第23話 決闘と、その余波と⁈

   45.決着


 本気のアリシアと戦って、勝てる見込みはまずない。ボクは逃げが上手くて、姑息な手をつかってぎりぎり引き分け、というのがいつものことだ。

「あなたには、正々堂々と戦って勝ちたかったけれど……」

 アリシアは剣を小刻みに動かしつつ、リズムをとりはじめた。

「安心してくれ。ボクは正々堂々と戦ったら勝てないと思っているから、いくらでも卑怯な手をつかわせてもらう」

「逃がさないわよ!」

「逃げるつもりはないよ。むしろ、逃げたら殺されるだろうからね」

 ボクがそういうと、アリシアはニヤッと笑った。

「冒険者は生き残るためには、どんな手段でもつかうのよ。貴族剣術でダメなら、私は自分流でいく!」

 アリシアが突進してくる。さっきより速く、また殺気すら籠っていた。

 同時に放った光魔法の矢が飛んできて、木刀で避けたけれど、木刀は完全に砕かれて、危うくボクをかすめる。そして、ボクが避けた方にアリシアが突っこんできた。ボクが着地するのと同時に、アリシアの剣がボクを貫くだろう。二つの魔法を同時につかった、彼女の必殺の技だ。

 でも、ずっとこの瞬間を待っていた。気づかれないように魔法を詠唱していた。彼女が本気をだす瞬間を……。

「ネスト‼」

 アリシアも急ブレーキをかけたけれど、遅かった。でも、それは彼女を攻撃するものではない。ボクの周りを囲んだ、檻が現れたのだった。


「参ったわね。こんな魔法を準備しているなんて……」

「逃げなかっただろ? でも、自分の周りに檻を張り巡らせて、これ以上は戦えないようにした……つもりだけれど……」

 アリシアも、その檻の中だった。ただ、止まろうとしたため、木刀をもった手は檻の外――。

 でも、ボクも魔力を使い切って、その場から立ち上がることができない。木刀もすでにないし、すわりこむしかない。

 アリシアも木刀を手放し、ゆっくりと歩いて近づいてくる。

「これが、あなたが目指した決着?」

「ボクが勝つ必要はない。貴族として、しっかりと善戦すれば十分。最後は自分を囲って、降参するつもりだったのさ」

「善戦……。もしこれが真剣で戦っていたら、あなたは今でも剣をもって戦えたでしょう。木刀で助かったのは、私の方ね」

「真剣だったら、光魔法もまたちがったものを放っただろ?」

 アリシアは手を差し出してきた。ボクもその手をにぎって立ち上がる。オーウェンの失態ではじまった決闘だったけれど、アリシア有利で引き分け……ボクが計算したことだけど、やや異なるシナリオで、結果は希望通りとなった。




   46.ウェイリングと……


 その決闘の余波――。

 ボクが控室で休んでいると、そこに入ってきたのは、ウェイリングだった。

「何か……、何かぁ……、変なのぉ~!」

 そう言うと、ボクに向かって飛びつくように抱きついてきた。

 彼女の敏感なところを刺激し続けたため、感情が昂ったままのようだ。

 その大きな膨らみが、ボクへと押しつけられるので、ボクもどぎまぎしてしまう。確かに、彼女は攻略対象だし、ゲームをしていたときは攻略したけれど、今はそういう立場でない。

 それに、彼女とレンの関係を見極めようと思っていたところであり、こうして「ムフフ……」と喜んでいるわけにはいかない。

「ごめん、ちょっとやり過ぎ……」

 ボクの唇は、彼女によってふさがれていた。元が子供っぽいところがあるだけに、それが恋愛とは考えていない。でも、自分でも訳が分からず、火照りに身を任せてしまった、という感じだ。

 柔らかで、ちょっと厚めの唇がボクの唇を吸いつづけようとするかのように、もごもごと動く。

 首にまわした腕の力も強く、絶対に放さない、という強い意思が感じられた。

 恐らく、このまま突き放しても、彼女がどうにかなってしまうかもしれない。ここはある程度、彼女の性欲を満たしてあげた方がいい……。そう判断した。


 互いの体のすきまに手を挿しこむと、その大きな胸を手でしっかりと握り、強く揉みしだく。

 でも、彼女はそちらへの反応は薄かった。大きな胸の子にありがちな、あまり感度がよくないタイプか……? それならと、その先端に指を走らす。突起をその周りから刺激していくと、彼女はやっと「む……んふぅ……」と反応する。

 キスだけだと、唇が腫れ上がるほど吸われそうだったので、彼女が胸に反応してくれて助かった。

 ただ、最初に反応が鈍かったように、乳輪周りで彼女を完全に満足させることはできそうもない。

 スカートの中に手を入れる。すると、彼女は「あん♥」と敏感に反応する。やはり下半身の方が感じるようだ。太ももを手がすり抜けただけで、体をくねらせる。先ほど電気を流したときも、胸より下の方が体をよじっていた。

 教練所の制服だし、決闘でもあったので、スカートの下も体操着を当てている。その上から、ゆっくりとさすった。

 そこがやや湿って感じるのは、決闘でかいた汗か、それとも……。

 むしろ湿り気で、体操着と素肌が密着しているため、そこに指を這わすと、その下にあるスジまで、しっかりと感じられる。ボクの指がその海溝を辿るように走り、その探索をすると、すぐに彼女の宝物を探り当てた。

「あ……あ……あ……あふ~ん♥」


 ただ、服の上からではやはり難しい、と判断した。とにかく、彼女を満足させなければいけない。

 体操着の下へと手を滑りこませる。そこは、先ほどよりも確実に湿っていて、ボクの指にもやや粘り気のある液体が絡みついてくる。

 こんな場所で、長いこと時間をかけているわけにはいかない。ボクはすぐに中指をその宝物の場所に挿しこんだ。

「ふあ……あ♥」

 お宝探しはそう難しくない。問題は、その秘宝にしっかりと刺激を与え、満足してもらえるかどうか?

 彼女は目を閉じて、ボクの首にしがみついたまま、小さく震えている。それは初めての感覚に戸惑い、でも期待する何かがあって、今を必死に耐えている……といった感じだ。

 なら、それをすぐに気持ちよさへと変えてあげないと……。

「何かくる! 何かくる! 何かくるよぉ~~~ッ‼」

 ぐんと背筋を伸ばして、彼女はイッた。でも、すぐに力が抜けたようで、ボクへともたれかかってくる。

「こ、これ何ぃ?」

 荒い息遣いで、ウェイリングがボクに尋ねてくる。

「もし体が火照ったら、今度は自分でやってみるといい。ただし、これは恥ずかしいことだから、一人になったときにね」

 大人になった……とは考えないでおこう。エルフは長命、まだ十二歳の彼女にはさすがに早い。でも、彼女の締め付けが良過ぎて、まだ指が抜けないのをどうしようかと、今はそっちの対応を悩んでいた。








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