ランドリー(777文字)

自宅の洗濯機が壊れた。脱水ができなくなったのだ。

先日もホースが排水溝から外れて洗面台の床がびしょ濡れになって酷い目にあったものだと思ったばかりでその時のことを考えると脱水されない方がマシだと2人は思っている。


同居した時に買ったもので李仁の知り合いの家電販売員から最新式のものを勧められて買った。(湊音は李仁がきっとこの男とも関係があったんだな、と思うほどの容姿端麗な男だったらしいが今は転勤して真相は闇の中)


今度はドラム式から縦型洗濯機と乾燥機、別々購入することにした。だが届くまでに時間がかかる。

だから今日は外のコインランドリーへ2人で仲良く向かう。よりによって洗濯機が届くまでの時にシーツを替えるほどベッドの上で2人は燃え上がってしまったわけで。しかも雨だ。洗っても干せない。替えのシーツはあるけどとにかく洗いたいのだ。


シーツと普通の洗濯物を持ち込む。

「コインランドリー使うの久しぶりだわ」

李仁は昔来た時よりも広くて綺麗な店内をジロジロ見渡す。


「僕も研修の時に行ったことあるけど……布団洗いとかできるならやってもいいよね」

湊音はシステムが少し変わったと思いながらも洗濯物を入れ込む。


互いに休みで乾燥までの時間ここで過ごすことにした。

「なんかいつもと違うシチュエーションだからドキドキするね」

「そんなのはミナくんだけよ、こんなやかましいところでは愛なんて生まれやしないわ」

李仁にそう笑われた湊音は膨れっ面。


「流石に全面ガラス張りなところではいちゃつけないわよ」

「そんなこと考えてるの李仁だけだよ!」

2人は笑った。ガラス張りじゃなかったらしてそうだ、とツッコミを入れたいところだが。


「新しい洗濯機来たらここに来ることもないよね」

「そうよねぇ。また気が向いたら布団洗いに来ましょう」

「うん」


たまにはあまり行かない場所も行くのもよし。2人は手を繋いで帰った。


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