イボクの物語
直江ダイチ
第1話『身長を煽る世界』
身長というものはこの世界においてそれが全てだった。 身長が高いほどの人はそれなりの力にみなぎり、社会ではその分だけの好評も得られる。
その逆さまに、身長のない人には皆から嫌われて、その分、力がないその人たちにこの残酷な弱肉強食の世界の中では息を吸うだけの余地さえ資格を持たない。
身長というのは誰もが憧れているもの。身長を得るために同種、同族、同胞でさえ牙を剥く。みなは競い合い、殺し合っている。
そんな世界の中、とある村に生まれていた、背の丈が伸びない少年。やつの名はイボクという。
普段、人間に背は伸びる。背によっては顔立ちも変わり、男は髭が生えて、もっと男前が出る。女は胸や臀が大きくなり、もっと女前を出す。いわゆる成長とも呼ぶ。
成長は年が経っているほど成るものだった。年が経つほど成長をし、よって丈も伸ばす。
時間よりも成長する他の方法もある。それは、成長を招く
そして、イボクはそれらがどちも自分の成長を招かない。そのせいでイボクは屈辱を浴びるばかりだった。
「スタッ!」
それが頭に打った石の投げ音だった。
「あーッ!ちびが現れたぞ〜〜!」
と、叫びだした木の裏から現る生意気なガキとその仲間が3人。
「あのチビ、俺の兄さんと同い年だって!」と、4人中の1人がそう抜かす。ガキに嘘はつかないから、今のは一応戯言ではない。
4人の間、最も左側にいたチビ、やつの名はクキ。昔はまだ兄さんとたくさん遊んでいる時、クキは確かまだ小さな子供だった。
背の丈はまだあの日のイボクより4倍小さかった。 手のひらはイボクの一本の指が広さで、まだイボクになっつけているその日は、村周辺を散歩するとき、良く手を繋いで一緒に歩いた。
クキには兄さんがいた。名前はタキ。昔は一緒に遊んでいる時、連れの中でも一番の泣き虫だった。鬼ごっこで転ぶとき、転ぶは草原の上、土は柔らかくてなんとも痛くないはずなのに、タキは一日中泣いていた。今には背が高くて、勇敢で、今となっては村が選ぶ兵士になった。
「タキ兄さんはあんなに立派な兵士なのに、あのチビはまだチビのままだ!ハハハハーー!」
と、右にあるガキがふざけて、爆笑した。
「チビに石を投げろーー!」
と、ちょっと前に出たチビがそう叫んで、石を投げ続ける。
「クソガキがーー!」
投げた石はイボクが躱し当たらなけれど、石を投げられた人の気持ちになるのはあまり良くない気分だから、イボクは石を投げかえし、一人ひとりに中たっちまった。
その後、イボクはたくさん怒られた。
でも、そういうのはもう慣れた。けど、毎度他人に怒られると一番嫌いなことがある。それは、毎度にじいちゃんの話が出ることだ。
じいちゃんはこの村の長老、村長である。つまりイボクは村長の孫である。
家族ということは味方も同然と言われているけど、イボクにとって、じいちゃんはそうじゃなかった。自分を甘えたことがないし、かばうことなんてしなかった。だからイボクは村の皆にバカにされしつつある。
やつの人生中、孫に声をかけることがなかった。いつも維持ばかりを張り、嫌われるも同然な糞じいちゃんだった。
イボクには糞じいちゃん以外、家族なんていなかった。両親は死んじゃって、双子の弟も一緒に死んだ。と、そういうふうに言われてるが、けど、その真実を確かめる様はない。
実際、どうでも良かった。
そんなイボクに、やつはいつも一人で闘っている。飯を上げるやつなんていないし、寝所も野宿でやる。
腹が減ったときに、村の商店街に行って、あそこで何かを盗む。
果物やパン。たまには豪華な肉を盗むが、それを塩漬けにして焚き火の上に焼くのは一番美味かった。けど、好感があるほど労働も要するんだから、肉はいつも命ギリギリで手に入れた。
野菜ものは嫌だ。イボクはどうやら野菜には苦手で、野菜は絶対に盗まないと決めた。だけど、人参は好きだ。キャベツも好き。
この2つがあるなら絶対に盗む!
これは明日のことである。
イボクは狙いを定めるため商店街を散歩していた。でも、何度かここの商店をよく盗んだから、顔は知られていて、普通の散歩は出来ない。
身を隠すために黒いマントを被った。だけど、この手はもう使っていたから、一度だけ商店街の人たちはマントをつけている人を目の当たりにしたら、その人を捕まえてマントを外せと取り調べてくる。
たとえそれが無理矢理でも、マントを外す。
そのお陰で、ある村外から来た旅人が、商店街中をさまよい、マントをつけている。
全身真っ黒なその旅人に声を掛けて、それがイボクだと確信しながら、マントを外せと言う。
はじめはその旅人は嫌がっている。だけど、マントを外すのに頑固で暴力を使ってまでマントを外した。
マントが外されたその旅人は隠すつもりだった顔が現場にいた皆はそれを知っている。
目の当たりにした人々は驚いた。驚くほど足場をなくして、転んだ。
驚いた人々に言われた言葉は一つ、
「悪魔だ!」と。
その日の翌日、イボクはもう一度マントを使って商店街に行った。商店街に入ったときは誰もがイボクを離れている。恐怖で誰も近づけなかった。
イボクはこのチャンスを使って、欲しがっていた肉を盗む。
商店街の皆はマントの男が盗人イボクだと知ったらすぐにイボクを追っかけた。
そのお陰でマントをつけている人はもう一度取り調べられた。
悪魔だと言われているマントの男は2度は現れなかったから、マントをつけている人は今にも暴力的な取り調べをされている。
だから、今のイボクには別の手段で商店街を散歩している。
人群れに紛るにはこの商店街の一本道は少々大きすぎる。人混みは多いけれど、顔立ちを商売人たちから隠せるほどじゃない。
それで無事に商店街の散歩をできるように、イボクが思いつくアイデアは一つ。
それは。。。
樽に変装することだ。
「キャベツーー!」
と、樽の小さな穴から覗けば、見えたのはある野菜店のキャベツである。
自分はワクワクし過ぎて、思わけば取り乱しちゃった。樽は自分で音をたてている。
それを思った周りの人々は不信だった。
周りの人々が接近する気配がしたから、イボクはキャベツに接近して、手が届くその範囲まで、樽の口輪を開いて、追いづらい速さでキャベツを盗んだ。
イボクは樽の中から跳び降りて、全速力で走った。
人をぶつけ、人を押して、人を転ばす。
追っかける後ろの英雄気取りのおっさんは長い足のせいですぐに追いつける。
だけど、イボクの経験はこの追っかけを何回もやっていたから、そんなことだろうかと、それを対策するため、イボクは曲がりくねりで走る。
意外と小さな人には曲がりくねりは上手だ。
その曲がりくねりの間で、人群れのせいで必ず英雄気取りのおっさんには隙が出来る。
その瞬間に棒で英雄気取りのおっさんを後頭部にいっぺんをやる。
そんな戦略で対策するイボクは必ずこの時点で逃げられる。人の後頭部を打つことで大きな
だけど、同じ戦略は何度もやれば効率を失う。
英雄気取りのおっさんはまともな英雄かのよう攻撃を躱し、その分、棒を捕まえた。
棒を捕まえられたイボクはすぐに手を話した。一瞬驚く顔をしているけど。暇はない!
イボクはまた走るー
曲がりくねりで相手をごまかす。
だけど、相手はどうやら曲がりくねりの対策ができて、人たちを「泥棒だ!」とイボクに指を差したら人々はイボクを捕まえようとする。
一瞬周りの人間が自分の敵になった。そのとき、イボクは捕まえられた。服の襟は捕まえられた。
イボクはあがいて、握りはとられた。
また全速前進に走って、一気に視界からなくす。
「追うぞ、やつを!今度こそ捕まえるぞ!」
と、左の追手おっさんだった。
「捕まったら厳罰を!」
と、他の右の追手おっさんだった。
二人はイボクを追って全速前進。
追っかけのあと、何時間も経っている。3人は走る続いていた。
イボクは前に走り、体が小さいから速度に負けて、二人のおっさんにはすぐに追いつく。
だけど、明暗なことに、イボクが今まで走る方向はいつも身を隠せる草木の長いところに行く。あそこで身を隠した。
周囲に見つかる石とかそれと同じものを集めて、困っている二人のおっさんに投げる。
だけど、石ころだけじゃ、イボクの高さより2倍もするあのおっさんたちには損害は加えない。
イボクは走り、おっさんたちを仕掛けた罠に呼び寄せる。
落とし穴、二人がそれを踏み、穴に落ちたらすぐに出られる。
紐の罠、木と木の間で仕掛けた紐が引っ張られると、上にある石が下に落ちる。だけど、腕を一つ上に上げることだけで、損害は受けなかった。
これが身長というもの。それを知るイボクはとても悔やんでいる。
やはり、イボクには逃げるしか方法はない。
イボクは付近の洞窟を知っている。その洞窟の入り口は小さくて、イボクは入れるが、多分、二人のおっさんは無理だろう。
走り続ければ、その洞窟のまあにたどり着いた。イボクは早速その中に入った、まあ、悔しがる一瞬はあったけど。
だけど、その一瞬のお陰で、おっさんたちにイボクの居所を教えた。
二人のおっさんはかける。
イボクが中に入ると、完全に安全だと思い込み、だけどそれは違った。
二人のおっさんは中に入ろうとしたら、体半分が中に入れる。
「中に入った!」驚いたイボクだった。
中に半身を入れたおっさんは薄気味悪い笑顔で「ほら、見逃さんぞ、イボク!」手を無理やりに伸ばしながらイボクに届こうとする。
「ほらほらほらほら!」気味悪い声で叫び続ける。
イボクはこのおっさんが何か変だとすぐに気づいた。
「わぁー!」イボクは悲鳴を上げた。「クソぉー!こうなったら!」イボクは近くの石を取って、おっさんの腕に強く叩く。
「うわぁーー!痛ぇーー!」おっさんが悲鳴を上げた。
そのおっさんの体が外に出るうちに、近くにある洞窟の入口を防ぐための石を取って入り口を防いだ。
胸騒ぎは止んだ。
胸のドキドキがおさめて食べるキャベツは美味い。
だけど、あんなようなおっさんに追っかけられることは、回想してみればゾッとする。
あれは本当に人間だと懐疑も巡る。
しばらく時間が経てば、落ち着いたイボクは外に出た。
残りのキャベツを手に、付近にある村外れの絶壁の崖に立ち、村の絶景を見据える。
「そろそろ、次の計画に移す。」
と言った。
この村の名はインク村というこの村。世界中ではインク村という村は世界でとても繁盛な村の一つ。建物の質は比較的じゃないぐらい丈夫で豪華な素材でできている。その素材で村の建物は空まで伸ばす高さで出来ている。インク村はこの世界の理想そのものとも言える程。
そんな村の事だったが、その中心にある聖塔という一番高い建物がいた。その聖塔は紫色塗りで、そっと金の色づきもつけている。高さは空まで伸びて、とても優雅な聖塔だった。
その聖塔の中、イボクには詳しくは知らないけれど、その最上階にある聖塔には
牛とはこの世界では伝説な生き物。牛はこの世界では数の少ないため幻獣とも呼ばれている。牛は人間にとって聖なる生き物。存在は尊重されており、大事にされている。何故なら牛は牛乳という人間にとって成長するための大事な代物を産んでいる。
牛乳は人間の成長を招く代物。いっぱい飲めばその白に塗る飲み物は体の中に混じえ、人間の体の中にある細胞に入り込んで、成長する細胞をより多く生み出す。
イボクは牛のチチから出す牛乳をその牛から無理やり奪うことを、それが作戦だった。この作戦ではイボクは村中の気を自分に集中することが出来る。その加え、イボクが牛乳の中にまじる陰謀を暴けることが出来る。一石二鳥である。
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