第2話 日常におとされた変化
最近、急に冷え込んできたような気がしてくる。今日も、帰宅そうそうベットになだれ込む。ああーあったかい。瞼を閉じると、徐々に意識が遠のく。
学校から帰宅してから十分に寝て、階下へ降りると「あんた、最近よく寝るわねー」といいつつ、食卓をみると夕食の用意がしてある。
「私の好きなチキンの竜田あげだあー、最高」もうお父さんも弟も席についている。
そして、大好きなお笑いを見ながら皆チキンにかぶりつく。
「あのさあ岬、林二君のことで話があるんだけど」母はいいづらそうにしながらも一気に喋りだす。
林二君の両親が離婚をすること。
そして今家を売りに出していて売れ次第、母親の実家に林二君共に引っ越すことを私の表情を見ながら言葉を選びつつ。
「えっ、うそ」私の頭にあの仲のいい夫婦の姿がうかんでいた。
「私も、お父さんもびっくりよお」ねえ。お父さんと相づちをとりながら、とにかく引っ越しがきまるまでは言うのは止めようと思っていたけれど…いろいろ後悔してほしくないから。
夕食を終えてから、自分の部屋で携帯を見ていた。
メールも来ていないし着信履歴もなし。
どうしよう。
こっちから何か言うべきかなあ。でも、あんなに仲が良かった家族なのに。四季のイベントには必ず、二家族で祝ったり楽しんだ。初詣にいったり、ホームパーティを開いたり、海に行ったり、クリスマスを祝ったりと思い出は子供の数ほどある。それなのにとても信じられない。しかも、原因が父親の浮気だなんてありえない。その話を聞いてから、やさしいおじさんが急にいやらしく感じてくる。
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