(二)-17
妻と結婚したのは世間体があったからだ。会社で成功するにも、妻がいた方が成功しやすかった。自分では家庭なんて持つ気は全くなかったし、そんな不経済なものは不要だとも思っていた。家族に使う金があれば、その金でもっと別のことができただろう。家族に費やす時間があれば、もっと別のことができたはずだ。そう思わずにはいられなかった。
しかし、世の中の仕組みや世間の慣習のようなものが存在するのもまた確かであったし、会社で成功を収めるには、そうした世間一般の常識や慣習に従わなくてはならない。だから家庭を持つのも、会社での出世競争を勝ち抜くためには必要なことなのだと、自分に言い聞かせてきた。
(続く)
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