ガチャ263回目:ヘビエリアの制覇
で、残るは『金の宝箱』が3つな訳だが……。
「見た目的にはどれも同じに見えますね」
「旦那様は『真鑑定』でどれが『ラミア』の物か見えるんですわよね?」
「ああ。真ん中が強化体で左右が『ラミア』だ」
「……全然違いがわかんないわ」
「普通の『鑑定』では宝箱が何から得た物かが分からないですからね。その為、宝箱がオークションに出されたとしても、中身の事は度外視で外見的価値でしか判断されません」
「なるほどなー」
『真鑑定』持ちは珍しいみたいだし、宝箱に対する『鑑定屋』みたいな職業は生まれなさそうだ。
そんな事を考えつつ、まずは両端の宝箱から開ける。中身は……やっぱり例の下着だった。
「……ねえ。これ、ショウタ君がエッチだから出るとかじゃないわよね?」
断じて違うと言いたいが、証明できる材料が無かった。
「他のダンジョンで『ラミア』の討伐情報はあるにはありますが、宝箱の情報までは届いていない為未知数ですね……」
「わたくしはそんな旦那様でも大丈夫ですわ!」
「明日、もし追加の2個目が出たときに、ご主人様以外の誰かが開ければ良いのではないでしょうか。それで同じものが出ればドロップした段階で中身が確定している可能性が高まると同時に、ご主人様の無罪の証明になりますね」
「……え? 宝箱から下着を出すのは罪なの?」
「確かに、これ以上の下着は要らないもんね。スキルが出てくるわけでもないし」
「名案ですね。では誰が開けましょうか」
「ねえ待って。罪なの!?」
「旦那様、わたくしはオールオッケーですわ!!」
「……」
アヤネはさておき、誰も擁護をしてくれる気配がないので、俺は現実逃避するかのように残っていた強化体の宝箱も開封する事にした。
何の抵抗もなく開いた宝箱には……シンプルな、何一つ装飾のない盃が入っていた。
「なんだこれ」
名前:酒神の盃
品格:≪遺産≫レガシー
種別:アーティファクト
説明:此処に注がれた酒は、酒精を含めた全ての味わいが1段階上昇する。
「……は?」
出て来た逸品に、俺は一瞬で現実に引き戻される。効果は単純明快だが、これはどう考えても、軽い気持ちで宝箱から手に入れて良い代物では無かった。
それとも、これが無心の境地か。
なんてアホな事を考えていると、皆が不思議そうにのぞき込んでいた。
「なにこれ、盃?」
「地味な見た目ですわ」
「質素ですね。……ですが、『鑑定』では名前すら見る事が叶いません」
「ショウタさん、どういう効果の物だったんですか?」
「ツーン」
先程まで除け者にされていたことを思い出して知らんぷりをする。
「もう、冗談だってばー」
「ごめんなさい、ショウタさん。悪ふざけが過ぎました」
そうしてアキとマキに両隣から甘やかされると、俺も簡単に許してしまった。俺もたいがいチョロいな……。そうして効果を伝え、最終的にこのアイテムはチームの共用物となった。まあ、使用者は限られるんだが。
そして結局その日は、アイラだけが例の下着を着用することとなり、効果はまあ……うん。『魅了耐性の指輪』を外したとはいえ、『精力増強LvMAX』+『魅力』+『誘惑』+アイラという凶悪コンボを前に、さしもの『克己』もあんまり仕事をしなかったというか。
ハイ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
そして翌日、俺達は丸一日かけて第三層のヘビゾーンを完全制覇。マップの未探索部分を全て埋めたのだった。戦果としては『オロチ』7体、『ラミア』2体。追加で『オロチ』強化体の2体目を撃破した。その日はアキの言う通り、かなり沼ってしまった。昨日は3回連続で『ラミア』が出ていたのに、今日は開幕5連続スカだった。昨日のあれは、やはりかなり『運』が良すぎたんだろう。
てか、この『運』でも沼るって、第三層の『レアⅡ』、要求値高すぎないか?
まあでも、宣言通りヘビゾーンでギリギリ全ての『充電』用のレベルエネルギーが溜められただけマシと見るべきかな。
『充電』を完了した時に起こる変化は、出来れば安全なところで確認したいというのもあって、狩りを終えた俺たちは昨日と同じようにリビングに集まり、まずはスキルの精算から始めた。
『震天動地』7個。
『震天動地Ⅱ』1個。
『水流操作Lv1』7個。
『水流操作Lv3』1個。
『風魔法Lv3』2個。
『水魔法Lv4』2個。
『土魔法Lv4』2個。
『魔道の叡智』2個。
『魔力回復Lv2』2個。
『酒耐性Lv2』1個。
アイラは『水流操作Lv3』1個。『水魔法Lv4』1個
アキは『水魔法Lv4』1個。『水流操作Lv3』1個。
エンキは予備に置いておいた分の『震天動地Ⅱ』と追加の1個。更には圧縮分も含め『震天動地Ⅲ』に。
エンリルは『風魔法Lv3』1つ取得し『風魔法LvMAX』に。
……ま、こんなもんか。
『水流操作』はLv1が10個揃ったので、『圧縮』して『濁流操作Lv1』に進化した。そして余った分は水中戦闘を想定して、上記の通りアイラとアキに渡した。『魔力回復』はいつもの如くキープし、『震天動地』は3つも余った為、これらは全てオークション行きになった。第三層の映像でエンキが使っている事もあり、知名度もあるはずだからきっと売れることだろう。
続いて『風魔法Lv3』1個と『土魔法Lv4』2個。それから『魔道の叡智』に関しては、使う当てがない為保留にして、『酒耐性Lv2』も一旦キープしておくことにした。
せっかくだ。皆のスキル状況も確認しておくか。
アヤネは……。
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ふむ。『炎魔法』をMAXにして『圧縮』出来れば、やばいことになるな。
次にアイラは……。
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うん。言うこと無しだな。
続いてアキは……。
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うん、初めてスキルを見たときは8個しか無かったのに、だいぶ増えたな。でも、まだまだ安心はできない。得られる物があればもっと覚えて貰わないと。
最後にマキは……。
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うん、こっちもアキ同様増えたな。でもまだまだ安心はできないし、彼女にももっと強くなって貰わなくては。
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