素直になれない言葉だったり、上手に話すことが出来ない人たちの心の裏側にそっと触れる。そんな物語のように思います。日陰者が示す言葉は言葉通りの意味と、誰もが持つ日に当たらない陰の部分。深くゆっくりと沈み込むように情感に触れる。恋はまだ芽が出て来ない陰の中。やがてそれが憂鬱のため息の先に芽吹いてくるのだろうと、そう予感させてくれる物語です。