有名美人モデルと遠縁だったので同居になった後、彼女がちょっぴりエッチなポーズで撮影要求してくる~こんなポーズ、絶対仕事場ではやらないですよね?~
ミレニあん
1章 同居編
第1話 出会い
『別世界の存在』『雲の上の存在』というのはいると思う。
学校一可愛くてモテている女の子だったり、大金持ちの御曹司だったり、はたまたかなり頭のいい神童だったり。
かく言う俺――
「はぁ……サーヤはいつ見ても美しいよなぁ。惚れ惚れしちゃう」
「顔が溶けてるぞ」
俺は悪友に連れられて、とある大型ショッピングモールに来ていた。
ここの化粧品ショップで有名モデルの撮影イベントが開かれていて、さらに握手会もやるとの事だ。
正直、最初はあまり乗り気じゃなかった。
ショッピングモール自体が地元からかなり遠くて、さらにそのモデルさんの事はあまり知らない。
電車賃も馬鹿にならないとくるし、これで乗り気になれというのが無理な話だ。
なら何故ここに来たのかというと、悪友にとってモデルさんは『推し』なんだとか。
コイツ、いつも金欠だぁって言っている癖に、その『推し』が出ると知った途端わざわざ連れてきたのだ。
そのモデルさんが、今フラッシュに焚かれ続けられている女性の人。
名前は
ファンからは『サーヤ』と呼ばれていて、今人気上昇中の18歳だそうだ。
「……なんというか……」
「何か言ったか勇人?」
「いや、何でも……」
こういう綺麗で可愛い人、実際にいるもんなんだなぁ……。
なんて思うくらい、瀬名さんは俺が見惚れるくらいに美しかった。
大人びたさと可愛らしさを同居させたような色気のある美貌。
化粧っ濃さもあまりなくて上品な印象。
暗めのグレーアッシュ色で、ふわっとしたくせ毛のロングヘア―。
さらにプロポーションもよくて、胸も大きく……いやこの辺で考えるのやめにしよう。
その瀬名さんがリップを持ちながら蠱惑的なポーズをとり、数人のカメラマンによって撮影されている。
何でも悪友曰く、瀬名さんが手にした化粧品は後日爆売れになる事間違いなしとか。
とにかく彼女は魅力に溢れていた。
これほど有名になるのも、悪友が推しにするのも理解できる気がする。
それから撮影の後に握手会が行われていて、当然俺達もそれに入る事となった。
「あ、あの俺! あなたのファンでして! どうかこれからもモデル頑張って下さい!」
「ありがとう。とても嬉しいなぁ」
悪友の奴は、瀬名さんと握手できてご満悦のようだ。
よかったね。
次に俺の番となり、瀬名さんの前に立つ。
「瀬名さんすごくよかったです。これからも頑張ってくださいね」
語彙力は乏しい方なので、とりあえず彼女を褒める事にした。
実際今回の撮影、あんまり期待していなかった割には悪くはなかった。
「フフッ、そう言われると照れちゃうね。こちらこそ来てくれてありがとう」
「いえ、どういたしまして」
まぁ、悪友の付き添いなんですけどね。
俺は瀬名さんと握手を交わした。
女性の手ってなんかこうスベスベしているんだな……爪も手入れしていて艶やかで……。
「……何だがあなた、動じないんだね」
「はい?」
「あっ、何でもない。とにかく今日は本当にありがとうね」
小声なので聞こえなかったけど、すぐに首を振る瀬名さん。
それから握手を終えた俺は、悪友のところに向かった。
悪友は今でも「瀬名さんと握手できた……死んでもいい……」とかのたまっているけど無視を決め込む。
にしても瀬名佐矢香さんか……。
本当に別世界の存在がいるとしたら、間違いなくああいう人を指すんだろう。
俺にとっては手が届かない存在。これからは雑誌で見る事はあっても、直接会う事はないはず。
まぁ、俺も別に無理して会いたいとも思っていないし、瀬名さんも多くのファンを抱え込んでいる以上、俺なんかすぐ忘れるだろう。
「さてと始めるよ。スマホの用意はいい?」
「は、はい……」
それが何故か、彼女と屋根の下を共にする事になって、さらに麗しいパジャマ姿の彼女を撮影する事になったのだ。
こんなの、仕事場で絶対やらないよね……?
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お読みいただき、ありがとうございます!
カクコンに向けて温め続けていた長編ラブコメ作品が、いよいよ始まりました。
長編ラブコメは初めてですが、面白いと思える作品作りには仕上げたつもりなので、どうか見守って下さると幸いです!
「面白い」「続きが気になる」と思った方は、ぜひとも☆や♡やレビューよろしくお願いします!
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