ガチャ979回目:第五層の台座

「んじゃ、雑魚狩りを再開して行くか」


 と言ってもここの雑魚は種類が多いから、何から倒して行くべきか悩ましいところではあるんだよな。でもさっきは手当たり次第に倒してはいたが、100に到達する前にレアモンと戦ったからそっちの結果を見れてないんだよなぁ。

 マップの進捗度で言えばまだ20%程度だし、このまま外周から埋めて手当たり次第の100体から先に済ませてしまうか。


「よし、出発しよう」


 そうして手当たり次第に襲ってくるモンスターを蹴散らしながら入口へと戻ってくる頃には100体討伐は完了していた訳だが……。

 特に煙らしきものは出なかった。宝箱は出ているのかもしれないが、アズは今回は静かだし、端末を使ってリリスに何か見せているようだから、俺の戦いっぷりを見せる為にあえて何も言わない作戦なのかもしれない。


「んじゃ、ここからは中心部のマップ埋めを開始する訳だが、4種の敵でカウントを分けていこうと思う。やりたい人~」

「ん! グールがやりたい」

「それって、ゾンビ映画の主役みたいに暴れてみたいから?」

「ん」


 ゾンビ物には銃は鉄板だもんなぁ。


「じゃあグールはミスティに任せた」

「わたくしはスケルトンと戦ってみたいですわ」

「今後の予行演習的な?」

「はいっ」


 フランスとイギリス間のカタコンベもその内やりたいところだしな。


「良いぞー。シャルは?」

「……あたしはパス。相性悪そうだし」

「幽霊が怖いんだっけ」


 今までの雑魚戦も1歩引いた位置に居たし。


「こ、怖いというか苦手というか……」


 怖いんじゃん。まあ無理強いはしないが。


「分かった、ならシャルは見学だな。テレサとマリーはどうする?」

「では僭越ながら、ゴーストをやらせてください」

「私はモンスターの釣り役をしてきますね~。シャルさんも行きましょー」

「が、頑張るわ」

「了解。んじゃ、ゾンビ犬は俺がやるか」


 見た目的にも動きの厄介度的にも面倒なのが残ったな。

 ゾンビ犬は身体の一部が腐り落ち、骨が見えているドーベルマンのような見た目をしていて、中々に醜悪かつ臭気が酷いモンスターだ。俺自身、嗅覚が強化されている関係で、正直グールとゾンビ犬と近距離で戦う時は息を止めてるくらいには辛い相手だったりする。まあ、そんな相手を嫁にさせる訳にもいかないので、俺が戦うべき相手ではあるんだよな。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「犬7、ゴースト4連れてきましたー」

「こっちもスケルトン6、犬2、グール3よっ!」

「『雷鳴の矢』」

「ホーリーレイ!」

「アイスピックランス!」

「ん」


 マリーとシャルが先行して走り回り、連れて来てくれた雑魚を狩り役で処理をする事十数分。マップは良い感じに埋まりつつあり、残るはマップの中央付近を残すだけとなっていた。


「なあ、なんかモンスターの分布数減ってないか?」


 『601ダンジョン』を出てすぐの時はあんなにいた雑魚モンスターが、全然いない気がする。そのおかげで、マップの踏破率が8割近くなっても未だ誰も100体討伐を成せていない状態だった。


「この階層に来た時はもっといた気がしたんですけどね~」

「ん。私もそんな気がしてた」

「カウントが増えたから、減少したのでしょうか」

「ありうるわね。あたしとしては助かってるけど……」

「グールやゾンビ犬が倒されると臭気も一緒に消えてくれるので、墓場エリアと言えどかなりマシな空気にはなってきましたわね」

「まあ確かに、陰気な空気感はちょっと減ったかもな」


 やっぱあの数はスタンピード間近だったからか。


「アズー、その認識で合ってるか?」

『合ってるわよー♪』

「なら、引き続き狩るしかないか。このままマップの中央に陣取ろう」


 そうして到着した中央には、なんとも仰々しい祭壇が2つ設置されていた。

 祭壇の形状は、まるで中指のない人間の手のような物が天に向かって伸びているもので、4本の指の先に禍々しい炎が灯っていた。片方は紫色で、もう片方は青色だろうか。

 手の平に当たる部分は今までの階層にあった台座のような役割を果たしているようで、紫色の方には何もないが、青色の方には宝箱が置かれてあった。


 名前:邪気の祭壇(表)

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:儀式場

 説明:ダンジョンフロアに蔓延する邪気を集める祭壇。

 残り時間:0:34:00


 名前:邪気の祭壇(裏)

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:儀式場

 説明:ダンジョンフロアに蔓延する邪気を集める祭壇。

 残り時間:0:00:00


「やっぱここでも表と裏か」


 表の方にしか置かれてないってことは、知らぬ間に条件を達したから置かれてるんだろうな。そして残り時間は、宝箱が出現し続ける時間と言ったところか。


「……アズ。この宝箱が出たのは、あのレアモンスターとは無関係のタイミングだな?」

『ええ♪』

「なるほど」


 4本指に、4種のモンスターとなれば、おのずと想像がつく。

 そしてあのレアがこれに関与していないとなれば……。


「とりあえず、この場で狩りを継続しよう。100を超えても出現しない可能性があるから、モンスターを釣って来る人数を増やす。マリーとシャルは引き続き頼む。エンキとエンリルはアズから『視界共有』でマップ情報を共有してもらって、モンスターを引き連れて来てくれ」

「はいー!」

「任せて!」

『ゴ!』

『ポ~!』

『はーい♪』


 どうせなら表も裏も同時に獲得したいところだし、表の宝箱はこのまま放置して狩りを続けるとするか。

 ま、30分もあるんだし、このメンツなら余裕で条件は満たせるだろ。

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