第41話 ランク10の難易度は?



 ランク8になった時、

家族に話しをしたら妹は無茶苦茶心配し、

一花は事あるごとに話しを聞かせろと迫ってきた。


 本の翻訳作業が進まなくなってしまった。


 そんなことがあったから、以降ランクアップしたことは伏せている。


 情報を吟味して挑戦する魔力渦を決めたが、ランク10に行くことは誤魔化して出てきた。



 いつものように講習会を受け、消耗品を購入する。


 今までは購入しなかった、必要ないだろうと思えるアイテムも揃えておくことにする。


 結構な額を支払ったが、やはり命には代えられない。


 あまり多くの種類を用意しても、咄嗟とっさに使えなければ意味がない。


 バックパックの他に、腰と足にポーチを付けることにした。


 異世界でも似たような格好だったから、効率的であると思う。


 各種アイテムを優先度を付け、ポーチに格納する。



 ダンジョンに入ると、事前情報通り湿度と気温が高い。


 不快指数80%は結構キツイ。


 湿っているダンジョンは多いが、ここまで高温なのは珍しい。


 少しでも快適になればと思い、冷却アイテムを使ったが……、焼け石に水でガッカリだ。



「おでましか」


 潜って10分、カタカタ、ガチャガチャと音を立てながら、5体の魔獣がやって来た。


 スケルトンだな。


 前衛に3体、後衛に2体の集団だった。


 後衛のヤツは魔法を使いそうだ。


 先制攻撃に限る!


 クロスボウに持ち替えて、前衛の1体を射抜く。


 その場にクロスボウを放り投げ、抜剣しながら一気に距離を詰める。


 後衛のスケルトンからファイヤーボールが飛んで来るのが見えた。


 危なかった。


 バックステップで下がったからよかったが、あのままの勢いで突っ込んでいたら、火だるまになるとこだった。


 もう一度クロスボウで攻撃しよと手を伸ばしたら、またファイヤーボールを打ってきた。


 さらに後ろへ下がって距離を取る。


 こいつら、知恵があるな。


 スケルトンはそんなに強い魔獣ではないが、こうして連携されると厄介だ。


 腰のポーチから氷の魔石を取り出して、剣と一緒に握りしめる。


 体内の魔力を練って、連続で水弾を出しながらダッシュした。


 前衛のスケルトンが剣を構え、後衛のスケルトンは再びファイヤーボールを放とうとしている。


 それは、お見通しだ!


 水弾が前衛に当たって水しぶきが飛ぶ。


 すかさず、氷の魔石に魔力を送る。


 すると、前方に向かって冷気が吹き出して前衛の動きが鈍った。


 ファイヤーボールに備えて全身を水で覆いつつ、前衛の2体を切り裂く。


 前衛が居なければ、スケルトンメイジなどザコでしかない。


 バッサ、バッサと切り捨てて、戦闘終了。


 魔石と、散らばった自分のアイテムを回収してダンジョンを出た。



 スケルトンがたった5体なのに、あまり余裕がなかった。


 これは何か対策を練る必要があるな。


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