第2話 会社に仲間

 会社に入り、自分の席に向かう。


 そこには、黙々とパソコンに向かう後輩の姿があった。清水瑛太しみずえいただ。


「あれ、先輩、今日出勤でしたっけ」


「あ、いや、もともと出勤じゃなかったけど、家じゃやることないし、仕事溜め込んでたし」


「そうなんですね」


 彼はまた静かにパソコンと格闘していた。


「何か困ってる?」


「あ、いえ、少しだけ……?」


 私は彼のパソコンを覗き込む。


「ここをこうしたくて……」


「あ、そしたらね、ここを押して……」


「あ、できた! ありがとうございます!」


 その彼の笑顔に少し惹かれてしまっていたことは、当時の私に気づく余地はなかった。

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