泥水を啜る
お父さん、お母さん、本当にごめんなさい。僕は
また、ワンダーフォーゲル同好会の皆にも謝っておきたいと思います。あの騒動の後に下山できたとは思えませんが、無事に保護されていることを祈るばかりです。残念ながら、僕はもう
段々と正気でいられる時間が短くなってきました。不気味な幻影に悩まされるようになって
まったく、僕達は自身の力を過信していました。九州の大学の弱小サークルと見下されたくなかったのです。実績さえ残せれば、登山部の
北海道に
冬季休講を利用して、二週間の登山遠征に出るスケジュールを組み、やがて旅行が始まりました。とにかく、僕達は実績が欲しかったのです。
「登頂したという事実だけでは大学を説得できないかもしれない」と僕が提案すると、反対意見が少なかったこともあり、
思った通り、洞窟は人工物でした。ちょっとした遺跡と言ってもよいのかもしれません。狭くはありましたが、
体毛あるヒキガエルのような偶像の写真を撮ることに夢中になっており、僕達はそれが忍び寄っていたことに気が付きませんでした。
そいつは見たこともない生き物でした。黒い
やがて、
仲間は
後のことは、よく記憶していません。ボコボコと奴らが湧き出てきたので、
正気に戻るとキャンプ地に一人残されていました。僕はすぐにでも山を
無論、幾度も挑戦はしました。しかし、失敗を繰り返すばかりで抜け出せません。あの怪物によって
しかし、それも限界です。食料と飲料が底を尽きて
数日前、僕は
僕は
それからです。僕が奇妙な
もう、
(了)
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