第8話 破綻
「結論が出ないみたいだから、いったんこの話題は止めにして、ゲームでもしませんか」
明らかにほっとした様子の彼を床に座らせ、私は彼にタオルで目隠しをした。
「さて、これから手に触るものが何かを当ててくださいね」
私は下半身だけ裸になると、彼の手を私の股間に導いた。
彼は最初は恐る恐る、やがて少し大胆に指を動かして感触を探っていた。徐々に湿り気を帯び始めたそれが何であるかをようやく気が付いた彼は、狼狽も露わに慌てて手を引いた。
私は彼を押し倒し、彼の顔に背を向ける形で彼の腹に馬乗りになった。すかさずズボンを押し下げ、指で愛撫を加えると、彼のものが徐々に反応を始める。
「身体は正直ですね、浩さんのここ、もうこんなになってますよ」
最初は私の愛撫から逃れようと身体をよじっていた彼も、私の言葉にようやく観念して抵抗を諦めた。
私は、彼のズボンを下着ごと膝までずりおろすと、熟練の指技にようやく挿入できるくらいに硬度を増した彼のものを私の体内に収めた。
彼の上で腰を振る私の動きに合わせて、彼が「ひっ、ひっ」と小さく悲しげな声を上げる。やがて、彼の絶望的なうめき声とともに、最後まで少し柔らかいままだった彼のものが、私の中で精を放った。
言葉もなくゆるゆると衣服を整える彼の様子は、性犯罪の被害者そのものだった。 そんな彼を視線のはじっこに感じながら、私は身支度を整えて、無言で彼の家を後にした。
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