ガチャ434回目:進化して退化する
『ドドドドンッ!』
「おおおおっ!!」
4属性の砲弾が『パープルウパルパ』から放たれ、俺はそれを剣で弾く。
最初の『ブルーウパルパ』戦で初めて撃たれたときに何度か受けて見てわかった事だが、これらのスキルは高威力かつ高密度であるためか、通常の魔法とは異なりその弾は1つの物質個体として存在しているらしく、剣で弾き返すことが可能だった。ただし一度でも弾きをミスれば、俺だけでなく後ろで見守っている彼女達も大怪我するという、気が抜けない物になっていた。……本来なら。
けど俺達にそんな心配は無用だった。なぜなら、安心と信頼の『金剛外装Ⅲ』があるからだ。なので俺も彼女達も、割と気楽にやれていた。気分としてはバッティングセンターで遊んでいる俺を見守るような構図だな。
ちなみにエスとミスティに確認したところ、無敵スキルなんて頭のおかしいスキルはなくとも、自前で何とかできるということだったので、こちらも問題は無かった。
やっぱり彼らにしても『金剛外装』の性能は飛びぬけてヤバイらしい。
「ショウタ君、倒しておっけー」
「よし、『無刃剣』!」
高速で動き、相手を賽の目状に斬り裂いた。ブーストなしでのスキル行使であるため、バラバラにはできなかったものの、首元に無数の刃が入ればそれだけで致命傷だ。
一瞬血が出るが、すぐにそれもまた煙に変わり紫色のウーパールーパーは崩れ落ちていく。
【レベルアップ】
【レベルが33から154に上昇しました】
よし。
そうして煙が動き出すより先にエンキの所へと戻り、ガチャの筐体を準備をしていると煙が飛び出してきた。再び逃げる煙を追って皆が走る中、俺は『充電』を進める。
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:54
腕力:32958(+16422)(+16479)
器用:32966(+16426)(+16483)
頑丈:32754(+16320)(+16377)
俊敏:32054(+15970)(+16027)
魔力:33402(+16646)(+16701)
知力:33744(+16817)(+16872)
運:20374
*****
『32/50』
そして最後の通路にて、待っていたのは真っ白な個体だった。
*****
名前:ホワイトウパルパ
レベル:150
腕力:1400
器用:1400
頑丈:1800
俊敏:1200
魔力:8000
知力:3000
運:なし
【
★【
装備:なし
ドロップ:ウパルパのヒレ、ホワイトカラーの氷晶石
魔石:極大
*****
「……よく見るウーパールーパーってこんな感じじゃないか? 滅茶苦茶デカいことを除けばな!」
そう言いながら、俺は相手の正面に躍り出てヘイトを一身に買う。
あとはいつも通り奴の攻撃をいなしつつ、適度にダメージを与えてヘイトを維持しつつ、映像を記録するための時間を稼ぐのが俺の仕事だ。
そうして俺が戦っている間も、俺の投げかけた一言から会話は続いて行く。
「確かに、一般的に認知されているウーパールーパー像は正にこれかと。巨大ですが」
「わたくし、普通のよりも可愛く見えますわ!」
「このサイズを飼おうとするとお世話が大変そうですね」
「コレが入る家ってどんな豪邸よ」
「餌は何がいいのかな?」
「ペットフードを巨大にしてもらうとか?」
「虫とか食べるみたいですし、第四層のアリなんてうってつけじゃありません?」
「あは、それ面白そうだね☆」
カスミ達も交えてコレの可愛さやら、飼うならどうするかの議論が白熱し始める。
まあまだレベル150程度だし、攻撃パターンも今までと大差ない為か、彼女達は雑談するくらいには気を抜いていた。
逆に俺は威力の上がった各種砲弾を必死になって捌いていた訳だが。
この属性弾、1発ずつ撃ち込まれるとかではなく、普通に複数種、最悪全部が同時に発射されるので時折回避も混ぜないと捌き切れなくなってきていた。まあ、これも良い修行になるし、俺だけ『金剛外装』を外しておけば緊張感も有って有意義な時間にはなるので良いんだが。
「彼女達も暢気だね。兄さんが戦ってるというのに」
「それだけ、ショウタを信頼してる。ショウタも楽しそう。ウィンウィン」
「そうだね」
そうして5分ほど戦い続け、彼女達からOKが出たのでそのまま倒しきった。
【レベルアップ】
【レベルが54から180に上昇しました】
再び中央へと戻り、エンキの傍で『充電』を済ませる。
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:80
腕力:33010(+16422)(+16505)
器用:33018(+16426)(+16509)
頑丈:32806(+16320)(+16403)
俊敏:32106(+15970)(+16053)
魔力:33454(+16646)(+16727)
知力:33796(+16817)(+16898)
運:20626
*****
『33/50』
6回目の側道は、実は一番奥の行き止まりが目と鼻の先にあり、『ホワイトウパルパ』戦前から既に見えていた。だから煙がこのまま向かうのなら、出てくる瞬間も拝めるだろう。
そう思っていると、いつもの如く飛び出してきた煙は、想定通りメイン通りの一番奥へと向かった。最奥の広場は、今までの小部屋とはまるで異なり、ドーム球場並みの広さをしていた。ここなら、今まで使用できなかった広範囲魔法が全て使えるだろう。
今まで以上に気を付けて戦わないとな。
そうして中央に辿り着いた煙は膨張を繰り返し、中から真っ黒なウーパールーパーが出現した。
*****
名前:ブラックウパルパ
レベル:175
腕力:1600
器用:1600
頑丈:2000
俊敏:1500
魔力:9999
知力:4000
運:なし
【
★【
装備:なし
ドロップ:ウパルパのヒレ、ブラックカラーの氷晶石、ランダムボックス、★管理者の鍵810(5)
魔石:極大
*****
……あれ?
「元素魔法になったら、LvMAXの範囲魔法使えなくない??」
しかも2じゃ、専用魔法すら使えないし。鍵持ちである以上ブラックから先の進化も望めない。明らかな弱体化だった。
虹色が見たかったんだが、ちょっと残念だな。
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