ガチャ286回目:海の脅威

 嫌な予感に目を向けた先は、いつも通りの穏やかな海だった。おかしな物はなにもない、色鮮やかで美しい景色。

 ……だが、俺の中で、何かがずっと警鐘を鳴らしている。この感覚はなんだ? 何が起きている?


「ご主人様? 海から何か感じますか」

「確証はないが、嫌な気配がする」

「なるほど。流石ご主人様です」


 アイラは立ち上がると、鞄から俺の装備を取り出し手渡してきた。疑問はありつつも、俺も素直に受け取り装備していく。


「タカネ様、ユキネ様。お2人は何か感じますか?」

「え? あたしの探知範囲には何も引っかからないけど……。弟君は何か察知したの?」

「ご主人様は直感が非常に優れておりますので」

「そうなんだ? ならあたしらも準備しますか。タカ姉はどうするー?」

「実物を確認次第各所に連絡するわ」

「おっけー」


 どうやらあの3人だけが、この異常な空気の詳細を把握しているらしい。

 逆にマキやアヤネは何事か分からず不安そうにしているし、抱きしめて安心させておこう。


「俺の傍が世界一安全だからな」

「ショウタさん……。はい!」

「えへへ、旦那様~」


 よしよし。


「ちょっとアイラ、もしかしてだけど……」

「おや、アキ様。察しがつきましたか」

「あんたまさか……。何て情報を黙ってんのよ!」

「確証はありませんでしたから。それに、完全無警戒でもご主人様の察知能力が機能する事が証明出来たのは良い事ではないですか?」

「それはそうだけど……」


 アキの方は何かに気付いたのかアイラを問いただしてる。

 俺も未だに何が起きてるか分からないし、聞いておくべきか……。


「……!!」


 いや、たった今それは必要なくなった。

 俺の強化された視力が、水平線の果てにその姿を捉えた。あそこにいる生き物は、地上に存在する生命体のソレではない……!


「『視界共有』」

『ポポ?』

「エンリル、あっちの方向に3km!」

『ポポー!!』

「更に『鷹の目』!」


 『鷹の目』は視界を上空に飛ばし、障害物を貫通してモンスターの姿を捉えるスキルだ。それはエンリルと繋がった状態でも例外なく起動し、『視界共有』した視点を起点として、実質4つの視界へと分割される。

 俺自身の視界、俺の上空の視界は極力シャットアウトしてエンリル側の視界を注視する。そして映ったその事象に戦慄した。


「……なんつー数だ」


 数十どころではない。、こちらに押し寄せて来ていた。

 こんな光景が地上で起きるのは1つしかない。


 スタンピードが起きている!!


「ピィィィィ!!」


 口笛でエンリルを戻し、スキルを切って深呼吸をする。そして視えた魚影から、各モンスターの形状を考え、撃破方法を想定していく。あの群れの動きは遅い。到達するまでおよそ20分ほどか。

 内7割ほどが完全な魚の形をしていたので、上陸するのは残り3割ほど。戦闘場所を考え振り向くと、アイラは周辺に設置していた遊具を全て回収してくれていたようで、ビーチは閑散としていた。


「ご主人様、どうでしたか?」

「数百規模のスタンピードが来る。ここで殲滅するぞ」

「畏まりました」

「マキとアヤネは……」

「私も戦います。8年前の、無力だったころの私とは違いますから」

「わたくしも頑張りますわ!」

「わかった。無茶だけはしないでね」


 もう一度2人を抱きしめて、一度下がる事にした。あんな数のモンスターの群れだ、折角なら、レベルを上げてしまいたい。


「エンキ、ドーム形態!」

『ゴゴ!』


 『ガダガ』戦前にしたように、エンキの中でガチャを回す。

 この場には義姉達もいるし、外にいるモンスター達が感知して一斉に遠距離攻撃をしてくるかもしれない。2重の意味で守る必要があった。


 俺はガチャを起動し、20連分のレベルを消費する。


『ジャララララ!』


 結果は黒2、白4、緑8、紫6だった。


『SSR 腕力上昇+200』

『SSR 頑丈上昇+200』

『SSR 腕力上昇+130、器用上昇+130』

『SSR 頑丈上昇+130、俊敏上昇+130』

『SSR スキル:姿勢制御Lv1』

『SSR スキル:曲芸Lv1』

『UR 器用上昇+350』

『UR 知力上昇+350』

『UR 腕力上昇+230、器用上昇+230』

『UR 魔力上昇+230、知力上昇+230』

『UR スキル:縮地』

『UR スキル:空間魔法Lv1』

『UR スキル:魔力超回復Lv1』x2

『SUR 腕力上昇+300、器用上昇+300、頑丈上昇+300』

『SUR 俊敏上昇+300、魔力上昇+300、知力上昇+300』

『SUR スキル:視界共有』

『SUR スキル:並列処理』

『BR スキル:自動マッピングβ』

『BR スキル:魔導の御手』


 「無料ガチャ」では赤8、青2。


『R 俊敏上昇+30』

『R 知力上昇+30』

『SR 腕力上昇+85』x2

『SR 器用上昇+85』x2

『SR 頑丈上昇+85』

『SR 俊敏上昇+85』

『SR 魔力上昇+85』

『SR 知力上昇+85』


*****


名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:8

腕力:19236(+9607)(+9618)

器用:19104(+9541)(+9552)

頑丈:18542(+9260)(+9271)

俊敏:19172(+9575)(+9586)

魔力:18990(+9486)(+9495)

知力:19342(+9662)(+9671)

運:10332


ユニークスキル】レベルガチャⅡ、真鑑定Lv4、鑑定偽装Lv5、自動マッピングⅣ(1/3)、★自動マッピングβ、鷹の目Ⅱ、魔石操作(2/3)、弱体化(1/3)、スキル圧縮Ⅱ、充電

ブーストスキル】金剛外装Ⅲ、剛力Ⅴ、怪力Ⅳ、阿修羅Ⅲ、怪力乱神、金剛力Ⅱ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、瞬迅Ⅲ、鉄壁Ⅴ、城壁Ⅳ、金剛体Ⅲ、金剛壁Ⅱ、力溜めⅡ

パッシブスキル】身体超強化Lv5、風耐性Lv1、物理耐性Ⅴ、魔法耐性、知覚強化Ⅱ、思考加速、★並列処理Ⅱ、二刀流Ⅲ、体術Lv6、格闘術Lv6、剣聖Lv3、盾術Lv2、槍術Lv8、弓術Lv5、狩人の極意Lv4、暗殺の極意Lv3、★姿勢制御Lv3、空間把握Lv2、★曲芸Lv1、精力増強LvMAX、恐怖耐性Lv1

PBパッシブブーストスキル】統率Ⅲ、破壊の叡智Ⅱ、魔導の叡智、万象の刻印

アーツスキル】予知Ⅱ(1/3)、克己、看破、気配感知、生体感知、魔力感知、危険感知、罠感知、跳躍Lv4、暗視Ⅱ、衝撃Ⅱ、鎧通しⅡ、急所突き、ウェポンブレイク、アーマーブレイク、重ね撃ちLv2、★縮地(1/3)、忍び足、チャージアタックⅢ、ウォークライⅡ、追跡者Ⅴ、騎乗Ⅱ、反響定位、魔力定位、神通力、弱点看破

マジックスキル】狭間の理、★視界共有Ⅱ、念動力Lv1、元素魔法Lv4、外典魔法Lv2、★空間魔法Lv3、泡魔法Lv1、水流操作Lv3、砂塵操作Lv5、風塵操作Lv2、回復魔法Lv1、極光魔法Lv4、宵闇魔法Lv2、混沌魔法Lv2、★魔力超回復Lv5、魔力譲渡Ⅱ

スペシャルスキル】★魔導の御手、王の威圧Ⅳ、決闘Ⅲ、ダブルLv1


武技スキル:無刃剣[双連・無刃剣]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰]、紫電の矢[雷鳴の矢]


称号:ゴブリンキラー、神殺し

トロフィー:なし

管理者の鍵:525(1)、525(2)、525(3)、525(4)、810(1)、810(2(1/2))、777


*****


 『ボックスの残り 20/100』


 今回の修業のおかげだろうか。強化されたのは、今回使ったスキルが重点的に上がった気がする。

 そして新たに出たレアリティ枠がこの真っ黒なカプセルから出た『BR』。文字通りなら、ブラックレア、か?

 そしてそのブラックから出た第三の『スペシャルスキル』は、『魔道の御手』か。イメージをすれば、なんとなく使い方が分かるが……。これは、使い方次第で『ダブル』以上に強力なスキルになりそうだが……。今回の戦いには向いてないかもな。


 『自動マッピングβ』も気になるが、こっちは戦闘に片が付いてからにするか。まずは気配が間近に迫って来ているあの連中を退治する事にしよう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る