第29話:せっかく元にもどったって言うのに。

そして次の朝、いつものように姫が二階からパンいちで、おっぱいプリプリ

させながら降りてきた、と思った。


「え?・・・誰?」


一瞬、俺は誰?って思った・・・でも俺んちに女は姫しかいないはず・・・。


「姫か?・・・」

「ちょっと、振り向いてみ?」


「ああ・・・背中の羽はちゃんとあるよな・・・」


「私だよ・・・他に誰がいるの? 」

「ツッキー私の他に女、連れ込んだら殺すからね・・・」


誰だ?、姫が天使になったから姫の性格も、今よりも増して、まろやかに

なっていくなんて言った奴は・・・。

性格は変わってねえじゃねえかよ。


「つうか・・・姫・・・その髪どうした?」

「夕べのうちに染めたのか?」


「なに言ってんの?・・・」


そう言って姫は自分の髪の毛をつかんで自分で見た。


「なにこれ?」


「だから、染めたのかって聞いたんだよ」


「そんな面倒くさいことするわけないじゃん」

「え〜どうしよう・・・黒髪だったのに・・・」


なんと、なんと、なんと・・・姫の髪の色が金髪になってたんだ。


「どういうことだよ・・・え?背中に羽がはえたことと関係あるのか?」

「天使になったことが影響してるのか?」


「ちょい・・・こっち来てみ?」

「よく見せろ・・・」


姫は俺のそばまでやってきて、俺にくっつくとおっぱいをスリスリした。


「なに、どさくさに紛れておっぱいスリスリしてんだよ」


「モーニングチューして・・・」


「そんな呑気なこと言ってる場合か?、髪の色変わってんだぞ」


「しかたないじゃん・・・これで行くし・・・」


「え〜〜〜〜まじでか?・・・切り替えはや〜」


「ちょっと待てよ・・・え?、瞳の色も変わってないか?」

「茶色だったのに、青くなってんじゃん」


姫は他人事みたいに自分のケツをボリボリ掻いていて、大あくびした。


「緊張感のないやつだな・・・自分のことだろ?」


「別にいいじゃん・・・コスプレしてるって思ったらいいでしょ」

「ツッキー、金髪嫌い?」


「あ〜いや〜そんなことはないけど・・・どっちかつうと大好きだし・・・」


「じゃ〜自分の彼女が自分の好みに変わったんだから素直に喜べば? 」


「そうだけどさ・・・喜んでいいのか?」


で、姫はゴスロリ衣装を着たが・・・天使に黒はな〜と思って、とりあえず

定番の白い衣装を着せた。

でも背中がもっこり膨らんでかっこ悪いので、しかたなくハサミで衣装を切って、

羽を外に出してやった。


大学の連中は、姫の髪を見ても背中の羽をみても大した反応は示さなかった。

見るには見ていたが、みんなスルーした。

まあ、姫のことだから普通にコスプレってるって思ってるからなんだろう。


金髪になった姫を見てヨコチだけがすぐ、食いついてきた。


「金髪もいいな・・・」


「本当のこと知ったら、おまえ悶絶するぞ・・・」


「なんだよ、本当のことって」


「言っても、信じないだろうからな・・・教えない」


「なんだよ、水臭い・・・意味深だな、言えよツッキー」


「俺のことツッキーって呼べるのは姫だけだって言ったろ?」

「とにかく・・・言っても信じないって・・・俺も今だに、うそだろって

思ってるんだからさ・・・ 」


「信じるからさ・・・言えよ」


「姫の髪だけどな・・・あれまじの髪なんだ・・・染めたりもしてないし

ウィグでもないんだ・・」

「昨日まで黒髪だったんだけどな、今朝になって金髪になってたんだよ」


「あはは・・・なバカな・・・ありえないだろ、そんなこと」


「な、信じないだろ」

「だから、この件は忘れろ・・・」


「あれ、ウィグじゃないのか?」


「信じられないなら、決定的なの見せてやろうか?」


そう言って俺は、服を着てない状態の背中に羽が生えた姫の画像を、

ヨコチに見せた。


「なにこれ?」

「姫の背中に羽が生えたんだ・・・」


そう言うと、ヨコチは改めて姫を見た。


「そうだな・・・ゴスロリ衣装の背中から羽がでてるな・・・」

「ってかさ、おまえら・・・こんなことまでして俺を、からかって面白いか?」


「な、やっぱり信じねえだろ」

「だから、この件は忘れろ・・・」


「これって本物の羽か?」

「もういいから・・・信じない奴になに言っても意味ないし・・・」


「ちょっと考えさせてくれ・・・あまりに唐突で脳みそが理解でないって

言ってるよ 」


「まあ、おまえのその脳みそじゃな・・・理解できないわな」


「でもさ・・・信じるかどうかは別にして、なんで姫ちゃんは

そんなことになってるんだよ」


「あ〜まあな・・・話せば長いことながらってやつだよ・・・」

「姫の幼少時代のことから話さなきゃいけないからやっぱりこの件は忘れろ 」


な、訳で結局ヨコチは姫のおいたちを知ることになるのだった。


姫の過去を知ったヨコチは、どうやら今回の件を含めてすべてを信じる気に

なったらしい。


で、満月の夜・・・俺の部屋に金髪女が夜這いにやって来た。

満月の夜エロくなるってクセ、そこだけは変わってないみたいだ。

金髪って・・・別の女性とエッチしてるみたいで、それはそれでいいんじゃ

ないだろうかって俺は思った。

ただ、ひとつ問題・・・それは背中の羽のせいで正常位ができなくなった。


つづく。

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