天気予報の進歩
話題は、Aが勤めている会社のことになっていた。
「Aのとこの会社、依頼を受けた場所と日時について、天気予報を提供するサービスなんだってね。予報が当たる確率ほとんど100%らしいじゃん」
「まあ、そうかな」
「やっぱり、スーパーコンピュータとか使って、膨大なデータから予測したりしてるの?」
「うーん、ちょっと違うかな」
「なんだよ~、企業秘密ってところか」
「まあ、そんなところだ(笑)」
次の日、Aはトレイにイチゴ大福とお茶を持って、会社の中にある特別室に向かっていた。
特別室に入ると、そこには部屋の中央に古い祠が祭られていた。
Aは祠の前にトレイを置いて、ささやいた。
「おかみのかみ様、本日もどうか、お姿をお見せください。」
しばらくすると、Aの前に、おかみのかみ様が現れた。
「ほ~、今日はイチゴ大福か♪」そう言って、すでに1つ目を食べていた。
「うまっ」「ここの会社のお供え物、わし好き~」
おかみのかみが、イチゴ大福を堪能したころ、Aが言った。
「おかみのかみ様、そろそろ、お告げのほうをお願いできますでしょうか。」
「はいはい。今日は、どこかな」
「N町の二ヵ月後のお祭りの日の天気を教えていただけますでしょうか」
「あー、あそこね。ちょっと待って」
そう言って、おかみのかみは、手帳のようなものを取り出し、指折り数え、何かをつぶやいていた。
「よし。N町の町長は、なかなか、いいやつだし、お祭りの日は、晴れにしておこう」
「はは~。本日もありがとうございます!」
天気予報、当たるはずである。
天気を司る龍神の、おかみのかみ様に直接聞けるのだから。
おわり
お話しのカゴ_3個目 light_2021 @light_2021
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