家族愛
「ねえ、あなた。健斗が新しいゲーム欲しいんだって。当分遊べるとか言ってたわ」
「そうか。本体は買わなくて良いのか?」
「本体もらしいわ。ちょっと前に買ったのにねえ」
妻の波瑠と遅めの夕食をつつく。出会った頃より皺が増えたが、変わらず魅力的だ。今日も美味しいご飯を作ってくれて、俺の身体が喜んでいる。
「今月残業三〇時間だから、係長に頼んで残業増やしてもらうよ。一二時間なら増やせるだろう」
「身体は大丈夫? そっちの方が心配よ」
「君がいて、健斗がいる。帰ってきて顔を見たら疲れなんて吹き飛ぶさ」
残業の日は栄養ドリンク飲まないとなあ。と考えながら、妻に笑いかける。大事な家族のためなら、多少の辛さは乗り越えれるさ。
「煙草くらいならまた吸っても良いんじゃない? お酒も煙草もやめて、ストレスの発散できないでしょう?」
「何も辛くないよ。ストレスの発散はそれ以外でもできる。実際毎日ドラマ見たりしてるしさ」
「ならいいけど……」
お風呂入ったからそろそろ眠るね。と伝え、寝室に向かう。好きな音楽を小さな音量で流し、家族との思い出をひとつずつ振り返る。そういえば遊園地最近いってないな。次の休みは波瑠が許可したらいってみるか。と小さくわらう。強烈な睡魔に襲われ、そのまま眠りに落ちる。
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