突然地面が割れて奇妙な洞窟に落っこちてしまいました〜5年後に地上に戻ると地球がおかしな事になってました。ダンジョン?冒険者?スキル?お前ら頭大丈夫か?〜

コーラ

第1話 ある日地面が割れまして……

「それじゃあこれで終わりの会を終わりまーす! 明日は卒業式だからみんなも遅れないように!」


「はーい!」


 先生の言葉を聞いてみんな一斉に返事をする。今日の授業は終わりだ。


 そして俺はすぐに席を立つ。


「かけるー、今日公園集合な!」


 隣の席のタケルが声を掛けてくるが今はそれどころではない。うんちが漏れそうなのだ。もう我慢の限界だ。


 ちなみにかけると言うのは俺の名前だ。フルネームは天道翔。ピチピチの小学六年生だ。


「おう!」


 返事をしてからすぐにランドセルを背負い教室を出る。


「先生さよなら!」


 の前に先生に帰りの挨拶をする。できる小学生は挨拶を欠かさないのだ。


「はい、さようなら」


 先生が笑顔で返してくれる。


 友達のサトルが言っていたのだが、先生は清楚系らしい。清楚系ってなに? って聞いてもサトルはお子様めと言って教えてくれなかった。……って今は関係ないか。


 俺は今度こそ教室を出たのだった。




「漏れる漏れる漏れるー!!」


 俺はいつもの道を全力疾走で走る。家までは後10分程だ。

 それまでに間に合うかどうか、ギリギリの戦いだ。


 他の人なら学校のトイレを使うんだろうけど、俺は使いたくない。


 前にうんちしようと個室のドアを開いたら前の人の忘れ物が便器の中にあったのだ。

 あれ以来気持ち悪くて学校のトイレは使えていない。


「おーっと! 天道選手!! ここでショートカットだ!」


 昨日テレビで見た実況の真似をしつつ、空き地を通る。ここを使えば少しだけ家までの距離が早くなる。


「ん? えぇぇぇ!?!?」


 走っていると突然地面が揺れ始めた。しかもかなり強い揺れだ。

 立っているのもやっとな強さの地震だ。


「じ、地震が来たときは、えーっと確か頭を手で守ってしゃがむ!」


 確か前に防災訓練があった時にそんな事を言っていたはずだ。


 それにしても中々揺れが収まらない。ちょっと怖くなってきた。

 急に地面からパキパキと言う音が聞こえてきた。


「パキパキ?」


 地面を見ると俺の股の間から亀裂が入り始めていた。


「ええっ!?」


 地震でこんなことになるなんて聞いたことない! 地面って割れるの!?


「やばいやばいやばい!」


 驚いていると亀裂がどんどんと広がっていき股がどんどん開いていく。


「うぎぎぎぎ」

 

 足を全力で広げて耐えようとするが亀裂が広がっていくスピードの方が早い。


「あっ……」


 ずるっと音がしたと同時にふわりとした感覚が来た。その瞬間お母さんとお父さん、お姉ちゃんの姿が思い浮かんだ。


「いんやー!!!!」


 涙を流しながら叫ぶがどんどんと俺の体は落ちていく。


「ぁぁあああああ!!!!」


 叫びながら落ちていると突然地面のようものが見えてきた。そして緑色の何かも見える。


「死ぬゥゥゥゥゥゥ!?!?」


 べちゃーん! と大きな音が聞こえたと同時に俺は意識を失った。


 

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