ちっぱいを大きく育てるラブコメ~おっぱいをおっきくする魔法の手を持った俺、貧乳美少女達から頼まれて、バストアップトレーニングに付き合うことになりました~
さばりん
第1話 妹とその友達
「ぐへへ……」
二学期が始まり、まだ残暑続く九月の上旬。
夏休みの長期休みも明け、学校へと向かう通学路で、俺は通学する女子生徒のおっぱいを眺めていた。
歩くたびにたぷんたぷんと揺れるおっぱい。
その万乳引力の乳揺れは、生命の深淵さえ感じてしまう。
「お兄ちゃん!」
とそこで、むにゅりと柔らかくて弾力のある感触が腕に伝わる。
見れば、一つ下の学年である妹の新治愛実が、むすーっとした表情でこちらを睨みつけてきていた。
「どうした愛実?」
「お兄ちゃん……また他の女の子のおっぱいばかり見てたでしょ?」
「そんなことないぞ?」
「嘘、鼻の下伸ばしてデレデレしてたもん」
妹の指摘に、俺は意識的に鼻の下が伸びないよう、上唇を引き締めた。
「もう……他の人のおっぱいなんか見なくても、一番身近に巨乳がいるのに……」
「えっ、どこにいるんだ?」
俺はわざとらしくとぼけるように手を額に当てながら、辺りを見渡してみる。
「ここ! 目の前にEカップおっぱいの妹がいるでしょ!」
しびれを切らした妹が、さらにこれでもかと胸元を俺の腕に押し付けてくる。
実妹の胸とはいえ、巨乳の感触を確かめることが出来て役得だ。
「はぁ……これだからお兄ちゃんは……」
呆れたようにため息を吐く愛実。
俺がわざと、愛実の胸の感触を確かめたいがために仕向けたことに、気づいたのだろう。
「あのねお兄ちゃん。そんなにおっぱいばっか見てたら、彼女の一人も出来ないよ?」
「う、うるせぇな!」
妹の言う通り、俺は今まで生きてきて、彼女というものが出来たことがない。
その最大の理由はもちろん、付き合う条件に、巨乳おっぱいが入っているから。
「もっと女の子の性格とか内面の方を意識した方がいいと思うよ?」
「そりゃ俺だって、ただおっぱいがデカい女の子が好きってわけじゃねぇよ。俺が触りたい時に、恥じらいながらもおっぱいを揉ませてくれる包容力のある女の子を求めてるからな」
「まず、日常的におっぱい揉ませてくれる女の子を求めてる時点でアウトだよ!」
愛実がうんざりした顔を向けてくる。
しょうがないだろ。
俺にとって、おっぱい成分の摂取は、食事や風呂と同レベルなのだから。
とまあ、俺は女の子と付き合う条件として、【巨乳であり、そのおっぱいを揉ませてくれる女の子】が必須条件のため、彼女が出来ないのである。
そりゃ、異性と付き合う条件が、下心ありまくりなのだから、女の子に好かれるわけがない。
分かっていても、いつかは絶対に、俺の願望を理解してくれる心優しい女の子が現れると夢見ているのだ。
「あれっ……ねぇねぇ、お兄ちゃん。アレ」
俺が脳内で巨乳彼女のおっぱいを揉みしだいているシーンを妄想していると、愛実がクイクイっと裾を引っ張り、前方を指差してくる。
愛実の指差した方向を見れば、曲がり角で、うちの制服を着た女子生徒が、他校の男子生徒に言い寄られているところだった。
目にかかるかかからないかほどのボブカットをした小柄な女子生徒は、怯えた様子で身を縮めている。
「悪い愛実。俺、いってくる」
「うん、いってらっしゃい」
俺は愛実の元を離れて、他校の生徒に言い寄られている女子生徒の元へと向かって行く。
「おいそこのお前。何してるんだ?」
「あ”? っげ……お前は可愛美の問題児」
「誰が問題児だゴラ」
いつ誰が問題児だって?
何で他校にまで俺の変な噂が広がってるんだよ。
ただのおっぱい好きな、健全な男子高校生だぞ俺は?
いや、それだけでも十分問題児か。
「つーか。この子に何か用か?」
「べっ、別に? ちょっと可愛いなーと思って、連絡先交換してくれないかなって声掛けただけだけど?」
「つまりは、ナンパって事だよな?」
「まあ、捉え方によってはそうとも言えるんじゃないすか?」
「なるほどな。それで、彼は連作先を交換したいそうだが、君はどうしたいんだ?」
俺は、怯える女子生徒に向かって声を掛けると、話しを振られたボブカットの女の子は、ピクっと身体を震わせてから、フリフリと首を横に振った。
「残念だったな。どうやら交換したくないみたいだぞ」
「ちぇ……つまんねぇの」
興ざめした様子で、他校の男子生徒は、何事もなかったかのようにその場を後にして行った。
離れていったところで、俺はふぅっと肩の荷を下ろす。
「大丈夫、桂華ちゃん? 変なことされてない?」
俺が、妹の友達である台村桂華ちゃんへ優しく声を掛けると、彼女は胸元で手を合わせながら羨望の眼差しを向けてきた。
「ありがとうございますお兄さん、助けていただいて」
「いいってこれぐらい。桂華ちゃんは可愛いからね。あぁやって声を掛けられることもあるだろうに」
桂華ちゃんは小動物のような可愛らしさを兼ね備えていて、庇護欲をそそられる。
「桂華ー!」
とそこで、遠巻きに見ていた妹の愛実が、桂華ちゃんに飛びつくようにして抱き着いた。
「大丈夫だった? お兄ちゃんに変なことされてない?」
「おいこら。なんで俺が桂華ちゃんに変なことしたみたいになってるんだよ?」
「だって、お兄ちゃん変態だから、か弱い桂華ちゃんのことを裏で操っててもおかしくないから」
「んなわけあるかよ」
なんだよそれ。
どこぞのエロゲじゃあるまいし。
「ふふっ……」
すると突然、俺と愛実の会話を聞いていた桂華ちゃんが、今日初めてくすっと笑い声を上げた。
先ほどまでの怯えが嘘のように、にこやかな表情を浮かべている。
「お二人は相変わらず仲がいいんですね」
「えぇ、そうかなぁ?」
「これくらい普通だろ?」
互いに視線を合わせる俺と愛実をよそに、桂華ちゃんは首を横に振る。
「私は一人っ子なので、客観的にしか言えないですけど、他の人から聞く兄妹事情に比べて、愛実ちゃんたちは凄く仲がいいと思います」
桂華ちゃんが自身の見解を述べると、愛実は他人事のように、そのまま顔を俺に向けてきた。
「だってさ、お兄ちゃん」
「いや、俺に振られても……。まあでも、他の兄妹と比べたら、俺たちは仲いい方なんじゃねぇの?」
さっきだって、妹のおっぱいで一喜一憂したりしていたからな。
普通の兄妹じゃ、そんなやり取りは絶対にしないもん。
「まっ、仲が悪い兄妹より、仲がいい兄妹の方がいいよね!」
愛実がパパッと結論付けて、桂華ちゃんに向き直る。
「うん、二人を見てると、こっちまで和やかな気持ちになるから、そのままの関係でいいと思うよ」
「だよね、だよね!」
桂華ちゃんの意見に同調するようにして、食い気味に首肯する愛実。
「ほら二人とも、そろそろ歩かないと、学校遅刻するぞ」
腕時計を確認すれば、少し急がないと遅刻しような時間になっていた。
「はーい」
「はーい」
二人も素直に返事を返して、学校へと向かって歩き出す。
「お兄さん」
「ん、どうした桂華ちゃん?」
とそこで、桂華ちゃんが俺の隣へとやってくる。
「あの……今日の放課後って、時間あったりしますか?」
「えっ?」
突然の放課後のお誘い。
今日は生徒会の仕事もないので、特にこれと言って予定はなかった。
「まあ、今日は生徒会の活動もないから、特にこれと言って予定はないけど……?」
「本当ですか⁉ それじゃあ私、HRが終わり次第、昇降口で待ってますね♪」
桂華ちゃんはそう言って、秘密めかしたようにウインクしてきた。
「ちょっと桂華、何話してるの?」
「ううん、何でもない」
愛実に呼ばれて、桂華ちゃんは俺の元を離れていく。
俺はそんな桂華ちゃんの後姿をポカンと見据えた。
妹の友達から放課後にお呼ばれとは、一体どういった用件なのだろうか?
心当たりがまるでなく、皆目見当もつかないのであった。
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