2話 それからの日常

 それからというもの、彼女とは電話以外でも頻繁に会うようになった。

 この日、僕は仕事を定時で頑張って切り上げ、職場をルンルンで出ていこうとした。

 「お疲れさまでした〜!」

僕は、一言そう言うと、

「おう!お疲れ!」

 そう先輩が挨拶を返してきた。この先輩は、昔からお世話になってて、僕の母親が亡くなったときも気にかけてくれていたのだ。ちなみに、副業で小説家をしている先輩だ。なんとも、初恋の相手から託された小説を書き上げて今や、売れている小説家の中でも有名なんだ。

 「それにしてもお前に彼女かぁ〜。まぁ、何にせよ良かったよ」

 「なにか言いましたか?」

 「いや、何でもねぇよ。彼女が待ってんだろ。彼女を待たせる男は最低だぞ〜」

 「了解!」

 そう言った僕は、急ぎ足で一旦アパートまで戻り、シャワーを浴びて服を着替えてから彼女との待ち合わせ場所に向かった。そこに着いたのは約束の5分前だった。駐車場から、ここまで走ってきたため、息を整えていた。

 「そうくん」 

と、後ろから抱きつかれた。

後ろを振り返ると、笑いながら

 「ヘヘっ、待った?」

 最近僕の彼女になったかおるが立っていて、服装はラフであって魅力を最大限に引き出している感じでとても似合っている。

そのため、いっとき彼女に見惚れてしまっていた。

 ちなみに彼女の年齢は僕より5つ下の21歳で性格は結構明るく、絶世の美女とまではいかないにしても確かに人を惹きつける魅力はあると思う。

 「それじゃあ、行こうか!っていうかどこに行くの?」

 その言葉で僕は我に返った。

 「え、あっ、なに?」

 「もう!話しを聞いてたの?」

 「あっ、ごめん!見惚れてしまってたから聞いてなかった……」

 「もう!」

 そう言って僕の二の腕を叩いてきた彼女の、顔は照れてるのか、とても赤くなっていた。すると、彼女は、おもむろに僕の手を握ってきた。いわゆる恋人繋ぎというやつで。

 「え?ちょっ、え?」

 「どっ、どうしたの?」

 「いや、デート初日で繋いたからさ、びっくりしただけ……」

 「こんなの、普通じゃあないの?ていうか、さっき照れされられたから、お、やり返しとういか、なんというか、その〜……好きな人とするのかいいもん!」

 そう言ってそっぽをむいてる彼女の顔は耳まで赤くなっていた。

 「……それは、そうだよな」

ついつい、僕も照れてしまい二人して手をつなぎらながら別の方向を見ていた。

 「ところで、今日はどこに行くの?」

 「ん?あぁ、映画を見に行こうと思ってるんだよね」

 「ホント〜!やった〜!!」

 「ご飯は何を食べたい?」

「焼肉〜!」

 彼女は即答で、なおかつ、めちゃくちゃいい笑顔でそう言った。

 「なんか少し意外だな。ガッツリ食べたい人なんだね」

 「なんかとは何よ!ていうか、ほっといてよ!もう」

 そう言い、笑いながら駐車場に停めてある僕の車に向かい、映画館に向けて車をだした。

 映画が終わり焼肉を食べながら彼女はとてもはしゃいでいた。

 「まさか、あそこで仲間の一人が、裏切るなんてね!主人公がそこからどうなるかハラハラしたし、裏切ったと思ったら実は仲間を守るためというね!あそこはめちゃくちゃ感動した!」

 「そうだな!めちゃくちゃ面白かった!今回のはあたりだわ!」

 「だよね〜!」

 「それに、かおるが楽しんでくれたら僕はそれで満足だよ」

 「へへへ〜〜!」

 「と、ところでさぁ〜……、お酒、飲み過ぎじゃないかな?」

 「え?そうかな。まだまだ全然行けるよ〜?」

 その結果、帰る頃には彼女は酔い潰れていた。そのため、僕が家まで彼女をおくることにして、車のナビに、住所を入力して車を発進させた。

 「たくっ、だから飲み過ぎだといったのに……」

 と、運転しながら僕はわざとらしくため息をつく。

 「ごめ〜ん!楽しすぎて、浮かれちゃってた〜!」

「別にいいけどさ。楽しかったんならそれでいい」

 「今度から気をつけるね〜!」

彼女はそう言うとそのまま寝息をたてはじめる。

 僕は今の時間がとても幸せで居心地がよく、少し口角が上がってるのがわかった。

 少し車を走らせていると、彼女の住んでるアパートに近づいたので声をかけたが、反応がなく、駐車場に車を停めて後ろのシートで寝ている彼女を揺すったりしたが、全く起きる気配が無い……。

 「ほんとにどれだけ眠りが深いんだよ……」

と、一人、小さい声でツッコミ、僕は仕方なく彼女をおんぶして、中にお邪魔した。そして寝室のベットに寝かせ、毛布をかぶせた。

 「おやすみ」

 そう呟き、帰ろうと思いベットから離れようとしたら、袖のあたりに、違和感を覚えて、袖を見ようと視線を下に落とすと寝ている彼女の手が僕の服の袖口を掴んでいた。

 僕はその状況による萌えてしまった。

 そして、彼女の手を布団に戻そうとしたが、ふと彼女の閉じてる瞳から涙が伝ってることに気づく。

 僕は彼女の頭を撫でながら

 「大丈夫だよ」

 と、何度も繰り返していた。

 そうしているうちに朝になり、気がつくと、僕もベットにもたれかかるように寝てしまっていた。

 「んん〜〜。よく寝た。頭痛い、ところで昨日の記憶がほとんどない……。ん?きゃーーー!」

「おわっ!びっくりしたー。あ、おはよう」

「えっ?!ちょっとまって、え?なんでそう君が私の部屋にいるわけ?私に何かしたでしょ!変態!」

 「いや、まだ手は出していない。ていうか.合鍵を交換し言ったじゃん。あと、その他諸々のことで帰れなかったし、昨日、かおるがお酒を飲み過ぎたからここまで運んできたんだけど」

 「あっ、そうなの?それありがと。けど、まだ手は出していないって何かしようとしたわけ?サイテー」

 「いやいや、誤解だって」

「ん〜〜?本当?」 

 「ほんと、ほんと!」

その後、何とか誤解を解き、この日が休日だったこともあり、僕の住んでるアパートに招いた。

「少し散らかっているけど、その辺に座っていいよ」

「少しどころか、だいぶ散らかっているわよ!少し片付けるから手伝って」

そういった彼女は、自分の髪を後ろで束ねて掃除を始める。

「ごめん……。ありがとう」

「別にいいよ。部屋まで運んでくれた。お礼だし」

と彼女は、微笑みながらそう言った。僕も真似して微笑んだ。

そして、彼女は僕に指示をしながら、部屋を1時間足らずで完璧に片付けてしまった。

その後、ゲームで彼女に勝負を挑んだ。

「あっ、このゲーム知ってる!そう君もするの?」

「かおるとするために、こないだ買ったんだ」

「ほんと!嬉しい!」

早速、やり始めたが、彼女は10分、20分足らずでこのこのリズムゲームをマスターしてしまった。僕はその様子に圧倒されていた。

「ゲームセンターの時もそうだったけど、かおるは、ガチでそういったゲームがうまいんだな」

「まぁ、昔からこういったゲームはしてたからね!」

結局、リズムゲームでは彼女は無敗を誇っていたが、それ以外になると僕に大敗している。

 負けてる間、彼女は膨れっ面でたまにわざと負けてやると子供のように喜んでいた。

 その様子を僕は微笑ましく思いながら見ている。

 ふとそこで気づいたことがあった。

 久しぶりに笑顔になっていたことだ!

 ふと、時計を見ると正午のあたりになっていたので、

 「あっ、もうこんな時間なんだ。昼飯でも食べるか」

「そうだね。私が作ろうか?」

 そう彼女が聞いてきたが、僕の手料理を食べて欲しくて

 「大丈夫!僕が作るから」

そう言って僕はささっとオムライスとコンソメスープを作って振る舞った。

 「卵がふわトロで美味しい!」

「だろ?僕の得意料理」

「この卵は、どうやったらこんな感じになるの?」

「卵をとくときに牛乳を少し入れるとふわトロになるよ」

「そうなの!?詳しいね!」

彼女は、パチパチパチと拍手をしてくれた。

 そのあとは、他愛もない会話をしながらゲームを再開した。

 夕方になり彼女を家まで送り届けた。

 次の日、会社で先輩にこの話をすると、

 「わかってないねー、鈍感君。君の彼女は、自分の手料理を食べてもらいたかったはずだよ?多分だけど」

「あ……確かに。昼食を作ろうか?って聞いてきてたわ!あー、悪いことしたな。どうしよう」

 「どうもこうもないと思うけど」

「え!?」

「その彼女さんに、こないだ言ってた手料理食べたい!っていうだけだけどなぁ」

「あ〜、確かに。ところで先輩は、なんでこんなふうにアドバイスできるんですか?」

「知らないかな?俺、初恋の人に振り向いてもらいたくて、そしたらアドバイスできる程度にはなってた」

「え⁈先輩でも初恋するんですね。意外です」

「は?なにが意外だって?初恋ぐらいそりゃするだろ!」

「す、すみませんでした!」

僕は、少し不機嫌になった先輩と話しながら、3階にある別の部署へ書類を渡す為向かっていた。

 その部署につき、

 「頼まれていた書類持ってきました。確認よろしくお願いします」

そう言いながら隅の方のデスクにいる人に渡そうと声をかける。すると、聞き覚えのある声で

 「はーい」

 と返事が返ってくる。その声に思わず、

 「ん?もしかしてかおるか?」

「え、なんでそう君がいる訳?」

 かおると、僕両方が目が点になるほどびっくりしてしまった。

 「僕は5階にある部署で働いてるんだけど、かおるこそ、この会社で働いていたんだな」

僕とかおるが盛り上がって中、横では先輩が置いてけぼりになり、ぽかーん と、している。そして、質問してきた。

「え?なに、お前ら知り合いなん?」

「「はい!」」

僕とかおるの返事が重なる。

 「かおるは僕の彼女です!」

 僕は先輩の方を向いて改めて付き合ってる報告をする。部署内は、その後めちゃ盛り上がってたらしい。

 「本当に、彼女に心配や寂しい想いはさせんなよ?これは、先輩命令だ」

「了解!」

僕はがあると微笑み合ってたが、先輩がその空気に耐えれなくなったのか部署に帰るぞ!と言い出し、僕と先輩は、挨拶をして戻ることにする。

「まぁ、昔からこういったゲームはしてたからね!」

結局、リズムゲームでは彼女は無敗を誇っていたが、それ以外になると僕に大敗している。

 負けてる間、彼女は膨れっ面でたまにわざと負けてやると子供のように喜んでいた。

 その様子を僕は微笑ましく思いながら見ている。

 ふとそこで気づいたことがあった。

 久しぶりに笑顔になっていたことだ!

 ふと、時計を見ると正午のあたりになっていたので、

 「あっ、もうこんな時間なんだ。昼飯でも食べるか」

「そうだね。私が作ろうか?」

 そう彼女が聞いてきたが、僕の手料理を食べて欲しくて

 「大丈夫!僕が作るから」

そう言って僕はささっとオムライスとコンソメスープを作って振る舞った。

 「卵がふわトロで美味しい!」

「だろ?僕の得意料理」

「この卵は、どうやったらこんな感じになるの?」

「卵をとくときに牛乳を少し入れるとふわトロになるよ」

「そうなの!?詳しいね!」

彼女は、パチパチパチと拍手をしてくれた。

 そのあとは、他愛もない会話をしながらゲームを再開した。

 夕方になり彼女を家まで送り届けた。

 次の日、会社で先輩にこの話をすると、

 「わかってないねー、鈍感君。君の彼女は、自分の手料理を食べてもらいたかったはずだよ?多分だけど」

「あ……確かに。昼食を作ろうか?って聞いてきてたわ!あー、悪いことしたな。どうしよう」

 「どうもこうもないと思うけど」

「え!?」

「その彼女さんに、こないだ言ってた手料理食べたい!っていうだけだけどなぁ」

「あ〜、確かに。ところで先輩は、なんでこんなふうにアドバイスできるんですか?」

「知らないかな?俺、初恋の人に振り向いてもらいたくて、そしたらアドバイスできる程度にはなってた」

「え⁈先輩でも初恋するんですね。意外です」

「は?なにが意外だって?初恋ぐらいそりゃするだろ!」

「す、すみませんでした!」

僕は、少し不機嫌になった先輩と話しながら、3階にある別の部署へ書類を渡す為向かっていた。

 その部署につき、

 「頼まれていた書類持ってきました。確認よろしくお願いします」

そう言いながら隅の方のデスクにいる人に渡そうと声をかける。すると、聞き覚えのある声で

 「はーい」

 と返事が返ってくる。その声に思わず、

 「ん?もしかしてかおるか?」

「え、なんでそう君がいる訳?」

 かおると、僕両方が目が点になるほどびっくりしてしまった。

 「僕は5階にある部署で働いてるんだけど、かおるこそ、この会社で働いていたんだな」

僕とかおるが盛り上がって中、横では先輩が置いてけぼりになり、ぽかーん と、している。そして、質問してきた。

「え?なに、お前ら知り合いなん?」

「「はい!」」

僕とかおるの返事が重なる。

 「かおるは僕の彼女です!」

 僕は先輩の方を向いて改めて付き合ってる報告をする。部署内は、その後めちゃ盛り上がってたらしい。

 「本当に、彼女に心配や寂しい想いはさせんなよ?これは、先輩命令だ」

「了解!」

僕はがあると微笑み合ってたが、先輩がその空気に耐えれなくなったのか部署に帰るぞ!と言い出し、僕と先輩は、挨拶をして戻ることにする。

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