第8話 保育園と少しの成長と寝顔
「着きましたよー!」
「ここが私の仕事場、保育園です♪」
「結構広いでしょ?」
「はい。広くてびっくりしてます」
「さっ行こっか!」
「うん!」
「子供たちが来るまでに軽く説明するね!」
「まずここが最初に挨拶するところ!
園長室だよ〜」
「えっ!いきなり!?」
そして咲雪さんはコンコンとドアをノックし.....
「失礼しまーす」
「おはよう二人とも」
「おはようございます!」
「おっ...おはようございます....」
そこにいたのはものすごく優しそうな園長先生。
「こちらが子眞恥ちゃんかい?」
「はいそうですよ」
「初めまして小野町子眞恥です。今日は
よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
「園長先生!1つ提案があります!」
「どうしたんだい?」
「子眞恥ちゃん!」
「なんですか?」
「今日だけじゃなくて明日も来なよ!
お手伝いっていう形でね♪」
「子眞恥ちゃんはまず人に慣れなきゃ!」
「確かにそうですけど....迷惑では?」
「迷惑じゃないですよね?園長先生!」
「大丈夫だと思うよ、でもお昼ご飯とかは持ってきてもらうけどね」
「そこは大丈夫ですよ。私が作るので!」
咲雪さんは子眞恥の表情を見てこう言った。
「迷惑だなんて思ってないからね子眞恥ちゃん。私が好きでやってるんだから」
「はい」
「ていうかその前にだね浅姫さん」
「なんですか園長先生」
「まだ子眞恥ちゃんが行くって決めたわけじゃないからね」
「・・そうでした、すいません。子眞恥ちゃんもごめんね?」
「いえ、大丈夫です」
「だからね、今日体験してみて良かったら明日からも来てくれないかな?浅姫さんの紹介だったら信用できるしね」
「分かりました」
「改めて今日はよろしくお願いします!」
「それじゃ話もまとまったので園長先生
これで失礼しますね♪」
「色々教えてあげるんだよ〜」
「はーい!」
園長室をそう言って出る。
「凄く良い人でしょ?」
「そうですけど、あんなにタメ口とか使って大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ♪」
「よし!とりあえず一体を説明するね」
「はい!」
※※※
「こんな感じ!どう?いけそう?」
「大丈夫です!頑張ります!」
「じゃあ今日は私と一緒にやろっか!
と言っても最初は見ててね♪」
「はい!よろしくお願いします!」
「お願いされました♪」
※※※
「まず最初にお出迎えしてあげて挨拶をするの。そして朝の視診と衣服の調整があったらしてあげて、自由遊びの時間なの」
「もう何人か登園してるけどやってみましょうか」
「はい!」
「じゃあ私に続いてねー」
「おはようございまーす!」
「おはようございます!」
※※※
「いい感じだったよ!子眞恥ちゃん!」
「ありがとうございます!」
「次は、外から帰ってきた子に手洗いと
消毒をさせてあげるの♪」
「難しかったら見ててもいいからね♪」
「はい!」
※※※
「子眞恥ちゃんやるね!この調子でガンガンいっちゃおう!」
「はい!頑張ります!」
※※※
「よし!とりあえずは一段落したよ、子眞恥ちゃん。次は給食の時間だよ♪」
そういえば私お昼ご飯持ってきてないや。
咲雪さんがなんで子供の服持ってるのか
とか、保育園のこととかで頭いっぱいで
忘れてた。
「子眞恥ちゃん!安心してお弁当作ってきたから♪」
「そんな焦ってるように見えました?」
「まさか心の声を読み取る能力でも手に入れたとか?」
「いやいや違う違う、子眞恥ちゃんの場合顔に出やすいの♪仕事柄相手の表情を見て行動する事が多いから。子供相手だと尚更ね♪」
「なるほどです」
「それじゃあ今更だけど紹介するね!」
「この子、子眞恥ちゃん仲良くしてね!」
「小野町子眞恥です。今日はよろしくお願いします」
「「「「わぁー!!!!」」」」
「この人さっき見たよ!」
「私手伝ってもらっちゃったよ!」
「優しかった!」
「おぉー!子眞恥ちゃん凄いね♪」
「ありがとうございます!」
「それじゃあ皆さんおててを合わせて!」
「いただきます!」
「「「「いただきます!!!!」」」」
「凄い作り込みですね。咲雪さんのお弁当」
「それでも結構手抜きだよー」
そう言いつつ子眞恥は咲雪さんの手作りっぽいかぼちゃの煮付けを食べる。
「美味し」
ついポロッと言葉に出してしまった。
「良かった〜お口にあって!」
「口に出てました?」
「うん!でもありがとね♪」
「料理教えてもらうのもっと楽しみになってきました!」
「それは良かった♪」
※※※
「「「「ご馳走様でした!!!!」」」」
「はい!みんなそれぞれ片付けてねー!」
「片付け終わったらお着替えして寝ようねー」
「「「「はーーい!!!!!」」」」
※※※
「みんな寝ましたね」
「うん、ここからみんなが起きるまでちょっと休憩。子眞恥ちゃんも寝てもいいんだよ?慣れないことして疲れてるでしょ?」
「私は大丈夫です。確かに疲れてますけど、お手伝いさせてもらってる身なので」
「いいんだけどな〜遠慮なんかしなくても」
「そうだよ〜。遠慮なんていらないからね♪」
「皆さん、ありがたいですけど....」
「分かってるよ♪無理強いはしない。ちょっとづつ慣れてくれればいいからね♪」
「はい。ありがとうございます!」
「それじゃあ私、お手洗い行ってくるね」
「この空気感でそれ言えるの浅姫先生ぐらいよ」
「褒め言葉として受け取っておくわ♪」
ゆっくりと咲雪さんはドアを開け、お手洗いに向かった。
※※※
──────お手洗いに向かってる途中。
子眞恥ちゃん自身は気づいてないかもしれないけど私が最初に言った、まずは人に慣れること。もう達成してる。これからも
上手くやっていけそうで安心したよ。
咲雪さんは密かに子眞恥を心配していた。
※※※
咲雪さんはゆっくりとドアを開け教室に入るとそこには、園児達と一緒に寝ている子眞恥ちゃんの姿が見えた。
「あら、いつ寝たのかしら♪」
「ついさっきよ。気づいたら眠りについてたみたい。私たちの思っていた以上に疲れてたのかもしれないですね」
「そうですね。まあそれより......」
「「「可愛いぃぃ///」」」
「これはもう天使ね」
「寝顔がこんなにも可愛いとは思いませんでしたね♪」
「ずっと見てたいわ♪」
「「「....同感!」」」
保育士達は子眞恥ちゃんの可愛さを改めて知り、癒されながらも小声で団欒するのだった。
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