第24話:また最初っからかよ

姫は仏像仮面ブッダーに連れられて月のUFOから帰ってきた。

どうやらエロは元にもどったようだが、なんと姫は俺んちに初めて来た時からの

記憶をなくしていた。

姫が記憶をなくしてることは仏像仮面ブッダーから前もって聞いていた。


だから、挨拶から始まった。


「はじめまして〜、姫ですぅ〜」


そう言って姫は俺に抱きついてきた。


「ねえチューして・・・」


「待て待て・・・俺のこと覚えてないんだろ?」


「覚えてません・・・」


「ツッキーだよ・・・ツッキー」


「ツッキー?・・・覚えてないね」


「じゃーなんで抱きついてきてんだよ?」

「チューしてって、おかしいだろ」


「とりあえず・・・男だから・・・」


「男なら、誰でのいいのかよ・・・」


「つうか、元どうりって言うか、エロくなりすぎてるんじゃないのか?」


「それに、はじめましてって・・・そんな挨拶寂しすぎるだろ」

「俺たち恋人どうしだったんだぞ」


「そうなんだ・・・」

「あんたが?私の恋人・・・ありえないから」


やれやれ、また最初っからかよ・・・。


で、姫がリセットされて帰ってきたと言うことは

また暴力的で、クチが悪くて、満月の夜エロくなるって、そういうことか?


案の定、俺は姫がUFOから帰ってきてから、頭をどつかれたり、足蹴り

されたりした。


でもって、朝、やっぱりパンツ一丁で二階から降りてきた。

おっぱい丸出しで・・・。

その辺は学習もしてないし改良もされてないんだ。


で、満月の夜になると、また俺の部屋に忍び寄って来るのかと思ってたら、

自分の部屋にいなくて、普通に俺の部屋にいるし・・・。

もう夜這いに来ることはないんだ。


「ねえエッチしよ、エッチ」


「俺のこと、ほんとに覚えてないのか?」


「覚えてない・・・」


「ってかさ、エロくなるのは満月の夜だけじゃないのかよ」


「ん?満月?」

「なにそれ・・・毎日、エッチしたくなるよ」


「そんなことよりチューして?」


「なんかそこは元に戻ったみたいだけど・・・」

「でも、見境なくなってるぞ、姫・・・男なら誰にでもエッチしようって

言うんじゃないのか?」


「おっぱい舐めたい?」


「人の話、聞いてんのか?」

「貞操観念までなくしちゃったのかよ・・・先が思いやられるな・・・」


俺は、またまた仏像仮面に相談した。


「また、全部いちから教えなきゃいけないのか?」


「そのようでござるな・・・」


「ひょっとしたら、何かのきっかけで記憶が戻るかもしれないでござるが・・・」

「それはいつのことになるか分からないでござるな」

「気長に待つしかないでござるよ」


せっかく、俺たち心を許しあう仲になったってのに・・・。

俺たちまた、ただの兄妹にもどるのか。

異星人は何やってくれてんだよ・・・いままでの苦労と努力、返せよ。


「ねえ、浮気したら殺すからね・・・」


「なんでだよ」


「おまえが全部、覚えてないってことは俺たちの関係も白紙に戻ったって

ことだろ?」


「なら、もう恋人同士じゃないんだから、なんで俺が殺されなきゃいけないんだよ」


「だって、私・・・好きなんだもん・・・ツッキーのこと?」


「え、今、ツッキーって言ったか?」

「思い出したのか?俺のこと・・・」


「自分でツッキーだって言ったじゃん」


「あ、そうか・・・」

「ってか、なんで好きなんだよ・・・忘れてるんだろ俺のこと」


「分かんないけど・・・でも会った瞬間に好きになっちゃったんだもん」


「いきなり好きになるのか?・・・めっちゃ極端な性格になってないか?」

「もう、ハチャメチャだな・・・」


「だから・・・浮気したら殺すから・・・」


「全部忘れてるくせに、浮気したらって、おかしいだろ」


「ツッキー・・・よかったらいっぺん死んでみる?」


また、最初っからかよ・・・この先、俺たち元どうり恋人に戻れるのかな。

上目遣いに俺を見ながら笑ってる姫を見て、俺はため息しか出なかった。


でも一つだけ最初と違ってることがあった。

それは姫がもう未成年じゃないってことだ・・・。


だから・・・やっちゃっていいんだ!!。


おしまい。

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