気づいたら異世界でスライムに!? その上ノーチートって神様ヒドくない?【転生したらまさかのスライム《改題》】

@takuexy10

第1話 プロローグしてみよう


空が青い・・・青いぜ・・・


爽やかな風が俺の頬を撫でていく・・・




・・・・・・いや、実際青い空も見えないし、風も感じないし、何より頬がどこかもわからないけどね。


えっ? どういう事かって?


俺もよくわからないんだけど。


とりあえずわかったことは、今の俺、スライムだってこと。




・・・・・・・・・・




いや、俺だってなりたくてスライムになったわけじゃねーぞ?


気づいたらスライムになってたんだからな!


ホントだぞっ!


実は少し落ち着いたので、逆に途方に暮れていたってわけ。




俺の名前? 矢部裕樹やべひろき 御年二十八歳。社会に出て四年。社畜のよーに働いて働いて。


・・・二浪したわけじゃねーぞ? 大学院まで出たんだからな? ホントだぞ!


・・・実はね・・・








――――――――――――――――――――――――――――――




「ん?んんっ?」


何だ、か、体が・・・動かない?


あれ・・・? 俺どうしたっけ?


確か・・・会社の自分のデスクでPCに向かっていたはず・・・。


「ああ、寝落ちか。そーいうことね。だから体が動かないのね~、そういや最近肩こりひどくって~、あるある、よくあるわ~ってあるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


なんだか周りは真っ暗で、まったく体も動かない・・・。


・・・いや、手も足も動かないけど、よく頑張ってみれば、もそもそと体全体が動く気がするな。え・・・っと、こっちがこうで、そっちがこう・・・。


って、スライムになってるじゃねーかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!




だが、俺の精神は発狂する!いい意味で。




「ついにキター!ラノベの女神様ありがトゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」




クゥ~ハハハハハ! だてに北千住のラノベ大魔王と呼ばれてねーぜ!(自称)


六畳一間のボロアパートの北側の窓から左右の壁はすべて大型ホームセンターで買ってきた一番大きな組み立て式の本棚に囲まれている。


本棚にはラノベ満載! もちろんコミカライズ版もバッチリ押さえてあるぜ!


え? 窓が北側? 窓が南側なんて条件のいいアパートなんて高級すぎて住めませんとも、はい。


俺のアパートはともかくとして、読みまくったラノベの情報を総合して考えてみると・・・。


そう! 転生してスライムといえば、大魔王になったり、大賢者で美人エルフに抱きしめられたり、ダンジョンのボスモンスターになったりと、スーパーチートの代名詞!


ついにこの俺様もチート塊のスキルで異世界無双してチーレム生活だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!






・・・・・・






って、思っていた時期がありましたっ!


ねーよ! 全然ねーのよ! チートスキル!!!!


てか、スキルすらねーんじゃね?




なんとかかんとか、グニグニムニムニ動くことができるようになったけど、


その他な~んにも出来ねぇぇぇぇぇぇ!


『ステータスオープン!』


『スキル発動!』


『ギフトカモーン!!』


『ファイアボール!』


『深淵なる闇の波動よ・・・』いやいやこれはこじらせそうだ。


それにしても、な~んにも起きねぇ。




これはマジでヤバイ! やべちゃんヤッベー!




あ、これ自虐ネタでよく使ってるやつね!


・・・いや、白い目で見られても。


スライムっていやー、ファンタジーゲームでも真っ先に仕留められるザコキャラだぜ。

経験値の元で殺されまくること間違いなし。世界で一番棍棒でぶっ叩かれてるモンスターかもしれん・・・え? たけのやり?


それにしても、このまま誰かに見つかればソッコーゲームオーバー、いやこれが現実なら人生、いや、スラ生か、が終了してしまう。


いったい、どうすればいいんだ・・・

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