お話しのカゴ_3個目

light_2021

物語を読むということ

やあ、こんにちは。


あなたが、今、読んでくれたことで、存在している者です。


何を言っているんだって?


そうですよね。普段なら、何か面白かったり、ワクワクしたり、感動したりする、お話が展開されることを期待して、読んでますよね。


今回は、そういうお話ではありません。


お話しが読まれている側のことを伝えてみることを試みてみます。


さて。あなたが普段読んでいる文章には、いろいろな人間もしくはキャラクターが出てきますよね。その者たちは、あなたが読んでいる間、存在することが出来ているわけです。


なかには、ずっと長く愛されているキャラクターもいます。


ロンドンに住んでいる名探偵とか、竹から生まれた姫とか、3人兄弟の子豚とかね。


この人たちのような存在は、僕らの憧れです。


僕なんかは、そこまでの特徴がないので、ひっそりといろんな物語にちょこちょこ出ている程度です。


名探偵の依頼主の3番目の召使とか、主人公に倒される側の手下の一人だとか、物語の語り部とか。


そうなんです。物語が終われば、存在が終わるけど、次の物語で、また生まれ変われるのです。


そちらでいう、輪廻転生のようなものですね。


もしかすると、あなたに合うのも、初めてではないかもしれません。


今も無数の物語が生まれ続けています。


短命で終わるものもあれば、たくさんの人に読まれて、物語の枠を超えて、存在できるものも出てくることでしょう。映画化とか、キャラクター商品とかね。


でも、すべては、読んでもらうことから始まります。そうなのです。


あなた方、次第なのです。


我々にとって、あなたのような存在は創造主のような存在です。


どうかこれからも、たくさんの物語を読まれて、私のようなものの活躍の場も作ってください。


そろそろ、この文章も終わりに近づいてきたようです。


いつもながら、寂しくなります。


でも、今回は、こちらの事情もお伝えすることが出来て良かった。


また、いつの日か、どこかの物語で、お会いいたしましょう。


それでは、さようなら。




おわり。

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