ガチャ211回目:ゴブリン軍団との接敵

「で、キャンプ場所を確保した訳だけど、どうするの?」

「あっ、別に今からテントを建てたりはしないわ。荷物を置いて行くわけにも行かないからね。一応貴重品類は協会管理下にあるログハウスに預けても良い事にはなってるけど、あたし達はそれをする必要はないでしょ」

「アイラがいるもんね」

「ですので、これからはショウタさんの好きなように動いてください」


 お、ようやくか。

 早く狩りに出たくてウズウズしてたからな。


「分かった、それじゃ狩りを始めますか!」

「「「「はい!」」」」

『ゴ!』


 まずは戦闘準備だ。

 今の状態のエンキは威圧感も強さもバッチリだが、今から戦う相手は多人数が基本だ。このままだとどうしても面積が大きくて、そのせいで被弾も増えるだろう。

 なので、敵の猛攻を防ぐ目的も兼ねて、エンキにはカチカチに守りを固めてもらう事にした。


「エンキ、3メートル重装形態」

『ゴ!』


 エンキは身長を半分ほどに縮める代わりに、余った岩を鎧や巨大な盾へと作り替えていく。この状態のエンキに剣も槍も不要。両手に2枚のライオットシールドを持つその姿は、まさに鉄壁の守護神のようだった。

 武器がないなら盾で殴ればいいじゃない。


「うん、完璧。俺の想像通りの姿に変わってくれて満足だ」

『ゴ!』


 エンキの新しい姿に彼女達は拍手で迎えてくれる。


「昨日二人でなんかゴソゴソしてると思ったら、こんな事考えてたのね」

「ふふ、楽しみにしていた甲斐がありました」

「カッコいいですわ!」

「エンキはその身体自体が立派な武器。とても理に適った形態ですね」

『ゴゴ!』

「さて、いつまでも入り口に留まってると迷惑だろうし、まずは外に出ようか」


 そうして簡易的な要塞の門を通り抜けると、そこは既に戦場だった。あっちこっちで複数のチームがゴブリンと戦っていたのだ。

 恐らくその辺に沸いた集団をここまで連れてきて戦っているのだろう。戦いの中で背後を気にしなくて済むって、結構重要なことだからな。


「おーおー、盛況だねー」

「ここで戦う人達は、基本的に第四層の新入りが多いかな。第二層でレベルが上がらなくなってきたら、第三層かここに来るんだけど、ここならもしもの時に助けてもらえるからね。まあでも、基地内にモンスター連れてきたらそれなりの処罰が待ってるけど」

「境界線の外ってだけで、セーフエリアじゃないからなぁ。そりゃそうなるか」

「そゆことー」

「なあ俺達はここで戦う必要はないから、移動しようか。まずは……外周回りで行こう。探索をしつつ、ゴブリン主体で狩っていこうか」


 ここは見晴らしがいいから、今日明日中にはマップを埋められるかもな。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 まっすぐ進む事20分ほど。

 マップの端近くとはいえ、いまだ俺達はゴブリンとはエンカウントしていなかった。


「ここの広さってどのくらいあるの?」

「第二層と比べると少し広いかもしれませんね」

「モンスターの数が2種類しかいないのに?」

「第四層ですからね。深く潜れば潜るほど、層の広さは増していくものなんですよ。例外はありますが」

「へぇ」


 ダンジョンって、潜るほど広がっていくのか。それは単純に考えて、探索の楽しみが増すな。でも第三層みたいな面倒なのは勘弁願いたいが。

 

「どおりで、まだマップの角が見えてきてない訳だ。マキ、ここのゴブリンにも『上級ダンジョン』のような村的な集落はあるのか?」

「はい、ありますよ。ただ『上級ダンジョン』では10カ所以上ありますが、ここではたったの4つですね」

「あっちでは集落の中央に、トーテムのような象徴がある場所とそうでないところがあった。恐らくアレがレアモンスターの湧き場所か否かを決定づけていると思う。ここにはトーテムのようなものはあるかな?」

「ごめんなさい。はっきりとは分かりませんが、多分無かったような……」


 落ち込むマキを庇う様に、アキが明るく声を掛ける。


「まあ良いじゃない、ショウタ君はそういうのを自分で見つけるのが好きなんでしょ」

「まあね」


 そう話していると、前方にゴブリンの軍団が居た。完全に俺達の進路上に居座っている。数としては8。『ファイターゴブリン』3体、『レンジャーゴブリン』2体、『ナイトゴブリン』2体、『ジェネラルゴブリン』1体だ。

 ここに来るまでに、遠目にだがゴブリンの軍団はちらほらと見かけた。だけど結構まばらで『上級ダンジョン』よりかは密度が薄い気がした。ここの連中は個体の強さとしても集団の厚みとしても、向こうより下のようだ。

 やっぱり、『上級ダンジョン』というだけあって、あそこの第一層ってそれなりに難易度高かったんだな。


「接敵は避けられないし、あれは倒すか」

「援護はいりますか」

「いや、必要ない」


 俺が前に出ると、ゴブリン達が俺の姿に気付いた。


『グゲ?』

『ゲギャ!』


 えーっと確か、ここの『ジェネラルゴブリン』は『統率』を覚えてないんだったか。


*****

名前:ジェネラルゴブリン

レベル:14

腕力:80

器用:70

頑丈:80

俊敏:50

魔力:100

知力:25

運:なし


装備:鉄の長剣、鉄の全身鎧

スキル:剛力

ドロップ:ランダムな鉄装備

魔石:小

*****


 ああ、そうそう。こんなステータスだったな。以前アキやマキに聞いていた通りだ。

 んで他の連中も……。うん、どいつもこいつも、ステータスは似たり寄ったりだし、なんなら『ジェネラルゴブリン』よりちょっと弱いまである。


 スキルとしては『ファイターゴブリン』が『剣の心得Lv1』。

 『レンジャーゴブリン』が『追跡者』。

 『ナイトゴブリン』が『鉄壁』、と。


 『追跡者』は見た事があるが、『剣の心得』は始めて見たな。でもなんか、『剣術』より弱そうな気がする……。


「さーて、いっちょやったりますかね」

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https://twitter.com/hiyuu_niyna/status/1670693623627907072

上記にて、ショウタ君の溢れるスキルの表示方法について、アンケート開いてます。(3日間)

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