゃう?」


 ミドリがそんな疑問を口にするが、まどかは首を振る。


「ダメだよ、入り口とは逆方向だから、すぐ掴まっちゃうよ。」


 戻るより真っすぐ駆け抜けた方が距離が稼げる。


 それに何より、ある程度逃げないと、囮の役目を果たせない。


 まどかはそう考えて、近い方をミドリに行ってもらう事を選んだのだった。


 その後は、しばらく二人とも無言になり、まどかのマッサージするときに肌がこすれる音だけが室内を支配していた。


「なぁ、何か聞こぇへんかった?」


「ウン、戻ってきたのかも……みどりちゃん走れそう?」


「全速力は無理や。でも早歩き位なら何とかなりそうやで。」


「じゃぁ、ミドリちゃんはここでじっとしててね。後は私が引き付けるから。」


 まどかはミドリの手をぎゅっと握ると、入り口の傍に潜む。


 ガチャ、ガチャッ!


 鍵を開ける音がしてドアノブが回る。


 ギィーッ……。


 軋んだ音を立てながらドアが開かれる。


 今だ!


 まどかは思いっきり入ってきた男に体当たりをする。


 不意を突かれた男はバランスを崩し、たたらを踏む。


 その間にまどかは外へ飛び出し大声で叫ぶ。


「ミドリちゃんはそのまま北へ走ってっ!」


「チィッ!いつの間に逃げ出しやがった!」


 まどかの叫び声に、ミドリも逃げたと思い込んだ男が、一瞬どっちを追いかけようか迷い、そして、まだ見えるまどかの背を追って走り出した。


「まどかのバカッ!アホゥ……はよぅ逃げるんやでッ!」


 まどかの後を追って走り出す男を見て、ミドリは臍を噛み、そして叫ぶ。


 こうなったら仕方がない、まどかの言う通り公衆電話の所まで言って助けを呼ぶしかない。


 ミドリはそう判断して、まだ動きが鈍い身体に鞭打って立ち上がるが、入り口に立ち塞がる人影を見て立ちすくむ。


 仲間がいるという事は想定していなかった。


「ウチを捕まえたって無駄やで、もう直ぐ助けが来るさかい、早う逃げた方が賢いで。」


 だから、ミドリに出来る事は悪態をつき、相手の意識をまどかから逸らすようにする事だけだった。


 相手が一人なら、ひょっとしたらまどかも逃げ切れるかもしれないと微かな望みに期待をかけて……。


「それだけ喋れれば大丈夫そうだな。安心しろ助けに来た。」


 その声を聴いて、ミドリは思わず言い返す。


「どっから見ても不審者のアンタに安心しろって言われても、安心できるわけないやろ。」 


 ミドリの目の前に立っているのはたぶん男だ。


 多分というのは、目の前に立つ人物は、真黒なライダースーツに、真黒のフルフェイスのヘルメットを被っている姿で、一見して男女の区別がつかなかったからだ。


 声の感じからして男だとは思うのだが、それにしても夜にそんな恰好をしている人物は不審者と言われても仕方がない、少なくとも、コンビニに入ったらすぐ通報される事だろう。


「助けにきたっちゅうなら、ウチよりさっき飛び出して言った女の子を助けてぇな。今追われとるさかい。」


「安心しろ。アッチはアヤトが向かった……それより立てるか?」


 そう言って手を差し出すライダースーツの男の手を取り、ミドリは立ち上がる……が直ぐよろけてしまう。


「おっと。」


 倒れ込みそうになったミドリの身体をライダースーツの男が支える。


「もう直ぐ助けが来ると思うが、外で待てるか?」


「アンタはどうするねん?」


「大丈夫だとは思うが、一応アヤトの手助けに向かうつもりだ。」


「ウチも行く……まどかの無事を確認したいさかい。」


「まどか?」


 ミドリの言葉を、ライダースーツの男が聞き返す。


「さっきの女の子の名前や。ウチを助けるために囮になって飛び出したんや。」


 ミドリがそう答えるが、ライダースーツの男は聞いていなかった。


 ただ何かを呟いていたが、くぐもって、ミドリにはよく聞き取れなかった。


「そうか……まどかか……今度こそ助けてやれよ、アヤト……。」


 



 ハァハァハァ……。


 息が切れる……動悸が激しい……。


 男が、まどかを追いかけてきたのは予定通りだったけど、逃げ道は予定通りに行かなかった。


 テトラポットを越え、障害物の多い場所を選んで、追いつかれないように逃げてきたのはいいけど、堤防からは離れ、川縁にまで追い込まれてしまった。


「ハッ、ハッ、ハッ……もうお終いだぁ!お前さえいなければっ!」


 追いかけてきた男の眼が血走っている。


 まどかを見ているようで、それでいてココじゃないどこかを見ているようで怖かった。


「お前を殺せば、まだ助かるんだぁ!」


 男がにじり寄ってくる。


 まどかは後ずさる……が、そのすぐ後ろが川だという事に気づく。


 このままでは、落ちるか捕まるか…….


 その時、目の前にフラッシュバックが蘇る……目の前の男が、今より少しだけ若く見えて……手が伸びてきて……突き落とされる……。


 その瞬間、男の人が飛び出してきて……目の前の男を殴り倒し、私に向って微笑みながら手を伸ばしてくれる……その笑顔を知っている……大好きな人の笑顔だ……そして私も笑顔でその手を取る……。


「まどかちゃん、大丈夫かっ!」


 まるで映画のワンシーンを見ていた気分だったまどかは、その声に現実へと帰る。


 目の前にはライトさんが手を差し出してくれている。


 その手を取り、ライトさんの名前を呼んだら……ライトさんが驚いた顔をしている……。


 まだ現実味がなくフワフワした感じのまどかは、それを自分の後ろから眺めているような不思議な感じがしていた。


 それが、急に現実味を帯びたのは、まどかの視覚にさっきの男が飛び込んできた時だった。


 男は角材を構え、ライトに向かって振り下ろそうとしていた。


「ライトさん、危ないっ!」


 思わずまどかは叫び、男に向かって飛び出す。


 まどかに体当たりされた男はバランスを崩し、角材を墜として倒れ込む。


 しかし、倒れ込んだ先には運悪くライトがいて、男にぶつかられたライトは、そのまま川へと落ちてしまった。


「ライトさぁ――――ん!」


 まどかの叫び声が、夜の河原に響き渡った。



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