ガチャ148回目:二日ぶりのガチャ

「ふぅー……」


 激闘というよりも、訓練と呼べる長い戦いを終えた俺は、座り込んで満足していた。

 最後は勢い余って倒してしまいそうになったが、咄嗟にアヤネとアイラの事を思い出し、彼女達に手を出してもらった上でトドメを刺した。

 この二人も、連日の戦いで何度かレベルアップや『黄金の実』でかなり成長してるみたいだし、今日の戦いが終わったらどれだけ成長したのかじっくり眺めてみるか。


「旦那様、お疲れさまでしたわ」

「ごめんな、また付き合わせちゃって」

「もう、旦那様。それは言わない約束ですわ」

「はは、ごめん」


 そういえば昨日も似たような事をしてたよな。それで同じことを言った気がする。

 程よく疲れたが、今日の昼食はまだ少し遅れそうだな。この後には、『ボスウルフ』の強化体が待ってるわけだし。


「俺、どれくらい夢中になって戦ってた?」

「昨日より長く続いて、40分くらいですわね。旦那様、とっても楽しそうでしたわ」

「そっか……。まあ確かに、楽しかったかも。でもその動画を編集するのは大変そうだな。ちょっとそこは考えてなかったよ」

「あ、旦那様。動画の事なのですが……」

「ん?」


 アヤネが少し落ち込んだ様子を見せた。


「最初のモンスターの叫び攻撃で、カメラの電源が落ちてしまっていたのですわ。アイラに電源が落ちてることを指摘されて、再度カメラを回したのですが、結局半分くらいしか撮れませんでしたわ……」

「ああ、アレで落ちちゃってたのか」

「あうぅ、旦那様の格好良い叫びが収録できませんでしたわ……」

「気にするのそこなんだ……」


 俺としては後で見返されると恥ずかしいから、残ってなくて良かったんだけど。


 そういえばアイツの雄叫び。

 俺の指輪でも防げなかったところを見ると、『エンペラーゴブリン』の叫びとはまた別の種類の状態異常なんだろうな。頭を殴られたような感じだったし。反撃で叫び返したことで、大きな事故もなく迎え撃つことが出来たけど、一般的にどう対処するのが正解なんだろうか。


「アイラ」

「はい、ご主人様」


 ドロップ品の回収を終えたアイラが、いつの間にか傍に戻って来ていた。


「あの雄叫びも、やっぱりスキルかな?」

「ステータスに載らない系統外スキルかと。状態異常攻撃は、上位のモンスターが持ち合わせる厄介な力です。今まで出会った『レアⅡ』で、系統外スキルを持つ相手は3体。先日は強化体も持ち合わせておりましたし、これからも警戒をした方が良いでしょう」

「そうだね」

「あれの対策としては、耳栓辺りが妥当でしょうか」

「耳栓かぁ……」


 あ。


「あの雄叫びって、動画で視聴しても状態異常になるのかな?」

「あっ……。ど、どうなのでしょう?」


 アヤネは不安げにアイラを見ると、彼女はアヤネを安心させるようにふっと微笑んだ。


「状態異常は直接受けた相手に負荷をかける力です。ですので、録画や録音ではただ煩いだけで、効果は発揮されないかと。『黄金鳳蝶』戦の動画でも、ご主人様の叫びは間近で聞いた時と比べると、気の昂ぶりはありませんでしたし」

「確かにそうでしたわね!」

「え、あ、そう?」


 気の昂ぶりって。

 そう言われると恥ずかしいな。


「ま、まあその話は置いといて、レベルも貯まったから久々にガチャを回すね」

「畏まりました。ではその前に『ワーウルフ』のスキルを一部渡しておきますね」


 そう言ってアイラが渡してきたのは『迅速Ⅲ』『体術Lv3』『格闘術Lv2』『暗殺術Lv2』だった。


「では、『ボスウルフ』同様、しばらくモンスターが沸かない可能性もありますが、念のため周囲の安全を確保して参ります」

「わたくしは、旦那様のお側で見守っていますわ!」

「ああ、よろしく」


 俺はスキルを取得しつつ、ガチャを出現させた。

 さーて、何が出るかなっと。


『ジャララ、ジャララララ!』


 出たのは、緑3、紫4、赤3だった。


『SR 頑丈上昇+45』

『SR 俊敏上昇+40』

『SR 俊敏上昇+45』

『SSR 魔力上昇+110』

『SSR 頑丈上昇+75、俊敏上昇+75』

『SSR スキル:暗殺術Lv1』

『SSR アイテム:眩暈耐性の指輪』

『UR 魔力上昇+200』

『UR スキル:元素魔法Lv1』

『UR スキル:魔石操作』


 「無料ガチャ」では青色のカプセルが5個。


『R 腕力上昇+18』

『R 頑丈上昇+18』x2

『R 俊敏上昇+18』x2


*****


名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:5

腕力:2149(+1335)(+806)

器用:2248(+1397)(+843)

頑丈:2277(+1415)(+854)

俊敏:2354(+1463)(+883)

魔力:2533(+1577)(+950)

知力:2378(+1480)(+892)

運:2450


スキル:レベルガチャ、真鑑定Lv3、鑑定偽装Lv2、自動マッピングⅡ(1/3)、鷹の目(1/3)、知覚強化、金剛外装Ⅲ、身体超強化Lv2、剛力Ⅲ(2/3)、怪力Ⅳ、金剛力Ⅱ、俊足Ⅲ、迅速Ⅲ(2/3)、鉄壁Ⅲ(2/3)、城壁Ⅲ(2/3)、金剛壁Ⅱ、統率、予知Ⅱ、二刀流Ⅱ、体術Lv9、格闘術Lv2、剣術Lv5、槍術Lv8、弓術Lv2、暗殺術LvMAX、狩人の極意Lv2、跳躍Lv2、縮地、騎乗、元素魔法Lv3、空間魔法Lv1、泡魔法Lv1、水流操作Lv1、回復魔法Lv1、魔力超回復Lv1、魔力譲渡(2/3)、力溜め、破壊の叡智、魔導の叡智、王の威圧Ⅲ、魔石操作、スキル圧縮


武技スキル:紅蓮剣、紫電の矢


トロフィー:ホブゴブリン、マーダーラビット

管理者の鍵:525(1)、810(1)、810(2(1/2))


*****


『ボックスの残り 60/130』


 二日ぶりのガチャということで、色々と思うところはあるが……。


「あれは『眩暈』だったのか」


 当然のように喰らってから出てきた耐性の指輪を前に、ひとりごちた。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


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