ガチャ980回目:魔王RP

 マップの中央で雑魚狩りを続ける事10分ちょっと。効率が上がった事で各々の討伐数が100を超えても裏の祭壇に宝箱が出現する事はなかったが、俺達は構わず狩りを継続した。

 そうして表の残り時間が10分を切り始めた頃……。


『ゴトンッ』


「おっ?」


 裏の祭壇にも宝箱が出現した。


「ん。出た?」

「そのようですわね」

「皆さん、終わりましたよー!」

『ゴゴー』

『ポ~』


 そうして皆が集まって来たので、改めて宝箱と祭壇をチェックする。


 名前:邪気の祭壇(表)

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:儀式場

 説明:ダンジョンフロアに蔓延する邪気を集める祭壇。

 残り時間:0:08:16


 名前:邪気の祭壇(裏)

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:儀式場

 説明:ダンジョンフロアに蔓延する邪気を集める祭壇。

 残り時間:0:58:00


 名称:第五の罪(表)

 品格:なし

 種類:宝箱

 説明:第五の罪が封じられた宝箱。開けることはできない。


 名称:第五の罪(裏)

 品格:なし

 種類:宝箱

 説明:第五の罪が封じられた宝箱。開けることはできない。


 特に変な所は無しと。

 そして罠らしき反応もなし。


「エンリル、両方回収しちゃって」

『ポ』


 エンリルが風の力で持ち上げると、手を模した祭壇は開いた指を折りたたみ、握り拳の状態へと変化。そのまま地面の底へと沈んで行った。

 ……ふむ。ここまでやっても罠らしき反応は出ないのか。


「なんだ残念。レアが来るかと思ったのに」

『この階層はアイツがいたからね。あれにエネルギーを全部持っていかれてたんじゃない?』

「ああ、その可能性もあるか」


 なら仕方ないか~。


「リリス」

『はい、おにいさん』

「六層以降には行った事あるか?」

『あります! 何でも聞いてくださいっ!』

「六層の入口に拠点建てても大丈夫そうか? 安全そうじゃなければ一度第四層に戻るなりするんだが」


 ここじゃ陰気がすごすぎて休む気になれないんだよな。


『そうですね……。そういう意味ではやめておいた方が良いと思います。休むには適しませんし、とってもうるさいので』

「うるさい?」


 第六層は騒音エリアなのか?

 まあ確かに、大きい音が苦手な人とかいるけど……。暗闇、高所、閉所、先端、幽霊と来て騒音か。なんというか、今更感がすごいな。


『ですのでおにいさん、『601ダンジョン』に戻られますか? 皆歓迎してくれますよ!』

「流石に、サキュバスの群れの中で夜を過ごす気はないかな~」


 どうせ今日もやることやるしな。『封音の魔導具』で音を消して『虚構結界』不可視にしていようと、行為の専門家である彼女達には秒でバレるだろうしな。まあリリスとヤったことはもう周知の事実ではあるんだろうけども。


『ふふっ、流石のマスターでもそんなチャレンジはしないのね♪』

「なんだ? 元部下達が大注目してる中でヤりたかったのか?」

『そ、それは……やだけど。あたしにも威厳ってものがあるのよ?』

「でも最近魔王ムーブして無いじゃん」

『それはそれ。これはこれよー』


 これは以前彼女から聞いた事なのだが、アズと初対面に遭遇した時や、生配信とかで出していた、一人称が『妾』の魔王ムーブ。本来の彼女とはかけ離れたあのなりきりプレイだが、実はあれをしなければならない理由が彼女にはあったのだ。それは彼女が持つ『王の覇道Ⅲ』というスキルのためだという。

 あのスキルの効果は単純明快で、『王として臣下から信頼・尊敬されている数が多ければ多いほど、ステータスとは別枠で強化される』というものらしかった。その為本来の彼女はステータス以上に強い力を持っていたそうなのだ。

 けど、最近ではそれを表に出す事はほとんどなくなっていた。先ほども、元の部下の前であろうと普段通りに振舞っていたくらいだ。その理由は至極簡単な話だった。


『もう強さだけを求める理由はなくなったもの。今は、マスターの力になれさえすれば、それだけでいいわ』


 だそうだ。

 アズも、結婚して丸くなったって事かな。まあ、生放送の時に出演する時は、今まで通り魔王ムーブするらしいけど。

 

「じゃあ、この話は無しな」

『はぁい♪』

「まあサキュバスの群れの中では無意味だろうと、ただの騒音程度なら『封音の魔導具』でなんとでもなるが、それ以外に休むのに適さない理由とかあるか?」

『えっとぉ……』


 リリスはアズをじっと見つめると、彼女は察したようにリリスの手を握った。そうしてしばらく見つめ合っていると彼女達は頷き合う。

 なんだなんだ?


『マスター、次の階層は休むのには本当に不向きみたい。だから今日の所は、一度第四層に帰りましょ♪』

「ん? ああ、わかった。けど今の、どうやって意思の疎通をしたんだ?」

『サキュバスの能力を応用すれば、テレパシーのようなこともできるのよ。あとはリリスの『読心術』も併用すれば会話が可能になるわ』

「ほほー」


 そりゃすごい。


『だから、お楽しみは明日までお預けね♪』

「そっか。じゃあそうしよう」


 そうして俺達は第四層へと戻り、拠点を建てて休むのだった。

 騒音だけでなく休むのに適さない階層か。楽しみだな。

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