花火今年はどうする?6️⃣シバとジュリ(1000文字)

 朝起きるとシバは大の字でベッドの上で寝ていた。自分のいびきに気づいて目を覚ました。

 横にはいるはずのジュリはいない。

「やっべ」

 しまったと時計を見ると10時。


 ガリガリガリ


 なにか音がする。台所からか? シバは恐る恐る向かうと……。


「おはよ!」

 と腕まくりをしてかき氷を作ってるジュリがいた。

「……おはよう……てかなんで今かき氷?」

 朝起きて見る光景ではない。

「昨日かき氷すっごい並んでいて食べられなかったじゃん、朝から掃除してて暑かったから作ったのよ」

「そんなに食べたかったの?!」

 するとジュリがニヤッと笑った。

「ただのかき氷じゃないわよ、ほら座りな」

 シバは寝起きと二日酔いでおぼつかないままダイニングの椅子に座る。机の上にはかき氷機だけではなくいろんなフルーツが。


 シロップも普通のシロップではない。

「これはいつかやろうかなーと思って買ってたけど……フルーツも乗せたらおしゃれだし。こういうおしゃんなかき氷お祭りに出したいーけど」

「「大赤字」」

 と声が重なり二人笑う。

「確かにおしゃれなかき氷のほうがいいよなー昨日見たところはいろんな色のシロップかけ放題とかあったけどさ……溶けたらびしょびしょ」

 とシバはジュリが作ったかき氷に早速赤色のシロップをかけフルーツをあれもこれものせる。

「加減しなさいよ。それに自分の分は自分で作って!」

「へいへーい」

 と先に食べてしまうシバ。ジュリも自分の分を作り、青色のシロップとフルーツを乗せる。

「うまーい」

「うまー!」

 そして二人同時に舌をべーっとだす。それぞれ赤と青の色がついてる。

「なぁジュリ」

「何?」

「色混ざったらなんの味になる?」

「実はシロップは基本同じで色が違うだけなのよ……んっ……あっ」

 シバはジュリの口を塞ぐようにキスをした。

 舌をたくさん絡ませて次第に腕も絡ませて抱きしめながら。

 ジュリもシバに乗っかり応戦する。

 鼻息も荒く次第に音を立て息継ぎもする。

 そして離れた。

「どうだ、赤と青でお前の好きな紫になったろ」

「……ふん」

 ジュリの頬は赤く染まる。シバはその頬を撫でる。

「昨晩できなかった打ち上げ花火するか?」

「何その隠語……二日酔いは?」

「大丈夫。打ち上げんとお前のヒステリックな声でキーキー言われて痛くなるからな」

「わけわかんないっ。何発打ち上げるつもり?」

 ジュリがそう聞くとシバは

「10000発」

 と笑って答えてジュリをお姫様抱っこして寝室に連れて行ったのであった……。


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