ガチャ150回目:在庫確認
接近戦では剣、遠距離はマジックミサイルをメインにヒルズウルフを狩り続けた。検証した結果としては、マジックミサイルは等倍でも十分な火力を出した。
消費する『魔力』30というのは通常のレベル3の『ビッグ』シリーズと同コストであり、この消費量は威力よりも操作性の部分に使われているようだったが、それでも通常モンスターなら一撃で倒すことができた。
また、倍率アップはセットでないと動かすことが出来ず、片方を3倍にしたらもう片方も3倍にしなければ発動すらしないようだった。
何回か試してみたところ、やっぱり3倍威力は、オーバースペックだったみたいだな。
そうして検証を重ねていけば、いつの間にか100匹討伐は完了し、強化体が出現した。
*****
名前:ボスウルフ
レベル:46
腕力:225
器用:405
頑丈:165
俊敏:375
魔力:450
知力:225
運:なし
装備:なし
スキル:迅速Ⅲ、統率Ⅲ、限界突破
ドロップ:ボスウルフの牙、ボスウルフの毛皮、ボスウルフのトロフィー
魔石:大
*****
『アオオオオン!!』
『ガルル』
『ガァッ!』
出現と同時に子分を周囲から呼び寄せるところは通常個体と同じようだが、明らかに
だが、そいつらも周囲の雑魚と同じらしく、スペックに差はない。雑魚を召喚するスキルは要注意かもしれないが、呼び出したモンスターが持つスキルが『俊足』である以上、『エンペラーゴブリン』の下位互換でしかないな。
「強くなってもスキル構成は大差ないし、『頑丈』値も低い。召喚能力は厄介だが数も少ない。アヤネ、アイラ。速攻で決めるぞ!」
「はいですわ! ウィンドストーム!」
「ふっ!」
アヤネが魔法を発動するが、それより早く飛来したアイラの短刀が『ボスウルフ』や雑魚に傷を負わせる。怯んだ所でアヤネの魔法が到達し、雑魚諸共吹き飛ばした。
『ギャイン!』
転がり、なんとか体勢を整えた『ボスウルフ』に俺の3倍マジックミサイルが飛来。『ボスウルフ』の身体は四散し、煙となって消失した。
【ボスウルフのトロフィーを獲得しました】
【レベルアップ】
【レベルが9から64に上昇しました】
特殊能力で出現したと思われるヒルズウルフはレアモンスター消失と同時に煙となったが、元から出現していた連中はどうやらそのままらしい。それでも大した数ではなく、恐れる事なく襲いかかってきた為迎え撃ち、無事に撃破。
これにて、『初心者ダンジョン』第二層のトロフィー、3つ目。取得完了である。
「旦那様、お疲れ様ですわ」
「ご主人様、目標の達成。おめでとうございます」
「ありがと。それじゃ、彼女達も待ってるし、良い時間だからアイテムを回収したら一度戻ろうか」
「はいですわ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ただいまー」
「あ、おかえりショウタ君」
「ショウタさん、おかえりなさい」
会議室に入ると、いつも駆け寄ってくるのはマキだけだけど、今日は二人一緒にお出迎えだ。
やっぱり、昨日の事もあってかアキとの距離感がぐっと縮まったな。
二人まとめて抱きしめて、帰ってきたことを実感する。
「にひひ、調子はどう? って、聞くまでもなさそうね」
「ん、絶好調」
「ご無事で何よりです」
席に着き、昼食を食べながら午前中に起きた出来事や進捗を話し、その流れで動画を一緒に観る事になった。そうして穏やかな時間を過ごしていると、不意にノックの音が響いた。
「私よ。入っても良いかしら」
「どうぞー」
「ありがとう」
そう言って会議室に入ってきた支部長は、いつものように対面に座った。
「動画の確認をしていたのね。このモンスターは……ヒルズウルフの『レアⅡ』かしら?」
「はい。ほどよく強くて、いい練習相手になりました」
「練習、ね。……確かに、急にそんなステータスになったんだものね。身体と精神がついていかないのも当然ね……」
俺の一言で、支部長は俺が抱える問題を把握したらしい。
少し考える素振りを見せるが、すぐに振り払った。
「その点は、私も協力出来そうなことがあれば連絡するわ。今回来たのは、今晩開催されることとなった会議について、事前に聞いておきたいことがあったからなの」
となると、あれかな?
俺が昨晩彼女達に聞いた、スキルの件……かな?
今、俺のスキル在庫……。もとい、アイラの鞄は中々に混沌めいている。
まず、一気にオークションに流すと参加者の財布がすっからかんになる事は間違いなく、更には現在進行形でスキルが増え続けているため、もっとヤバイ事になっているのだ。例の第一回目のお願いは満了していないが、次のお願いを聞いておいた方がいいのでは、と彼女達に聞いたところ、本日急遽、会議が執り行われることとなった。
俺の都合で会議が開かれるって、そう考えるとなんか面白いな。
「それでね、今アマチ君が確保しているスキルの一覧を教えて貰うことは出来るかしら」
俺に視線が集まった。
現在、俺がどれだけのスキルを抱え込んでいるか、実のところ彼女達は知らないのだ。
なんなら、俺も把握していない。
だから、その管理人に聞いてみる事にした。
「アイラ」
「全てお伝えしても、構わないのですか?」
「良いよ。隠すものなんてないし、というか俺が把握してないし」
「では、失礼して……」
そう言ってアイラは、テーブルに広げられていたお弁当箱を端に退ける。俺達もそれを手伝い、空きの出来た机にアイラは次々とスキルを並べ始めた。
身体強化Lv1 1個
剛力 5個
剛力Ⅱ 1個
怪力 13個
怪力Ⅱ 3個
鉄壁 3個
城壁 4個
俊足 127個
俊足Ⅱ 4個
迅速 5個
迅速Ⅲ 1個
統率 13個
統率Ⅲ 1個
水泳Lv1 1個
金剛力 2個
金剛壁 2個
金剛外装 2個
風魔法Lv4 1個
水魔法Lv2 1個
「それとオマケで」
鉄の宝箱 5個
木の宝箱 2個
「以上です」
溜まっていそうだなーとは思ったけど、だいぶヤバイ事になっていた。
あと、ハートダンジョン第一層の宝箱、完全に忘れてた。
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