第4話 錻力(ぶりき)こころくん

 今度は、コンビニの前から、うなり声が聞こえます。

 そこには、飲んだくれのように見えるオジさんがいました。

 手に持ったワンカップは空なのに、ずっとそのカップからお酒を飲もうとしています。


 かなりのアルコール中毒のようにも見えました。


 しょうがないので、雫は持っていたお酒をあげることにしました。

 すると オジさんは嬉しそうに話し始めました。


「お嬢さん、見かけによらず飲兵衛なんだね。ワンカップを持ち歩いてるなんて。そして、競馬新聞と、耳に赤鉛筆。やさぐれてるねぇー」


 酔っぱらいの暴言はスルーしよう。


「おいらは錻力ぶりき


 零は錻力ぶりきさんに、競馬場へ万馬券を買いに向かっていることを話しました。



「おいらも、競馬場へ連れて行ってくだせぇ。大穴を狙いで負けすぎて、心が折れてしまったんでやんす。おいらはオッズ様から、折れない心をもらいたい。心が折れていると、 競馬をやることすらままならないんだ」


 キラキラと純粋な目で見つめてくる。

 丸々と太った体。偽りのない競馬愛の錻力ぶりきさん。soキュート。


 雫は疑問に思い聞いてみました。


「そんなに心折れるまで負けてるのに、まだ競馬がやりたいの?」

「掛け金を少なくすれば、負けたって懐は痛くないだろ? おいらは馬券で夢を買っているのさ」



 雫は力さんの考え方にも一理あると納得しました。

「ええそうかもしれない。あなたの言う通りね。掛け金は少なくても、大穴を買えば夢が見れる。そういう楽しみ方もありですね」


 こうして、錻力ぶりきも一緒にオッズの元を目指すことになりました。


 ――作者は少ない星でも喜びます。面白いと思いましたら、以下略。

 作者の心が折れる前に次へ。


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