第7話 つばさくんのプロポーズ
二度目のすき焼きパーティは、前回同様、落ち込んでささくれだっていた私の気持ちを少なからず癒してくれるものだった。
さらに、つばさくんからサプライズがあった。
「ひなた先生!ぼくのママになってください」
「こらこら、そんなことを言ってひなた先生を困らせてはいけないよ」と言うつばさくんパパを制して、私はつばさくんに返事をした。
「ホント、うれしい。私、つばさくんのママになる!」
「わーい、やったー」とはしゃぐつばさくんに、私は言葉をつづけた。
「でも、そうすると私と一緒に暮らすことになるから、パパと離れ離れになっちゃうよ」
幼いつばさくんは、三人で一緒に暮らせる解決策を思いつかなかった。
「うーん、どうしようかなー」と頭をひねりながらうとうとし始めたつばさくんを寝かしつけ、私はつばさくんパパと対峙した。
「このままだと、私、つばさくんを連れてってしまいますよ」
さあ、風間博さん、あなたはどうするんですか。
「でも、私と真由先生とじゃ、年が違い過ぎて釣り合わないですよね」
「どうしてですか。たった十五歳しか違いませんよ」
「それに、ほら、バツイチで子持ちですし」
「子どもは欲しいけど、産むのは痛いっていうから嫌だなと思ってました。お腹を傷めずに子供を持てるなら、私は願ったりかなったりです」
それでも煮え切らない態度で、自分を卑下し、私と結婚できない理由を並べ立てようとするつばさくんパパこと風間博さんに、私は切れた。
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