雨ざらし(777文字)
湊音はジュリとティータイム。ジュリとシバの家にはよく行くのだがお目当てはシバだ。
市役所職員としてはジュリとはビジネスパートナーでもあるから職場ではよく話はするがここ最近はプライベートでもシバ抜きで話すようにはなった。
同じものを好きな同士、気が合うのだろうか。
今日もシバ抜き。シバは警察学校で剣道の指導をしている。
シバとのエピソードをグイグイ聞く。実はしっかりは聞いていなかった。
「本当は私は交際断ったのよ」
「え、シバから交際迫ったの?」
「そーなのよ。土下座までされて」
ジュリは笑いながらクッキーを摘む。
「身体の関係はあったんだけどねー、結婚を前提としたお付き合いとか……互いにバツイチだし。結婚したくても同性同士だし結婚はちゃんとできない」
「まぁそうだね。でもどうやって……」
「気になる?」
「うん。気になる」
湊音はうんうんと首を縦に振る。
「その日は雨でね、結婚はいいから付き合ってくれって強く言われちゃってさ……」
「すご、シバ……執念深い」
「追い返したの」
「それでも……」
ジュリは思い出し笑いしながら言った。
「雨ざらしの中、彼が外で待ってたの……だから堪忍して入れてやってそっからお付き合いしたわ」
「ふうん……」
湊音はチョコを摘んで下の中で転がす。苦い。
「ただいま」
「おかえり」
シバが帰ってきた。くたくたで疲れているようだ。
「湊音、ジュリと珍しーな二人きりで」
「そうかな?」
「何話してたの」
「……秘密だよ」
「気になるなぁ……くしゃみもそういうことか?」
と笑って去ろうとするシバに湊音は抱きつく。ジュリの前でである。
「シャワー浴びてくるから。部屋で待っていろ」
「うん」
湊音はただ悔しかった。シバがジュリに執念深く告白してたとは。
そのあとはシバの部屋で思いっきり抱かれた。
他の部屋ではジュリがいるのに。
「シバ、愛してるっ……」
湊音はシバの上で微笑んで果てた。
※※※
シバの恋愛話を聞いてそれを餌にシバとのプレイをさらに加熱させるなんとも悪趣味湊音。
ジュリはどんな心境で別の部屋にいたんだろう💦
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