ガチャ427回目:新しいオモチャ
とりあえず、スキルはさっさと振り分けて宝箱の確認をするか。
俺は『硬化Ⅴ』『チャージアタックⅥ』取得。
アヤネは『硬化Ⅴ』取得。
アイラは『硬化Ⅴ』『チャージアタックⅥ』取得。
アキは『硬化Ⅴ』『チャージアタックⅥ』取得。
マキは『硬化Ⅴ』取得。
エンキはなし。
エンリルはなし。
セレンはなし。
イリスは『チャージアタックⅥ』取得。
「よし、こんなもんだろ。そういえばフェロモンだけど、あれは素材か何かなの?」
「はい。以前『アンラッキーホール』で使用した禁制品、魔物を誘導する類のものが作れます」
「ああ……。そういう系統は俺が持ってても仕方ないし、アイラはその辺調合できるんだろ? なら処理は任せるわ」
「承知いたしました。では、『エメラルドの宝箱』ですね」
アイラがごとりと宝箱を置くので、俺たちはいつも通りサングラスを着用して蓋を開けた。
「お、暗闇」
ひとまずは第一関門は突破だな。
次は中身が何かなんだが……。
「んー……」
触れてみると、そこにあるのは長い棒状の何かだった。手触りからして金属製なのは間違いないが、形状からして剣とは違うみたいだ。一瞬、また槍か何かだと思ったが、そうでもないらしい。刃っぽいところが無いからな。
まあいつまでも触診し続けるのもなんだろう。彼女達もワクワクが隠し切れない様子だし、掴み上げてみるか。
「……おっ!?」
引っ張り出されたソレは、シックな雰囲気のする、一丁の銃だった。
名称:魔導銃クイーン・デトネーター
品格:≪固有≫ユニーク
種別:銃器
武器レベル:45
説明:女王の力が刻印されたダブルバレルのショットガン。使用者の魔力を10消費して専用の散弾が生成可能。また、魔力を100消費した場合、散弾数が3倍となる特殊弾も生成可能。装填は手動で行う必要がある。装備者の腕力と器用に大幅ボーナス。
「……ははっ、散弾銃が出るなんて。ミスティのケルベロスに誘発されたか?」
「銃が出るだって!? ……流石、兄さんだね」
「ショウタ、すごい」
「ん、そんなに凄いのか?」
銃の『
「ん。銃が宝箱から出た人は知ってるけど、そのレベルの武器は本当に限られた人しか手に入れてない。私が知る限りでも、アメリカで5人だけ」
「ちなみにそこに、ミスティは含めるものとするよ。本当に、それくらい珍しい事なんだ。それがまさか、この国で出てくるなんてね……。君達もそう思わないかい?」
「まあ、ショウタ君だし?」
「いつか出すだろうなとは思ってました」
「旦那様にとっては平常運転ですわ!」
「ですが、ミスティ様の武器に触発されたのは間違いないでしょう。そのおかげでドロップした可能性は高いかと」
同意を求めるようにエスが彼女達に問いかけたが、どうやら聞く相手を間違ったようだな。彼女達にしてみれば、俺が宝箱やアイテム関連でやらかすのは日常茶飯事みたいな扱いだし。
ほら、エスが同調してもらえなくて困ってるじゃん。
「……ごほん。それで兄さん、その銃だけど
今までの反応からして予想はしてたけど、エスもやっぱり『真鑑定』は持ってるっぽいんだよな。まあそれは良いとして、メイン武器か……。
確かに武器の性能からしてもトップを張れるとは思うが、いかんせん役立ちそうなスキルがほとんどない。銃関係の専用スキルもないから、正直こと銃に関しては戦闘技術は素人同然だ。『体術』とかその辺の技術系スキルをフル活用することである程度まともに体を動かすことはできるだろうけど、ミスティみたいにキレのある動きはできないだろう。
それに散弾銃という形態が厄介だ。強敵相手に遠距離で仕留めるというのは今までも何度かあったが、散弾してしまうと盾役になってくれているエンキにもあたってしまうだろう。
まあでも、なんだかんだ言って俺も男の子だしな。こういうのには少なからず憧れはあるし、早く試したくてうずうずしている。だからそうだな……。
「雑魚や飛行する敵には使ってみるかもしれないが、メインとして扱うには技術的不安がある。だから予備武器かな」
「そうかい? 兄さんのためなら、ミスティも手取り足取り教えてくれると思うよ?」
「ん。教える」
「いや、それは本当に困ってからで良いかな。最初はまず遊び感覚で触れてみたい。結局『ケルベロス』は撃てず仕舞いだったし、ちょっと不完全燃焼だったんだ。もし、自分では埒があかなくなって、どうしようもなくなったら頼らせてもらうよ」
「ん。待ってる」
「それじゃ、精算も済んだことだし明日の予定を立てるか」
本来ならここで第五層へ直行、と行きたいところだが、カスミ達の仕上げもあるし、なにより『黄金の実(大)』をそのままに彼女達を呼び出すわけにも行かない。ここは一旦、今日中に戻って、明日皆で一緒に第五層へ向かうのがベストだろうか。
そう思って皆に確認をしたのだが、アイラが首を振った。
「いえ、その必要はないかと」
「どして?」
「ここはエンキとセレンにお使いを頼みましょう。アレの回収は2人がいれば十分かと思いますし、手紙を持たせれば伝言も可能です」
「あー……。まあ、そうかもしれないけど、2人だけ別行動で大丈夫か? この時間帯だと、まだ一般の人達とも遭遇しちゃうだろ」
「その点は心配ありません。この国でご主人様を知らない者は世捨て人くらいのものでしょうが、それ以上にエンキ達の知名度は高いのです」
俺よりも? マジで?
いや、でもまあ、親心の贔屓目を差し引いてもエンキ達は可愛いからな。
「なにせ、彼らのグッズも出る予定ですから」
「……グッズ!?」
どうやら、俺のSランク授与式の際、彼らの認知度が爆発的に広がったとかで、一般の人達からの人気はすさまじい事になったんだとか。それで協会は冒険者のイメージアップも兼ねて、彼らのグッズ化へと踏み切ったらしい。
完全に親でありリーダーの俺、蚊帳の外である。
まあ、そういう面倒ごとも含めて彼女達に丸投げしてた弊害なのかもだが。
「ちなみにグッズですが、まずは定番のキーホルダーからぬいぐるみなどが出るそうです。ダンジョン技術も駆使して量産計画を進めている為、もうまもなく出来上がるとかで予約も殺到しているそうですよ」
「はっや!」
え、あの授与式が行われてから、まだ半月くらいしか経ってないよな??
そんな状態で、あの日から換算でダンジョンの完全攻略2つ目にチェックメイト間近な俺もどうかと思うが、職人たち頑張りすぎでは??
「それくらい人気があるという事です。良かったではありませんか、怖がられるよりアイドル扱いされる方が健全ですよ」
「まあ、そうかもな」
「ふふ、親心ですね」
「ちなみに、妹ちゃん達にもアイドル扱いされてるわよ~」
「たまにはわたくし達とではなく自分達も旦那様との同衾をしたいと仰ってましたが、それと同じくらいエンキ達を抱き枕にしたいそうですわ!」
「……」
ちょっと不穏な単語が聞こえたが、まあいいか。
いずれ訪れる6対1の事はさておき、可愛い子には旅をさせよというし、エンキ達にはお使いに行ってもらうか。
「そういうことみたいだから、エンキ、セレン。頼んだぞ」
『ゴゴ!』
『~~♪』
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