第15話 レディ・カモミールの手記

 外の世界はどんなものなのかしら。


 星夜祭のために


 あれやこれやと街でお買い物をする。


 そんな女の子たちのお話を聞くと


 羨ましくなる。


 今日も外が賑やかだわ。


 きっとまたみんな


 憧れのイベントに想いを馳せて


 胸をときめかせているのでしょうね。


 そっとふれた薄紫色の毛糸


 触れるだけで動悸が止まらなくなる。


 苦しくて


 涙が出てしまう。


 今年もまた、


 この毛糸たちは


 わたくしのせいで


 出番をなくしてしまったのだと思うと


 胸が張り裂けるように苦しくなった。


 

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