ガチャ053回目:更新後のガチャ
「『レベルガチャ』起動」
そう言えば、家の中でこいつを呼び出すのは初めてだな。
いつもはダンジョンの中ということもあって周りに気を遣いながらだったけど、今なら余裕を持って見ていられるな。
と言っても、最初に出した時から、別段おかしな点が増えてるわけでもなく、新たな発見があるわけでもない。
至って普通の、カプセルトイマシーンだった。
「まあ、書いてる内容も出てくる景品も、普通とはかけ離れたラインナップをしてるけどな」
俺はいつものように「10回ガチャ」を押した。
『ジャララ、ジャララララ!』
出てきたのは紫2、赤4、青4だった。
『R 腕力上昇+10』
『R 器用上昇+12』
『R 魔力上昇+10』
『R 知力上昇+12』
『SR 器用上昇+25』
『SR 俊敏上昇+25』
『SR 魔力上昇+28』
『SR 知力上昇+30』
『SSR 頑丈上昇+70』
『SSR スキル:体術Lv1』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:6
腕力:340(+331)
器用:296(+287)
頑丈:406(+397)
俊敏:345(+336)
魔力:309(+302)
知力:278(+271)
運:732
スキル:レベルガチャ、鑑定Lv5、鑑定妨害Lv5、自動マッピング(1/3)、鷹の目、金剛外装Ⅱ、身体超強化Lv1、怪力Ⅱ、金剛力Ⅱ、迅速Ⅱ、金剛壁Ⅱ、予知(1/3)、二刀流、体術Lv1、剣術Lv1、投擲Lv3、元素魔法Lv1、魔力回復Lv2、魔力譲渡、スキル圧縮
トロフィー:黄金蟲
*****
「おおー、ステータスの成長も凄いし、新しいスキルか。Rなんて最初は3とか5だったのに、今ではもう10とか12も貰えるなんて。凄いな……。えっと、それで『体術』は……」
『常時発動スキル。保持者は、身体の扱いに対する理解が深まり、近接格闘の技能、及び体幹やバランス感覚が向上する。末端価格、3000万~』
なんかもう、最近はとんでも価格のスキルを見ても驚かなくなったな。
それにしても中々便利そうなスキルだ。早速試してみよう。
「よっと……おお。Y字バランスもお手の物だな」
今までならフラついていたか、もしくは『身体強化』で無理やりバランスを取っていたと思うが、今では無理なくポージングが取れている。『迅速』の最中にモンスターを狩る作業も、急なバランス制御が求められる場面が多かった。けど、こっちでも『身体強化』をフル活用すれば無理な体勢でも転倒は免れてきた。
けど、その代償として身体のあちこちを痛めがちだったんだよな。それに、狩り後は疲労が溜まりやすかった。一応『頑丈』と『身体強化』があるおかげか、スタミナも自然に回復していく速度も、常人とはかけ離れた物になってはいたが、辛いものは辛いのだ。
このスキルを使えば、今まで以上に楽が出来そうだな。
「それにしても、今日も色々あったなー……」
『レベルガチャ』を得てからというもの、毎日が激動の人生だ。
自分のステータスが100を超えるというのも。
レアモンスターを狩れる存在になるというのも。
大金持ちになるというのも。
ダンジョンの秘密が暴けるというのも。
美人の彼女が2人も出来るというのも。
それがまた良家のお嬢様だというのも。
ちょっと前までは信じられなかっただろうな。
これも全部、『運』が成せる業なんだろうか。
このスキルを得る前も、得てからも。幾度となく『SP』を『運』以外に割り振ろうかと考えたものだが……。改めて、レベル2以降は極振りし続けて、よかったなぁとしみじみ思う。
ここまで来たら最後まで『運』に割り振ろう。もしその結果、レアモンスターからレアモンスターが現れたとしても、準備を怠らなければ何とかなるはずだ。
そう考えてると、不意に、彼女達の顔が浮かんだ。
俺がなんとかなっているのも、『準備』を彼女達が整えてくれているからだ。
一応、もう親公認でお付き合いしてる恋人というか、婚約者みたいなものなんだし、このままいつもの様に寝るのは、何だか違う気がして来たな。
「よし、電話してみるか」
スマホを取り出し、『ダンジョン通信網アプリ』機能を使って、専属2名に同時発信をしてみる。
何回かのコールのあと、電話がつながった。
「こんばんは」
『こ、こんばんは、ショウタさん。どうされました?』
『ショウタ君からかけて来るなんて、珍しいじゃない』
初めてこの機能を使うが、問題なく機能したようだ。
声から察するに、マキは少し緊張した様子だった。逆にアキは眠そうだった。
「うん、少し話したいなと思って。会議は終わった?」
『はい。色々ありましたけど、無事に終わりました』
『ふわ……。ま、盛り上がり過ぎて、一部は明日に持ち越しだけどねー。今教えよっかー?』
「いや、それは明日に回そう。今はダンジョンの話じゃなくて、2人の声が聴きたかったんだ。ほら、せっかく支部長から許してもらったのに、恋人らしいこと何もできずに解散になっちゃったからさ。2人みたいな綺麗で可愛い子と付き合えるなんて、夢みたいで。ちょっと確かめたくなった」
『ショウタ君……。うぅ、今すぐ会いたくなってきた』
『私も、甘えたい気持ちでいっぱいです……』
「はは、それは明日ね。お互い、今は我慢しよう」
それから2人と、とりとめの無い話をした。
寝る前という事もあって、あまり長時間話は出来なかったけど……。ダンジョンには極力触れず、学生時代の思い出話に花を咲かせた。
まあ俺の思い出なんて、あってないようなものだったので、もっぱら俺が聞く側だったけど。
話を聞いてる限り、2人の通っていた学校は、上流階級のお嬢様が集う、有名な所らしい。一般的な高校としての教育も果たしつつ、冒険者の育成と、受付嬢の育成も両立した、先進的な施設だったようだ。
その学校で、ヨウコ先輩を始め色んな先輩がいたとか、困った後輩がいたとか。楽しそうに語る2人に相槌を打ちつつ、その日はお開きとなった。
彼女達はもっと話したそうだったけど、昨日の疲れもあるだろうと説得した。
その気持ちは俺にもあるけど、ここはぐっとこらえる。とりあえず明日は、出会い頭に思いっきり抱きしめてみようかな。ああでも、Cランクにならないと、正式に2人同時には娶れないんだよな。じゃあ、しばらくは隠れてイチャつくしかなさそうか。
ちょっと残念に思いながらも、布団へと飛び込む。
今日は良い夢が見れそうだ。
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今日も2話です。(1/2)
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