第2話 徹夜明けの睡眠からの宇宙、眠りの小◯郎もびっくりだよ!?

 俺は目覚める前にやっていた事はゲームだ、イベント進行しっかりとやりこなしてランキング1位をしっかりとキープして確定したのを見届けてから眠りに入ったはずだ。

 それなのに、何故俺は宇宙を漂っているんだ?

 1週間、荒行のようなイベント進行をこなしてしっかりと最後を見届けてから布団に入ったはずだ。

 「コレは夢?、イヤイヤ何も生身で宇宙空間を漂う夢とかどんだけ・・・」

 そう言ってまた寝直そうと目を閉じて力を抜くがヤケに寝心地が悪い。

 布団を直そうと目を開けて起き上がった先には・・・

 やはり宇宙が広がっていた・・・

 「・・・ってはぁ~!?なんでやねん!?」

 眼の前光景を受け入れられず思わず目を擦ろうとすると、

 「??アレ、メガネはしてないんだが?何か被ってるのか?」

 どうやら俺はヘルメットのようなモノを頭につけているようだ。

 「??VRゴーグルなんて使ってないんだが?」

 そう言いながら頭につけているものを取ると、

 「・・・ここ、ドコ?」

 飛行機のコックピットのような場所にいた。

 「・・・いや、地球の飛行機で大気圏は突破出来ないから、耐久力的な意味で・・・いや、そうじゃないそれよりも・・・コレは夢?なのか・・・ステータスオープンって言ったらもしかして・・・なん、て・・・」

 沸々と沸き上がってくる焦燥感に認めたくない現実を否定するように冗談で零した言葉が・・・

 「・・・俺の目に見えているモノはなんだい?」

 普通に反応を示して、何もない虚空に透明な板が視界の中に出現した。

 「・・・イヤイヤ、そっちのオチじゃなくてだね、普通に何も出ない目が覚める夢オチを望んでいたのであって・・・」

 などと言い訳しながらステータスを確認する。




―――――――――――――――――――――

 名前 灯護とうご・デューク


 身長230センチ 体重100キロ


 年齢 不詳


 各身体能力値

 筋力32000 体力29000 頑丈さ30000 器用さ28000 魔力20000 知性19000 精神力25000


 スキル

 武神 闘神 機神 味方支援効率最大 回復効率最大 アイテムドロップ率最大 レディキラー 


――――――――――――――――――――――




 俺は自分の名前を見て、

 「俺はアサルトライフルで狙撃するヒットマンかよ・・・」

 何故実名とプレイヤーネームを融合させたのか・・・次に各身体能力値を見て、

 「・・・この世界の基準が分からないとなんとも言えないけど・・・RPGゲームと同じステータスだからな、人外の可能性も十分ありえてしまうか?転移か転生か知らないけどもうお腹いっぱいなのですが?」

 因みにプレイヤーの初期ステータスはこの200分の1以下で下手すると300分の1以下かもしれない。

 そして、考察している時にあることに気づいた。

 「さむっ!?ひょっとして動いてないの!?」

 このコックピットの中が寒い事に気づいて、それから自分が座っているシートに付いていたタブレット端末のような操作パネルっぽいモノをイジる。

 「・・・スタートキーはコレか?ゲーム機かパソコンの電源マークなんだが・・・とりあえず押してみるか」

 一番それっぽいボタンを押すと今度はパネルに手の平の表示が出てきて、

 「ひょっとして生体認証?コレホントに動くの?」

 半ば絶望を感じながら手の平をパネルに押し付けると、

 「・・・認証成功、超長距離単独航宙可能、可変機構搭載モデル中型戦闘航宙艦、機体名、ルシファー、始動します。・・・おはようございます、キャプテン・デューク」

 めっちゃ高性能っぽいAIの自動音声が聞こえてきた。

 そして、俺は機体名を聞いた時にまた思考の海に沈んでいた。

 「・・・ルシファーは俺がやっていたもう一つのゲームに出てくるモノだ・・・そもそも、そのゲームにパイロットのスキルなどは無い、機体に付ける追加パーツはあったが・・・ステータスは無かったはずだ・・・」

 そして、艦が動いた事で・・・

 「温いぬくい・・・このパネルを見るとやはり酸素濃度が低下してるな・・・危なかった・・・」

 そして、一通り触った所で、

 「・・・脳波感応式パイロットシートとスペックが出た時はどうなるかと思ったモノだがこれならなんとかなるな!」

 コントローラーの操作をイメージしながら艦を縦横無尽に動かす、ブースターの出力もそれぞれ自由に操れるので直角機動やそれ以上の機動も簡単に行う事が出来た、・・・ゲーマーの性に身を任せないと精神的に死にそうだったんだ、許して。

 「・・・半分の出力でこの動きだとフルブーストだと通常の機体どころか一個中隊、下手すると大隊も翻弄出来る可能性があるな、・・・まぁいいや、深く考えてはイケない、次は武装を撃ってみるか!?後、変形も試してみよう!?」

 無理矢理、オーバースペックである事から目を逸らし、適当に宇宙を漂う大きめの石ころに照準を合わせて、メインウェポンであるパンドラをぶっ放す。

 「・・・おぉ~、流石は大型戦艦級と真正面から勝負出来ると言われるだけあるわな、1割チャージでこの威力か、そうなるとホーミングレーザーやガトリングレールガンも多分相当の威力だろうし、・・・後は俺が宙賊どもに情けを持たなければ・・・」

 大丈夫、そう言おうとしたら・・・

 「!?報告します、アンノウンが多数こちらに接近してきます!?」

 AIからの報告に否応無しに戦闘に入る事を自覚するのだった。

 敵と思わしき連中は全部で13機いずれも変形機構の無い航宙艦のように見える。

 まるでサメのようにこちらの周囲を周回していた。

 「複数の艦により貨物スキャンを受けております。」

 AIの警告を聞いて俺も覚悟を決めて、相手にスキャンをかける。

 「よぉ〜兄弟、見ちまったなぁ〜?ワリぃが積荷を置いていってもらおうか?そうすりゃワリぃことはしねぇからよ?」

 「・・・・・よし!!やるか!!」

 相手はいずれもレッドプレイヤー、即ち賞金首であったので容赦無く堕とす事にする。

 「人型の機動力と性能を見るには丁度いいからな、悪いがあんたらには的になってもらう!」

 そうして俺は変形機構を作動させて機体を変形させる。

 「・・・スペック上だとこの状態の方がトップスピードは速いはず、片っ端から風穴を開けてぶった斬る!!」

 変形は刹那で終わり、そのまま俺はフルスロットルで一番近くの宙賊に接近する。

 「は、速・・・!?」

 この機体のメインウェポン、武器名は多種変形マルチウェポンボックス パンドラはその名の通り様々な形態があり、俺が好んで使うのは大型バスターライフルとガトリングレールガン、そして大型対艦刀の3つである。

 基本的に横長のアタッシュケースのような形をしており、主に重火器しか使えずこの時でもメインとなるのがバスターライフルとガトリングレールガンである。

 しかし、人型に変形した際は大型対艦刀などの近接装備が使用可となり、件の大型対艦刀は戦艦級の強固なバリアシールドと装甲をまさに紙のように斬り裂く。

 おまけに複数の形態をあることで凡庸性が恐ろしく高い兵器となっている。

 この機体を持っていたプレイヤーは俺を含めて僅か10人いずれもランキング20位に入る腕前の猛者ばかりだった。

 もう一つ強い、というか戦闘特化の破壊の権化という感じ人型兵器もプレイヤーに特に人気で重力を操ってブラックホール投げつけてくる機体があったのだが、俺はそちらはあまり使わなかった、移動速度が遅くてな・・・ワープも燃費が恐ろしく悪かったしな、一応のところネオまで進化はさせたら、更に酷くなったが・・・大量撃破イベントだとランキングはこの機体で埋まるほどには酷かった・・・

 まぁ話が逸れてしまったが、簡単に言うと戦艦を斬れる武器で宙賊を攻撃すると、

 「ば、バカな!?一撃だと!?」

 真っ二つにするのは簡単だと言う話、只それだけのことである。

 問題は、

 「・・・普通、ブラックアウトどころかレッドアウトしてもおかしくないGが襲うと思ったんだが以外と全然平気だな?やはりステータスの影響だろうか?」

 俺の身体が頑丈過ぎる可能性が判明したが、それでもここでこいつらを逃がす気は全く無かった。

 距離を取って戦おうとするこいつらにマルチロックを使って、

 「・・・これで終わりだ、全武装フルバースト!」

 背部のホーミングレーザーから、両手のバスターライフル、そして腰部分のバスターランチャーまで全力でぶっ放す。

 「う、嘘だ!?こんなの、う、そ、・・・ギャアアア!?」

 レーダーから敵性反応が消えたのを確認して俺は艦を人型から航宙艦モードに戻す。

 「・・・やっぱコレもう認めるしかないよな~」

 俺の目の前にあるモノが全てリアルである事を俺はイヤイヤ認めるのであった。

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