第4話 投稿サイトにおける自作品の人気の推定方法(異世界ファンタジーは除く)
何を好むかというのは、理屈ではないというのは、小説では少し複雑になる。そもそも小説とはそこに書かれていることを頭で理解することが前提となる。つまり、頭でどうのこうのの以前に生理的に好き嫌いが生じるということはありえない。人によってその分量の差はあると想うが、ある程度、試し読みしてみて、面白いか否かを判断することになる。
ただ、好みというのも当然ある。悲劇が好き。喜劇が好き。
また、作り手側、読者側、双方に把握され利用されているのがジャンルである。私は古いSFファンなので、ハヤカワ文庫のSF→創元推理文庫のSFで新刊チェックというのが、本屋に行ったときのかつての定番のコースであった。懐かしいな。この両文庫はミステリもメインであるが、そちらはちらっとのぞく程度というのがいつものことであった。
このジャンルというのは、投稿サイトにおいても重要である。小説のみならず、多くの分野で、コアなユーザーに受け入れられることが重要であると言われる。そして、小説においては、コアな読者はジャンルを頼りに自分の好む小説を探すと想われる。
上記で試し読みについて述べたが、これは手間である。読者としては、試し読みしたものが全て面白いとなれば最高であるが、そんなことはあり得ないのは、皆さん、自身の経験として良く承知のことと想う。そこのところの確率を上げる有効なものが、ジャンルという訳である。
投稿する側にもジャンルは重要である。書いたものを、コアなユーザーに届けるのを助けてくれる。
もう一つ、重要なのがサブジャンルという考え方である。このサブジャンルには投稿サイトが対応していない場合が多い。
歴史小説(時代小説は除く)では、人気のある順でいえば、次の3つに大別できる。1.転生歴史小説。2.歴史改変小説。3.転生なし、改変なしの歴史小説。分ける必要は無いという人もいるかもしれない。しかし、投稿する側にとって、無闇にPV数を求める必要がなくなるという点で、分けて考えることは重要である。
例えば、私は3の『転生なし、改変なしの歴史小説』を投稿しているが、上位を占める転生歴史小説と比較しても意味がないのである。なぜなら、それだけの数の(3の小説を求めている)読者がいないからである。だから、自分と同じ『転生なし、改変なしの歴史小説』の上位数作品と比較すべきであり、そうして初めて、自作がその投稿サイトでどの程度受け入れられているか(要は人気)を、ある程度、客観的に判断できるのである。
私は他に悪役令嬢ものを投稿しているが、これもサブ・ジャンルとみなして良い。悪役令嬢、婚約破棄、ざまあ等のタイトルやタグは、人気取り的な行いとして時に揶揄されることもあるが、自分の小説を埋もれさせることなく、コアな読者に届ける有効な手である。なぜなら、これらサブ・ジャンルのコアな読者はこれらのタイトルやタグを頼りに求める作品を探すからである。そしてやはり、悪役令嬢ものの上位数作品と比較すれば良いのである。
以下、注意点
1.この比較は、コアな読者がそのサイトに投稿されている比較対象の作品のほとんどを(少なくともあらすじ、もしくは1話)読んでいるという前提に立って初めて、その精度が保証される。(だから、サブジャンルという考えが重要なのであるが。)もちろん、そんなことはあり得ないので、この比較はあくまで不完全なものである。そんな不完全なものでも、書き手にとっては、1つの指針になり得ると想い、こうして書いている次第である。
また、上記理由により、この比較は、作品の総数が多すぎる異世界ファンタジーにはなじまない。そのほとんどを読むという仮定を満たせないからである。
2.当然ながら、比較する上位作品のうち、ネームバリューがある書籍化作家さんは除くべきである。また、自身の作品が埋もれていると想われるなら、比較すべきではない。
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